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2020年09月21日01:26

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ありがとう!横浜文化体育館(12)

80年全日本プロレス「ジャイアント・シリーズ」、11月1日、横浜文化体育館大会はメインイベントにテリー・ファンクがアブドーラ・ザ・ブッチャーに挑戦するUNヘビー級選手権試合が開催され、横浜文体新記録となる7,500人超満員札止めの観客を動員(テレビ収録)しています。

ブッチャーvsテリーと言えば、77年12月2日開幕した「世界オープン・タッグ選手権」で遺恨が勃発、最終戦となった12月15日、蔵前国技館でのドリー・ファンク・ジュニア&テリー組のザ・ファンクスとブッチャー&ザ・シーク組の公式戦で、ブッチャーがテリーの左上腕部をフォークで突き刺すという凶行に出て、観客とテレビ視聴者を恐怖に陥れました。

それでもテリーは怯まずにパンチで反撃、試合は14分40秒、シークがレフェリーに暴行を加え反則勝ちでファンクスが勝ち最多得点をあげて優勝。テリー人気は爆発しました。これにより世界オープン・タッグ選手権は興行的にも大成功、翌78年からは「世界最強タッグ決定リーグ戦」と改題し、全日本プロレスの年末の看板シリーズとなりました。

同時にテリーのベビーフェイス人気、ブッチャーのヒール人気も爆発、全日本プロレスは格闘技世界一決定戦路線で人気面で水を開けられていた新日本プロレスに一矢報いました。

ファンクスvsブッチャー&シーク組の抗争と合わせてブッチャーとテリーのシングルマッチでの遺恨試合も全日本プロレスのドル箱カードとなっていましたが、横浜文体に超満員の観衆を集めることが出来たのには要因がありました。

本連載(4)にも書きましたが、このシリーズ、10月22日、函館市民体育館から特別参加する為に来日したテリーは記者会見を行い「ブッチャーにやられた膝が限界、3年後(83年)の自分の39歳の誕生日である6月30日(テリーは44年6月30日インディアナ州ハモンド出身)に日本で引退試合を行いたい」と表明。

ブッチャーとテリーの遺恨試合では79年7月18日、金沢市卯辰山相撲場ではブッチャーがテリーの膝にフォークを刺す場面が見られ、この年の「第8回チャンピオン・カーニバル」4月18日、大阪府立体育会館での両者の公式戦ではブッチャーが今度は割れたビール瓶でテリーの右膝を攻撃する場面が見られています。

また当時の週刊ファイトに「第8回チャンピオン・カーニバルから帰国したテリーがアメリカで両膝の手術を受け、体重が200ポンド(約90kg)位まで痩せて閉まった」との記事が載り日本のファンを大いに心配させました。その矢先の「引退表明」。日本のテリーファンにはショッキングな発表でありました。

一方、ブッチャーはヒールながらもテレビCMに起用されたり、題材とした漫画「愛しのボッチャー」(河口仁作)が少年マガジンで連載されるなど人気者となり、テリーの来日直前の10月13日、愛知県体育館で鶴田を破ってUNヘビー級王座を獲得、その初防衛戦の相手が因縁のテリーだった訳です。

引退発言が話題を集め横浜文体は超満員の観客で膨れ上がりました。試合は60分3本勝負。1本目、タックルに来たブッチャーをテリーが脳天にエルボーバット、さらにテリーは自らロープに飛んでのフライング・ボディシザースドロップ、7分50秒、体固めでテリーが先制のフォール。

2本目は場外に転落したテリーをブッチャーが担ぎ上げて負傷箇所である膝を鉄柱に何回も叩きつけていきました。超満員の観客席からは悲鳴が!先にリングに上がったブッチャーは後から必死にリングに上がろうとエプロンまで登って来たテリーに助走をつけてのショルダータックル。これでテリーはリング下に転落、立ち上がることが出来ず7分10秒、リングアウトでブッチャーの勝利。

決勝の3本目はテリーがコブラツイストを掛け、これをブッチャーがすくい投げで投げたところ、テリーの身体はジョー樋口レフェリーにぶつかり樋口はテリーの下敷きになってダウン、ブッチャーはダウンしたテリーにエルボードロップを放ちますがテリーはこれをかわし、ブッチャーの毒針は樋口レフェリーを直撃。失神した樋口レフェリーに代わり、和田京平レフェリーが入って来ましたが、テリーをブレイクさせようと間に入ったところを怒ったテリーが和田レフェリーを2度に亘り突き飛ばしました。3分35秒、両者反則の裁定が下り1−1の引き分けでブッチャーが初防衛を果たしています。

UNヘビー級王座はこの後11月4日、松本市総合体育館で前王者の鶴田がリターンマッチを挑みましたが、1−1から両者リングアウトで逃げられ、ベルトは海外流失。次が「世界最強タッグ決定リーグ戦」でしたから年内に鶴田にベルト奪還のチャンスはなく、シングル無冠のまま越年。

翌81年1月、「新春ジャイアント・シリーズ」にブッチャーが来日、1月3日、後楽園ホールでは前年仲間割れしたシークと両者リングアウトで3度目の防衛をした後、1月22日、山梨・韮崎市運動公園体育館で鶴田の2度目のリターンマッチを受け、2−1で敗れてベルトは鶴田が3か月ぶりに奪い返しました。

81年は4月24日に「インター・チャンピオン・シリーズ」開幕戦に横浜文体(ノーテレビ、観衆3,200人発表)大会が開催されました。インター・チャンピオン・シリーズは3月27日〜4月23日まで開催された「第9回チャンピオン・カーニバル」の追撃戦として行われました。大木金太郎が返上した(させられた)インターナショナル・ヘビー級王座決定トーナメントが開催され、第9回チャンカン参加の上位7選手にドリー、テリーのファンクスが加わり、さらに前王者の大木も参加権が与えられましたが大木はどうせ自分が王者になれる訳でもないとトーナメントを棄権しています。

横浜文体大会はトーナメントの公式戦は行われませんでしたが、馬場&鶴田組の保持するインターナショナル・タッグ王座にドリー&テリーのファンクスが挑戦。両チームは暮れの「世界最強タッグ決定リーグ戦」で毎年公式戦で対戦しており、カード的には新鮮味に欠けましたが、インターナショナル・タッグのベルトを賭けて対戦するのは75年3月13日、日大講堂(馬場&鶴田組が2−1で勝ち防衛)以来実に6年ぶりのこととなりました。

1本目は21分7秒、テリーが馬場をローリング・クレイドル(揺り椅子固め)でフォールし先制。2本目は6分、馬場がテリーを鶴田とのツープラトンのビッグブートからブレーンバスターを決めて片エビ固め。

決勝の3本目は10分54秒、エキサイトした鶴田とテリーが場外で殴り合い両者リングアウト。引き分けでは収まらない両チームは延長戦をアピール、10分の延長戦に突入しましたが、時間切れ引き分け、都合48分闘って決着つかず馬場&鶴田組が7度目の防衛を果たしています。

セミファイナルはブッチャー&キラー・ブルックス組がブルーザー・ブロディ&ジ・アベンジャー(ムース・モロウスキー)組と対戦。因縁のブッチャーとブロディがタッグで対戦、4分19秒、ブッチャーが地獄突きからのジャンピング・エルボードロップを決めてアベンジャーを体固めに降しブッチャー&ブルックス組の勝利。ブッチャーはこのシリーズ終了後、新日本プロレスへ移籍を表明。これを機に全日本プロレスと新日本プロレスの引き抜き抗争、レスリング・ウォーへと発展していきました。ブッチャー同様、新日本プロレスへと動くタイガー戸口は「出戻り」のジャック・ブリスコと8分40秒、両者リングアウトの引き分け。

この年は秋の「創立10周年記念ジャイアント・シリーズ」10月7日にも横浜文体(ノーテレビ、観衆5,400人満員発表)大会を開催しています。

メインイベントはテリーが新NWA世界ヘビー級王者、リック・フレアーに挑戦。1本目は11分24秒にフレアーが足4の字固め。2本目は3分7秒にテリーがスピニング・トーホールド。決勝の3本目はフレアーのダブルアーム・スープレックスをテリーがリバース・スープレックスで切り返してフォール。レフェリーのジョー樋口はカウント3を入れましたが、フレアーの足がロープにかかっていたことが判明、ミスジャッジとなり、試合再開。

怒って樋口レフェリーに食ってかかるテリーをフレアーは背後から場外に投げ落とし、自らも降りて場外乱闘となり、3分42秒、両者リングアウトの引き分け。1−1でフレアーが王座防衛。

セミファイナルはドリー&鶴田組がハーリー・レイス&ジミー・スヌーカ組と対戦し14分51秒、ドリー&鶴田組の反則勝ち。翌82年の世界最強タッグ決定リーグ戦でタッグを組んでエントリーしながらも、スヌーカがWWFのスケジュールを優先させた為キャンセルとなり参加が実現しなかったレイス&スヌーカ組がこの時は何ら話題になることもなく組んでいます。

引退ツアーとなった「人間発電所」ブルーノ・サンマルチノはブロディとのシングルマッチを行っています。両者は76年10月4日と25日にニューヨークMSGにてサンマルチノの持つWWWFヘビー級王座を賭けて対戦。サンマルチノの2勝(うち1勝は反則勝ち)となっていますが、この時は駆け出しだったフランク・グーディッシュがブロディにリングネームを改めてニューヨーク入りした時でした。ブロディは以後、世界のメインイベンターに成長。

5年ぶりに日本で実現した両者のシングルマッチは場外でブロディがチェーンでサンマルチノの首を絞め、サンマルチノもチェーンを奪って逆にブロディの首を絞める展開で僅か2分43秒に両者リングアウトの引き分けとなっています。
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