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2020年09月19日23:36

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ありがとう!横浜文化体育館(11)

76年6月15日、全日本プロレス「NWAチャンピオン・シリーズ」横浜文化体育館(テレビ収録、観衆2,500人発表)大会。メインイベントは鶴田と「欧州の帝王」ホースト・ホフマンとのシングルマッチ(60分3本勝負)。

この年3月に「試練の十番勝負」をスタートさせた鶴田はこの時までにバーン・ガニア、ラッシャー木村、テリー・ファンク(NWA世界ヘビー級選手権試合)と3戦を消化し、ガニア、R木村と引き分け、テリーには負けで1敗2分。

次期「サマー・アクション・シリーズ」には前75年12月11日、新日本プロレス蔵前国技館で猪木とプロレス史に残るの名勝負を展開、1−1から60分時間切れ引き分けとなったビル・ロビンソンが全日本プロレスに移籍して来て、鶴田と十番勝負第4戦(7月17日、北九州市小倉区三萩野体育館)を行うことが決まっており、ヨーロッパではロビンソンと並ぶ強豪ホフマンは格好の対戦相手でした。

両者は前75年12月9日、福岡九電記念体育館でオープン選手権公式戦で初対戦、15分7秒、鶴田がホフマンのすくい投げを切り返し体固めで勝っています。

1本目は11分25秒にホフマンがサイド・スープレックスから体固め。2本目は3分36秒、鶴田がフライング・ボディアタックからの体固め。決勝の3本目はホフマンが鶴田をロープに飛ばしてすくい投げ、鶴田は投げられながらもホフマンの右腕を離さずに密着して巻き投げのような感じで投げ、そのまま上に乗り4分7秒に体固め。

3本目のフィニッシュはオープン選手権の時とほぼ同じでした。2−1で鶴田がホフマンから2フォールを奪って快勝。この試合で鶴田が勝ったことで馬場は8月に復活したUNヘビー級王座決定戦への出場にゴーサインを出したと見られます。

セミファイナルは馬場&ザ・デストロイヤー組とテリー&ロード・アル・ヘイズ組の45分3本勝負。テリーはNWA世界ヘビー級王者としての来日。1本目は8分20秒にテリーがデストロイヤーをローリング・クレイドル(揺り椅子固め)。2本目は9分55秒、デストロイヤーがテリーを回転エビ固め。3本目は5分47秒、馬場がヘイズを16文キックからの片エビ固めに決めて2−1で馬場&デストロイヤー組の勝利。

この横浜文体大会の中継はモハメド・アリvs猪木(日本武道館)の格闘技世界一決定戦が行われた6月26日、土曜日に放送されました。アリvs猪木戦はアメリカのクローズド・サーキット(劇場中継、現在で言うところのライブビューイング)に合わせて世界中に生中継された為に試合開始は午前10時30分から。メインイベント開始は午前11時50分でした。

NET(テレビ朝日)による放送は当日午後1時よりディレイ録画中継。夜7時30分からはアリvs猪木戦の再放送に加え、ニューヨーク・シェアスタジアムでのアンドレ・ザ・ジャイアントvsチャック・ウェップナー、ロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムでのウィリエム・ルスカvsドン・ファーゴの試合が加わり90分枠特番放送。

幸いなことに関東地区では同時刻、日本テレビは巨人戦のプロ野球中継があり、全日本プロレス中継は深夜11時45分からの放送となり両方観ることが出来ました。アリvs猪木戦の緊迫感に比べ、セミファイナルの馬場、デストロイヤーの肩の力の抜けたプロレスもこれはこれで面白いと感じたものです。

77年10月21日、「ジャイアント・シリーズ」横浜文体(テレビ収録、観衆4,000人発表)大会はメインイベントで馬場&鶴田組がケン・パテラ&ボボ・ブラジル組の挑戦を受けてインターナショナル・タッグ王座の防衛戦を行っています。「五輪の豪勇」パテラはこの時一度だけ全日本プロレスに参戦しました。

1本目は10分33秒、ブラジルが鶴田をココバット(ジャンピング・ヘッドバット)から体固め。2本目は4分31秒馬場がブラジルを鶴田とのツープラトンのビッグブートから片エビ固め。

決勝の3本目は6分19秒、鶴田が自軍コーナーにパテラを振り、コーナーマットに叩きつけられたパテラはダウン、コーナーポスト最上段から馬場がダウンしたパテラの腹部めがけてアトミック・ボムズアウェー(片足のみ当てる雪崩式フットスタンプ)を見舞い、試合権利のある鶴田がすかさずパテラをフォール、片エビ固めで馬場&鶴田組が2度目のタイトル防衛に成功しています。

セミファイナルには前76年全日本プロレスに入団し、この年の6月にアメリカ修行から凱旋帰国した天龍が同時期に帰国したロッキー羽田との「ハンサムフレッシュコンビ」を組んで、アジア・タッグ王者チームの極道コンビ、グレート小鹿&大熊元司組と対戦。

両チームは9月9日の後楽園ホールでアジア・タッグ王座を賭けて対戦し1−1から時間切れ引き分けとなっていますが、この日はノンタイトルでの対戦、21分10秒、極道コンビの反則負けとなっています。

78年3月8日、「第6回チャンピオン・カーニバル」第5戦横浜文体(観衆3,700人発表、ノーテレビ)大会、日本プロレス時代はワールド・リーグ戦の大会を頻繁に開催していましたが、全日本の春の祭典チャンピオン・カーニバル開催はこの日が初。

メインイベントは優勝候補同士の大一番、馬場とアブドーラ・ザ・ブッチャーの公式戦が組まれています。この試合、ブッチャーのセコンド、ブラック・テラー(タンク・パットン)、フランク・モレルが場外から度々馬場にチョッカイを出し30分時間切れ引き分け。互いに1点を獲得。

ゴングでもプロレス誌でもこの試合は詳しく伝えられておらず、数多い馬場とブッチャーのシングルマッチで30分時間切れはこの1回だけで、どのような展開だったか興味深いですが、おそらく相当ダラダラした試合展開ではなかったかと思います。

4月7日、仙台・宮城県スポーツセンターでの優勝決定戦は横浜文体の公式戦と同じ馬場vsブッチャーの組み合わせとなり、11分59秒、場外乱闘からエプロンに上がってきたブッチャーに馬場がリング内から32文ロケット砲を見舞ってのリングアウト勝ちで馬場が2年連続5度目の優勝を果たしています。

その他の公式戦はドン・レオ・ジョナサンが羽田をハイジャック・バックブリーカーで破り、Bテラーは大熊元司を撃破。ルーク・グラハムとモレルは両者リングアウトとなりました。

鶴田はグレート小鹿と組んで大木金太郎&キム・ドク組と対戦し、11分38秒、大木がヘッドバットの連発から小鹿を体固めに降しています。天龍はシリーズ前に2度目のアメリカ修行に出ており、不参加でした。

馬場はチャンピオン・カーニバルの文体開催に手応えを掴んだか、翌79年の3月3日には「第7回チャンピオン・カーニバル」開幕戦(テレビ生中継、観衆4,500人満員発表)の観客を集めました。

メインイベントは鶴田とブッチャーの公式戦が組まれ、5分15秒、両者リングアウトとなり両者無得点試合。馬場はビリー・フランシスを16文キックからの片エビ固めで降しました。リーグ戦に新風を吹き込んだ「喧嘩番長」ディック・スレーターはキラー・トーア・カマタとの公式戦。ロープに両腕が絡まり、身動きが取れないスレーターにカマタが反則攻撃を繰り返してスレーターの反則勝ち。大木はマリオ・ミラノを破っています。

日本テレビ「全日本プロレス中継」は裏番組にTBS「8時だヨ!全員集合」があり、子供の視聴率が増えなかったこと、4〜9月の野球シーズンは巨人戦の中継が優先され深夜午後11時45分からに放送時間帯が度々変更されてしまうことなどあり、人気面でライバル局であるテレビ朝日のワールドプロレスリングに視聴率で大きく水を開けられ、このシリーズの最終戦、4月6日、秋田県立体育館での放送(4月7日放送)から毎週土曜日の午後5時30分(関東地区)からの放送時間に変更されて、同時に「全国31局ネット」が売りだったネット局数も20局前後に減少させられてしまいました。

この年の4月6日、秋田での優勝決定戦のカードは2年連続、横浜文体大会と同じ鶴田とブッチャーの対戦となり、13分14秒に一度は両者リングアウトの裁定が下るも、優勝決定戦ということで再試合となり、2分11秒、鶴田のコーナーポスト最上段からの攻撃を下からの地獄突きで迎撃したブッチャーが、ジャンピング・エルボードロップからの体固めで鶴田を破り76年の第4回大会以来3年ぶり2度目の優勝を飾りました。

79年は秋にも10月5日、「ジャイアント・シリーズ」開幕戦で横浜文体(テレビ収録、観衆3,200人発表)大会を開催。メインイベントは鶴田と先の「サマー・アクション・シリーズ」で大木との韓国師弟コンビを解散、全日本プロレスに正式入団を発表したキム・ドク改めタイガー戸口がタッグを結成。

翌週の10月12日、旭川市体育館で馬場&鶴田組の保持するインターナショナル・タッグ王座に挑戦が決定しているブッチャー&初来日のレイ・キャンディ組と対戦。1本目は4分5秒、鶴田がキャンディにジャンピング・ニーパットを放ったところ、すかさずブッチャーがカットに入って地獄突き、ダウンした鶴田にキャンディがフライング・ボディプレスからの体固めを決めてブッチャー組が先制のフォール。

2本目は9分23秒に鶴田がサイド・スープレックスからの体固めでキャンディをフォール。決勝の3本目は2分27秒、ブッチャーが凶器攻撃で戸口の額を割って大流血させ、ジャンピング・エルボードロップからの体固めで勝ち、2−1でブッチャー&キャンディ組の勝利。

これで勢いに乗ったブッチャー&キャンディ組は10月12日、旭川で馬場&鶴田組を破りインターナショナル・タッグ王座を奪取してしまいます。(1週間後の10月19日、郡山市総合体育館で馬場&鶴田がリターンマッチで勝ち7日天下に終わる)

セミファイナルは2度目のアメリカ修行から凱旋帰国した天龍が馬場と組んでクラッシャー・ブラックウェル&ビッグ・バッド・オー組と対戦、15分32秒、首固めで天龍がオーをフォールしていますが、アメリカに行っている間に敵対していた戸口が馬場、鶴田に次ぐ「第3の男」のポジションに座り、4番手に格下げされてしまいました。

また、国際プロレスの「ダイナマイト・シリーズ」に参戦していたジョー・ルダックがこの日1試合のみのレンタル参戦。グレート小鹿と両者リングアウトとなっています。これは全日本プロレスに参戦していた大木金太郎がこの日国際プロレスの「世界3大タイトルマッチ」に参戦し、上田馬之助と組んでマイティ井上&アニマル浜口組のIWA世界タッグ王座に挑戦する為のバーターでした。

国際ではR木村のIWA世界ヘビー級王座に挑戦、エース扱いでしたが、全日本では中堅の小鹿と両リンという扱いの悪さでした。
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