mixiユーザー(id:21258650)

2019年11月19日22:58

384 view

猪木とビンス(592)最終章

81年国際プロレス「ダイナマイト・シリーズ」は6月5日、本庄市民体育館で開幕。ジプシー・ジョー、カール・ファジー、エル・クルセーロ、ティエラ・ビエント・イ・フエゴの4人の外国人選手が来日。

エース格として国際プロレス初参戦が発表されていた「トルコの怪人」ザ・ターク(75年7月、76年7月に新日本プロレスにアリババのリングネームで2度来日したオザーク・モルナーの変身)が来日直前に麻薬不法所持で逮捕され来日中止に。

またファジーはラリー・ラザンとの「ニュー・ブロンドボンバーズ」で来日する予定でしたがラザンが前80年の「ビッグ・サマー・シリーズ」に続いて2度目の来日キャンセルとなり(先シリーズに来たテリー・ラザンとは別人)、単独来日となりました。

第2戦となった6月6日の後楽園ホール大会は結果的に国際プロレス最後の後楽園ホール大会となりました。観衆は1,500人発表でしたが、当時、「ゴング」誌でアルバイトをしていた元週刊プロレス編集次長、宍倉清則のブログによると実際の入りは200人しかおらず「数えた」とのことです。

後楽園大会メインイベントはラッシャー木村vsファジーのシングルマッチ60分3本勝負で1本目は9分45秒に両者リングアウト。2本目は1分32秒、R木村が風車吊りでファジーをギブアップさせ2−1でR木村の勝利に終わりました。

セミファイナルでは阿修羅・原とジョーが「ヘビー級」の括りでのシングルマッチ。これまで両者はWWU世界ジュニア・ヘビー級王座を賭けて3回対戦し、原の1勝2分。試合は11分13秒、原の反則負けとなりました。

クルセーロとフエゴはメキシコのカルロス・プラタのルートで来日したルチャドールのマスクマンでいずれも初来日。末期の国際プロレス、81年に入ってからは大剛鉄之介のカルガリールートより、外国人メンバーの質は良かったと思います。

フエゴは「ティエラ(地)、ビエント(風)、フエゴ(火)」を意味するリングネームであるところから来日前は武田信玄の「風林火山」を名乗っていると「ゴング」、「プロレス」などで報じられましたが、何のことはなく「宇宙のファンタジー」、「レッツ・グルーヴ」などのヒットナンバーで世界的に知られているボーカルグループ「アースウィンド・アンド・ファイヤー」をスペイン語に読み換えただけでした。

クルセーロ&フエゴ組は後楽園大会ではマイティ井上&マッハ隼人組と対戦、12分57秒、クルセーロが回転十字固めでM隼人を破っています。

6月11日、下関市体育館でクルセーロ&フエゴ組が原&M井上組のIWA世界タッグ王座に挑戦。(61分3本勝負)1本目は12分46秒、クルセーロが原を変型波乗り固めでギブアップさせ先制。2本目は3分49秒にM井上がフエゴを片エビ固め。決勝の3本目は4分37秒、原がクルセーロを片エビ固めに決め2−1で原&M井上組が王座初防衛に成功。

6月22日、郡山市セントラルホールでジョーがR木村のIWA世界ヘビー級王座に挑戦。75年10月6日、後楽園ホールでの初タイトル戦から抗争を展開して来た両者の最後の同タイトルマッチとなりました。

1本目は9分41秒、R木村が反則勝ち、2本目は8分7秒、R木村がグラウンド卍固めでジョーをギブアップさせて2−0のストレート勝ちでR木村が16度目のタイトル防衛。ジョーは寂しいかな、力の衰えを感じさせました。

シリーズ最終戦、6月25日、清水市(現在の静岡市清水区)鈴与記念体育館(テレビ収録、観衆3,200人発表)ではジョー&ファジー組が原&M井上組のIWA世界タッグ王座に挑戦。(61分1本勝負)17分15秒、原がジョーを回転エビ固めに決めて原&M井上組が3度目の防衛を果たしましたが、ジョーが「カウント2で返した」とアピール。

判定は覆らぬもメインイベント終了後のボーナストラックマッチで原とジョーが金網デスマッチで対戦。(時間無制限1本勝負)ジョーも意地を見せ13分34秒、両者KOで引き分けています。

R木村はフエゴとのシングルマッチ、軽量のフエゴを問題にせず、3分28秒、逆エビ固めでギブアップ勝ち。

ファジーと言えば前80年3〜5月の全日本プロレス「第8回チャンピオン・カーニバル」に初来日、公式戦全敗の最下位0点に終わっており、ファンの間では「全日本プロレスでは白星配給係のファジーも国際プロレスではナンバー2でタイトルコンテンダー」と国際プロレスのレベルの低さを指摘するような声も出ていました。

この清水大会が東京12チャンネル最後の収録となり、団体活動休止後の9月24日深夜0時〜1時(関東地区)の60分枠で放送されました。当初「月1回位」と言われた単発放送も結局半年間で不定期に3回という状況で5月16日の後楽園ホール大会とこの日の清水大会は団体崩壊後であり、もはや放送したところで何の役にも立たない状態でした。

4 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2019年11月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

最近の日記