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2019年11月14日22:29

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猪木とビンス(587)最終章

80年国際プロレス最後のシリーズとなる「デビリッシュ・ファイト・シリーズ」は11月1日、後楽園ホールで開幕。アレックス・スミルノフ、キラー・カール・クラップ、グレート・ムルンバ、カルロス・プラタ、エル・ドーベルマンの外国人選手が来日。

スミルノフ、クラップ以外は国際プロレス初参戦となりましたがムルンバはブルータス・ムルンバのリングネームで76年と77年の1月にタイガー・ジェット・シンの子分として新日本プロレスに参戦、プラタとドーベルマンはメキシコのルチャドールで、マッハ隼人がEMLLとのパイプを持っており、ブッカー兼任のプラタがドーベルマンを連れて来日したものです。  

また、この時期、阿修羅・原がヘビー級戦士として再度修行し直す為にビル・ワットが主宰するオクラホマ、ルイジアナを中心としたMSWAに遠征に出ており、また稲妻二郎もカナダで試合をしていた為日本勢が手薄になり韓国・金一道場から大木金太郎の娘婿、南海山(羹成英)、梁鎮五が参戦しています。

その大木ですが、11月10日の高岡市民体育館の試合から「右角膜エロゲオン」なる眼の病気を理由にシリーズを欠場、治療の為韓国に帰ったと発表されましたが、実際は東京12チャンネル主導で進められた国際プロレスの入団に際しての契約が「半年毎の見直し」であり、観客賞、視聴率共に貢献度合いが低かった為に更新されなかったものでした。

ラッシャー木村&大木の「2大エース時代」は呆気ない幕切れで終わってしまいました。

大木の国際プロレス所属最後の試合は11月8日、新潟・新井市民体育館でドーベルマンとシングルマッチで対戦し13分35秒、体固めで勝った試合になりました。

日本プロレス、新日本プロレスで対戦したクラップとのインターナショナル選手権試合でも組まれれば面白かったとは思いますが実現せずに終わっています。

11月12日、岐阜市民センターで日本初となるメキシカン・キャプテンフォールマッチが行われ、両チームによるイルミネーション形式(負けた選手が退場)の6人タッグマッチで両陣営のキャプテンが取られたら選手が残っていてもそのチームの負け。もしくはキャプテン以外の2人がフォールを取られたチームの負け、というゲーム性の強い試合形式となりました。

Cアニマル浜口&寺西勇&マッハ隼人組vs鶴見五郎&Cプラタ&ドーベルマン組の6人タッグマッチ(45分1本勝負)が行われ、隼人、寺西が退場し鶴見&プラタ&ドーベルマン組の勝利。(Cはキャプテン、C「カルロスのイニシャル」プラタではないので注意)

11月22日、和歌山・新宮市立総合体育館ではスミルノフがR木村のIWA世界ヘビー級王座に挑戦、17分16秒、リングアウト勝ちでR木村が11度目の防衛に成功。

この日2度目のメキシカン・キャプテンフォールマッチが組まれました。Cマイティ井上&寺西組vsCプラタ&ドーベルマン組のタッグマッチ(60分3本勝負)。今回は3本勝負でかつルチャルール(2人がフォールされないと1本取ったことにならない)の為、岐阜大会のルールで3本闘うことになりました。

1本目は寺西がドーベルマンを、M井上がプラタをフォールし日本側が先制。2本目はプラタがキャプテンの底力を発揮しM井上、寺西2人をフォールしメキシコチームがタイスコアに追いつきました。決勝の3本目は日本組の反則負けが取られ、反則の場合は即時失格となることから2−1でプラタ&ドーベルマン組の勝利。ルチャリブレルールがまだ日本では浸透していなかった為か、見ている方はわかりにくい展開でした。

11月27日、千葉公園体育館ではM井上&浜口組のIWA世界タッグ王座にプラタ&ドーベルマン組が挑戦。スミルノフ、クラップ、ムルンバは挑戦者チームから外されました。

試合は61分3本勝負。1本目は10分21秒、プラタがM井上を体固め、2本目は4分43秒、浜口がドーベルマンを体固め、決勝の3本目は4分12秒、M井上がプラタを体固め。2−1でM井上&浜口組が3度目の防衛に成功。いつもの流血ラフファイターチームではなくクリーンファイトの挑戦者チームだけに新鮮な内容でした。

シリーズは翌11月28日、深谷市民体育館で閉幕しましたが前79年は30戦組まれた同シリーズもこの年は20戦しか組めず2/3に減少、この年は新日本プロレスが「MSGタッグ・リーグ戦」をスタートさせ、全日本プロレスの「世界最強タッグ決定リーグ戦」と真っ向勝負し両団体共に大きな盛り上がりを見せ、国際プロレスは蚊帳の外に置かれた感じでした。

12月13日、新日本プロレスの東京体育館大会にR木村、浜口、寺西の3選手が出場、MSGタッグ・リーグ戦の追撃戦でしたが、アンドレ・ザ・ジャイアント、ボブ・バックランド、ハルク・ホーガン、ザ・ハングマン(ネイル・グアイ)らは帰国してしまい不参加。

メインイベントは猪木&ダスティ・ローデス組vsスタン・ハンセン&タイガー・ジェット・シン組のスペシャルマッチ(20分46秒、両チームリングアウト)を持ってきましたが観客は7,500人と振るわず。

R木村はストロング小林の挑戦を受けてIWA世界ヘビー級王座の防衛戦を行いました。(61分1本勝負)新日本プロレスのリングで初の同王座防衛戦。レフェリーはレッドシューズ・ドゥーガンが務めました。

試合は11分37秒、R木村がバックドロップからの片エビ固めでS小林からフォール勝ち、最後ドゥーガンのカウントはやや早くS小林も2でキックアウトしたかのように見えましたが勝敗は覆らず。12度目の防衛。

浜口&寺西組は藤波辰巳&木村健吾組と対戦、白熱したいい試合でしたが16分9秒、藤波が寺西をジャーマン・スープレックスホールドでフォールし藤波&木村健組の勝利。

対抗戦は1勝1敗の五分に終わりましたが、2試合共にテレビ朝日、東京12チャンネルいずれもテレビ収録はなし。

この日新日本プロレスのリングに上がった3選手が「国際軍団」として団体崩壊後新日本に参戦してくることになりますがこれは単なる偶然とは思えません。

この年の東京スポーツ新聞社制定「プロレス大賞」で国際プロレス所属選手の受賞は敢闘賞の浜口と、男子3団体から1人ずつ選ばれる努力賞のM隼人のみ。話題は新日本プロレスと全日本プロレスの後発団体に持って行かれ、マスコミへのアピール不足を痛切に感じさせました。

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