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2019年11月10日22:33

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猪木とビンス(583)最終章

80年6月29日、国際プロレス「ビッグ・サマー・シリーズ」第2戦の後楽園ホール大会でアニマル浜口の脳震盪による欠場で返上されたIWA世界タッグ王座決定戦が行なわれました。

浜口はこのシリーズ戦列復帰を果たしていましたが、体調がまだ万全ではないということで寺西勇がマイティ井上のパートナーとして出場。

新日本プロレス側は元IWA世界ヘビー級、同タッグ王者であるストロング小林を投入、永源遙とのタッグで国際プロレスチームと対戦。観客席も対抗戦らしい殺伐とした雰囲気となっています。

試合は61分3本勝負。レフェリーは4月に引退し、新日本プロレスの審判部長となっていた山本小鉄。

74年にS小林が国際プロレスを離脱、新日本プロレスのリングに上がって猪木に負けたことで国際プロレスは計り知れないダメージを負ったとして「あいつだけは許せない」と常に公言していたM井上はS小林に対して激しい闘志をみせてぶつかっていきました。 

1本目は13分18秒、M井上がフライング・ショルダーアタックからのサマーソルトドロップ2連発でS小林を体固め。2本目は3分50秒、体格差で勝るS小林がM井上をブレーンバスターから体固め。   

決勝の3本目は場外乱闘となりましたが、突如として参加外国人レスラーであるジプシー・ジョーとロッキー・ブリュワーが乱入、角材を持ったジョーはM井上と寺西を襲撃。その間に新日本組がリングに上がりレフェリーの山本は4分、S小林&永源組のリングアウト勝ちを宣告。S小林&永源組が新王者チームとなりました。

判定に不服のM井上&寺西と国際プロレスのセコンド陣は山本に抗議しましたが、山本は「外国人選手は新日本プロレスに加担した訳ではない」と判定は覆らず。S小林は国際プロレス時代の73年以来7年ぶりの同王座返り咲き。永源はキャリア14年で国内ベルト初戴冠となりました。

7月1日、大阪府立体育会館で大木金太郎の保持するインターナショナル王座にジョーが挑戦(61分1本勝負)。15分14秒、大木がX固めでジョーをギブアップさせて26度目の防衛に成功しています。

7月9日、熊本市体育館のメインイベント、ラッシャー木村&大木&グレート草津組vsスパイク・ヒューバー&ランディ・タイラー&ジョー組の6人タッグマッチ。

1本目は7分51秒に両チームリングアウト、2本目は6分21秒、R木村がジョーを片エビ固めに決めて2−1でR木村&大木&草津組が勝ちましたが、この試合で草津はジョーと対戦中に右足のアキレス腱を切断すると言う重傷を負いました。

草津はこの後現役に復帰することなく、正式に引退試合や引退興行をやらないまま、翌81年の団体崩壊を迎え、国際プロレスが活動停止した後はプロレスラーを続けることなく日本バスコン株式会社の営業部長に転職しています。

7月13日、兵庫県八鹿町体育館ではR木村がRAタイラーの挑戦を受けてIWA世界ヘビー級王座防衛戦を行い12分7秒、新兵器の裏足4の字固めでRAタイラーからギブアップ勝ちを奪い8度目のタイトル防衛。

7月15日、富士市吉原体育館ではS小林&永源組のIWA世界タッグ王座に復調した浜口が満を持してM井上と組んで挑戦。(61分3本勝負)

1本目は13分37秒、永源が浜口をヘッドバットの連発からエルボードロップを決めて体固め、2本目は1分46秒、浜口が永源をエアプレーン・スピンからの体固め。

決勝の3本目は3分15秒、カットに入ろうと椅子を持ってリングに入ったS小林が誤ってレフェリーの山本小鉄の脳天を椅子で一撃。S小林が反則負けを取られました。試合は反則決着でもベルトが移動するルールでしたのでM井上&浜口組が2−1で勝利。3か月半ぶりに王座奪回を果たしています。

なお、この日のセミファイナルではR木村がヒューバーとノンタイトルのシングル戦を行い、10分41秒、リバースフルネルソンから持ち上げて両腕をロックする「風車吊り」を初披露しギブアップ勝ちを奪い意欲的な面を見せています。ヒューバーは3月に来日したディック・ザ・ブルーザーの娘婿(後に離婚)であり先シリーズのマイク・ジョージに続き新風を巻き起こしましたが来日はこの時一度きりに終わっています。

第23代王者チームとなったM井上&浜口組はシリーズ最終戦の7月25日、札幌中島体育センターで金網デスマッチでヒューバー&ブリュワー組の挑戦を受けて初防衛戦を行い、27分49秒、M井上がヒューバーを逆エビ固めに捕らえギブアップ勝ちを収めています。この日の控室には3月に脳腫瘍の手術を行った札幌在住のスネーク奄美が姿を現し選手達と一緒に私服姿で記念写真に収まりました。

この「ビッグ・サマー・シリーズ」も外国人選手のキャンセルがありました。エース格と目されていたタンク・パットンが来日をキャンセル。パットンは5月23日〜6月12日にかけて開催された全日本プロレスの「スーパー・パワー・シリーズ」にマスクマンのブラック・テラーとして来日しています。

日程的には国際プロレスの開幕戦が6月28日であり、全日本プロレスのシリーズが終了して一旦帰国、今度は素顔のパットンで来ることは可能でしたが、ファンやマスコミが懸念した通りパットンは国際プロレスには来ませんでした。

また、ラリー・ラザン&ウェイン・ファリス組の「ニュー・ブロンドボンバーズ」の初来日が発表されていましたがこちらもお流れ。

新日本プロレスもよく見切り発車での発表で来日外国人がキャンセルになることはありましたが、国際プロレスの場合は交渉の「握り」そのものが甘く、危惧を抱かせるようなキャンセルが多発していました。

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