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2019年10月26日22:41

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猪木とビンス(568)最終章

79年国際プロレスの「ダイナマイト・シリーズ」終盤戦は連日タイトルマッチが組まれました。

10月3日、青森県黒石市中央スポーツ会館ではラッシャー木村の保持するIWA世界ヘビー級王座にカナダの荒熊ジョー・ルダックが挑戦(61分1本勝負)。試合は直線的な動きの大型パワーファイターであるルダックが相手だとR木村も本領を発揮。流血に追い込んでからスリーパーホールドにガッチリと捉え、13分23秒、レフェリーストップ勝ちで2度目のタイトル防衛。

翌10月4日、秋田市立体育館では9月28日、川崎市体育館で引き分けとなった阿修羅・原とローラーボール・マーク・ロコがWWU世界ジュニア・ヘビー級王座を賭けての再戦(61分1本勝負)。白熱した攻防の末、14分24秒、原がブロックバスター(サモアン・スープレックス)からの体固めで難敵ロコにフォール勝ち。5度目にして原はようやく1本勝ちでの防衛を果たしました。

10月5日、後楽園ホールでは「世界三大タイトルマッチ」を開催。AWA世界ヘビー級王者ニック・ボックウィンクルvsIWA世界ヘビー級王者R木村のダブル・タイトルマッチ。ニックは前78年12月の全日本プロレス「世界最強タッグ決定リーグ戦」にブラックジャック・ランザと組んで来日して以来、10か月ぶりの来日、国際プロレスにはAWA世界ヘビー級王者になる前の74年11月「ワールド・チャンピオン・シリーズ」以来5年ぶりの参戦となりました。

国際プロレスとAWAは70〜74年まで業務提携をしていましたが、TBSに放送を打ち切られ、バーン・ガニアに支払う多額のブッキング料の支払が困難になり、提携解消。今回はあくまでも単発の契約であり業務提携復活ではありません。

特別レフェリーはルー・テーズ、テーズは68年1月、TBS体制のスタートとなる「オープニング・ワールド・シリーズ」にTWWA世界ヘビー級王者として来日して以来、11年10か月ぶりの国際プロレス登場。来日自体も77年3月31日、4月1日の新日本プロレス蔵前国技館2連戦に特別レフェリーとして来日以来でした。

テーズはこのシリーズ、レフェリーだけでなく菅原伸義、寺西勇、鶴見五郎とエキシビションを行い、63歳とは思えない動きを見せ、いずれも最後は豪快なバックドロップで勝利を収めました。

試合はR木村のラッシングパワーをニックがのらりくらりと受け流す得意の展開、R木村はニックをリング中央で得意の逆エビ固めに捉えました。懸命にロープに逃げようとするニック。ロープに近いがまだエスケープ出来ていない。

レフェリーのテーズがニックにギブアップかどうかを確認しようとしゃがんでニックの顔の近くまで寄って来たところ、ニックは待ってましたとばかり、逆エビをかけられながら、うつぶせの状態でテーズのシャツの首の部分を掴んで強引にテーズの身体を引き倒しました。16分30秒、ニックの反則負けが宣せられ、ルールによりベルト移動はなし。R木村は3度目の防衛を果たしました。

セミファイナルはマイティ井上&アニマル浜口組の持つIWA世界タッグ選手権に大木金太郎&上田馬之助組が挑戦。(61分3本勝負)大木は全日本プロレスでキム・ドクとの韓国師弟コンビを解体させられ、アブドーラ・ザ・ブッチャー、ボボ・ブラジルらのヒール外国人と共闘していました。上田は新日本プロレスのリングを席巻したヒール。全日本、新日本で活躍していた外敵ヒールが手を組んだ感じでしたが、元はと言えば、日本プロレス最後のインターナショナル・タッグ王座保持チームでした。

73年3月6日、愛知県体育館でジョニー・バレンタイン&キラー・カール・クラップ組から王座獲得するも4月18日、焼津市体育館でフリッツ・フォン・エリック&クラップ組に敗れ王座転落。この2日間後の4月20日、群馬県吉井町体育館で日本プロレスは興行活動を停止致します。

大木と上田は力道山家の仲介により全日本プロレスのリングに上がりますが、73年中には全日本プロレスから離れ、以降は別々の道を歩んでいました。

M井上&浜口にとっては強敵でしたが、大木&上田組は果たしてチームワークが上手くいくのか?懸念されました。大木は国際プロレスのリングは前78年11月の日本リーグ争覇戦以来ですが、全日本プロレスで見せているヒールファイトは封印。

1本目は14分23秒に大木が浜口を体固め、2本目は上田が暴走し2分41秒、国際組の反則勝ち、決勝の3本目は同士討ちを繰り返した大木と上田が仲間割れ。上田は怒って控室に帰ってしまい、2分45秒、上田の試合放棄が宣せられ、2−1でM井上&浜口組が4月21日、高岡市民体育館での上田&マサ齋藤組戦に次ぐ「3本勝負で1本もフォール、ギブアップなき勝利」で7度目の防衛を果たしました。

物議をかもしたネルソン・ロイヤルvs原のNWA世界ジュニア・ヘビー級選手権試合。(61分1本勝負)10月2日に来日したロイヤルは「私がチャンピオン、(ボブ・)ガイゲル(NWA)会長の親書も持って来ている」と正当性を主張しましたが、ロイヤルが巻いていたベルトは白と黒がベースとなったダニー・ホッジ、ケン・マンテル、ヒロ・マツダ、そして自身が前年全日本プロレスに来日した時巻いていたUSAのロゴが入ったベルトとは別物。

茶色の皮革に金色の大きなプレートを中央にあしらった見たこともないベルトで、疑惑は深まる一方。ガイゲル会長の親書というのも、「日本だからまあ、適当にやっておけ」という趣旨のものと推測されます。

タイトルマッチは強行され、14分45秒、両者リングアウトの引き分けとなりましたが、翌日発行の東京スポーツはこの試合を「特別試合」と報じています。

この日は全日本プロレスから大木を借り受けた為、国際プロレスでは見返りにエース外国人のルダックを同日、横浜文化体育館で行われた全日本プロレスの「ジャイアント・シリーズ」開幕戦にバーター参戦させています。

ルダックはグレート小鹿とシングルで対戦し、6分44秒、両者リングアウトとなっています。国際ではシリーズのエースも全日本に来れば中堅の小鹿にも勝てないというロジックでしょうか?

シリーズ最終戦、10月6日、沼津市民体育館ではメインイベントでR木村&グレート草津組vsニック&テーズ組というタッグマッチが組まれました。

草津は68年1月3日、日大講堂でテーズのTWWA世界ヘビー級王座に挑戦。1本目、17分50秒、バックドロップで失神、2本目試合放棄という惨敗を喫しており、それ以来の対戦となりました。

既に63歳になっていたテーズにそこまでのパワーはなく、13分3秒にR木村とニックが両者カウントアウトのも引き分けに終わっています。
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