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2019年10月09日22:37

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猪木とビンス(551)最終章

78年国際プロレス「日本リーグ争覇戦」決勝トーナメント進出者は予選Aブロックからプロフェッサー・タナカ、ミスター・サクラダ、マイティ井上、Bブロックからラッシャー木村、キム・ドク、ディーン・ホー、さらにシード選手であるジャンボ鶴田に大木金太郎が加わる予定でしたが、前にも書いた通り、大木は「韓国でのスケジュールの都合がつかず、遅れて来日」という理由で棄権。

大木の枠にはAブロック4位のミスター・ヒトとBブロック4位の石川孝志が同点の15点で並んでおり、抽選の結果、石川が繰り上げ当選で入ることになりました。ここは厳格に「決勝トーナメント出場者決定戦」を行うべきだったと思います。

決勝トーナメントが開始された第17戦、11月25日、蔵前国技館(東京12チャンネル収録、日本テレビ生中継、観衆4,500人発表)大会は国際プロレスの興行にも関わらず、日本テレビが決勝トーナメント1回戦、M井上vs鶴田戦を生中継するというものでした。

この日の観客の入りは厳しく、発表は4,500人でしたが、実際は2,000人程度しか入らず、テレビ中継が始まるにあたり2階席にいた観客を1階桝席に下ろすということをやっています。

これには、リングサイド席にいた観客が「ふざけるなっ!今度から安い席(のチケット)で入って前の方で見てやる」と激怒しています。

日本テレビの「全日本プロレス中継」は「ジャイアント・シリーズ」から「世界最強タッグ決定リーグ戦」の間の端境期に辺り、通常は撮り溜めしておいた試合を中継しています。

この日はジャイアント・シリーズ11月3日、後楽園ホール大会より鶴田vsアブドーラ・ザ・ブッチャーのシングルノンタイトル戦(鶴田の反則勝ち)とヘビー級バトルロイヤル(大熊元司が優勝)が放送された後、蔵前国技館にカメラが切り換わり、日本リーグ争覇戦、決勝トーナメント1回戦のAブロック3位M井上vsシード選手の鶴田の試合(45分1本勝負)が生放送され、試合は16分38秒、前方回転エビ固めで鶴田が勝利。準決勝進出を決めています。  

放送時間が余った為、M井上vs鶴田戦の後に行われたサクラダ&石川組vsタナカ&ホー組のタッグマッチが(1−1から両チームリングアウト)途中まで放送されています。

蔵前大会は東京12チャンネルでは2日後の11月27日に「国際プロレスアワー」で録画中継。メインイベントの決勝トーナメント1回戦、Bブロック1位のR木村vs同2位のドク戦を放送。試合前にこの日、吉原のプロレス生活25周年を祝うべく新日本プロレスよりゲスト参戦したストロング小林がリングに上がりR木村とドクに激励の握手。R木村は硬い表情で握手に応じましたがヒールモードのドクはS小林の手を払って拒絶しています。

試合は12分33秒、R木村が場外でドリルアホール・パイルドライバーを決めてリングアウト勝ち。こちらもトーナメント準決勝進出を決めました。

日本テレビで生放送されたM井上vs鶴田戦については、実況の杉浦滋男アナウンサーと解説の菊池孝氏がモニターを国技館の支度部屋に持ち込み、モニターの前で試合の映像を見ながら実況・解説をするという初の試みが行われました。モニターを支度部屋で見る杉浦、菊池の後ろ姿の映像も流されましたが、まさに苦肉の策だったと言え、全国ネット局と関東ローカル局との力の差を見せつけられたシーンでした。

とは言え、日本テレビと契約を結んでいた関係から今まで東京12チャンネルの画面には登場しなかった鶴田の試合映像を流すことが出来たのは良かったかと思います。日本リーグ争覇戦に関しては鶴田の試合を放送しない訳にはいかず、日本テレビの了解が取り付けられたものと思われます。

新日本プロレスからはこの日、S小林と若手の小林邦昭が試合に出場、S小林はヒトとシングルマッチで対戦し15分59秒にリングアウト勝ち。小林邦は寺西勇とのシングルマッチを行い10分18秒、ジャーマン・スープレックスホールドの前にフォール負けしています。

S小林の対戦相手は自ずと絞られ、サクラダも含めた全日本プロレス勢は勿論ダメで、国際プロレスの主要どころも過去S小林が出ていった経緯を考えると、今回は「恩人である吉原社長の25周年に花を添える」というのが参戦の趣旨と考えるとこちらもダメ。全日本プロレスからのルートで上がっている石川も無理。外国人枠の日系レスラー、タナカ、ホーは決勝トーナメント進出が決まっており、負けさせる訳にはいかない。S小林は当然ゲストなのでこちらも負けさせることは出来ない。

となると、リーグ戦予選落ちし、しがらみのないヒトか梁承揮位しかおらず、ヒトに落ち着いたというのが本当のところでしょう。

またIWA世界タッグ王者チームのグレート草津&アニマル浜口組とアジア・タッグ王者チームのグレート小鹿&大熊組の試合(30分1本勝負)が実現し、2年8か月前の76年3月28日、同所での草津&M井上組vs小鹿&大熊組のIWA世界、アジア両タッグ選手権試合は1−1から両チームリングアウトになっていますが、今回は9分19秒、浜口が小鹿を体固めで破り、国際チームに凱歌が上がっています。

この大会は翌79年8月26日、日本武道館における「プロレス夢のオールスター戦」よりも前に新日本、全日本、国際の3団体の選手が同じリングに上がったという歴史的意義のある大会でしたが、観客が少なかったこともありあまり注目を浴びることがなかったのは残念でした。

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