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2019年09月10日22:03

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猪木とビンス(522)最終章

国際プロレスのエース、IWA世界ヘビー級王者のラッシャー木村が全日本プロレスのオープン選手権に出て、馬場に負け、鶴田と両者リングアウトと結果を残せなかったことで、国際プロレスを放送していた東京12チャンネルの田中元和(たなか げんな)プロデューサーは吉原に「イメージダウンになった」と抗議しましたが、吉原は田中の苦言を受け付けず。  

東京12チャンネルは関東ローカル局であり、全日本プロレスを放送する日本テレビの桁違いの放映権料は払えなかったことで大きく干渉も出来ませんでしたし、田中氏の上司であった運動部長の白石剛達と吉原が早稲田大学レスリング部同期ということもあり、強くは出られなかったとのことです。

オープン選手権の国際プロレス勢の参加に対して馬場は、シリーズ中の12月15日、仙台・宮城県スポーツセンター大会を国際プロレスへの売り興行とすること。12月11日、日本武道館での力道山13回忌追善記念興行の中のR木村vsバロン・フォン・ラシク、グレート草津vsホースト・ホフマン、ヒロ・マツダvsマイティ井上のNWA世界ジュニア・ヘビー級選手権試合の国際勢の出る3試合と、サムソン・クツワダvsドン・レオ・ジョナサンの試合を東京12チャンネルに放送させるという条件を出し、吉原はこれを了承しましたが、これも東京12チャンネル側には事前の承諾を得ていませんでした。

日本武道館で東京12チャンネルが国際プロレス側に要望を出していたカードはR木村&草津組vsダスティ・ローデス&ディック・マードック組のテキサス・ジ・アウトローズでしたが、おそらく吉原は馬場と交渉は出来ていなかったと思われます。

オープン選手権は、急に決まったこともあり、大会場を押さえることが出来ず中小都市の会場が中心となりました。

日程は12月6日(土)東京・足立区体育館(テレビ生中継)、7日(日)埼玉・川越市民体育館、8日(月)広島・呉市体育館、9日(火)福岡九電記念体育館(テレビ収録)、10日(水)岐阜市民センター、11日(木)東京・日本武道館(力道山13回忌追善記念興行、テレビ収録)、12日(金)三重・鈴鹿市立体育館、13日(土)福井市体育館(テレビ生中継)、14日(日)山形・米沢市営体育館、15日(月)仙台・宮城県スポーツセンター、16日(火)新潟・長岡市厚生会館、17日(水)千葉公園体育館(テレビ収録)、18日(木)神奈川・川崎市体育館(テレビ収録)の日本武道館を除けば全12戦で休みなし。

大阪府立体育会館、愛知県体育館、札幌中島スポーツセンター(当時)では開催出来ておりません。

この中で5,000人前後の収容規模でタイトルマッチを常時開催しているのは福岡と仙台だけです。

オープン選手権は参加人数が多かった為、総当たりリーグ戦は日程の都合上組めず、トーナメントもファンが見たいカードが実現しない可能性が高く不満の声が出るのは明らか。

そこで、ファン投票により1〜20位のランキングを制定し、上位同士、下位同士が当たる大相撲形式とラグビーのランキング形式を併用させた方式を採用。

さらに同時にファン投票で「見たいカード」を募り、優先的に組んでいくことになりました。

ファン投票の「見たいカード」第1位は馬場vs鶴田の師弟対決(2位がドリー・ファンク・ジュニアvsアブドーラ・ザ・ブッチャー)でした。当時、前年に新日本プロレスで行われた日本人対決がブームであり、全日本プロレスにも同様の対応を望む声が大きかった訳です。

馬場vs鶴田戦は仙台で組まれており、馬場が16分49秒、河津落としからの体固めで勝っていますが、その「美味しい興行」を馬場は国際プロレスに売りました。(他はドリーvsホースト・ホフマン、ブッチャーvsジョナサン等豪華カード)観衆は6,000人(超満員発表)。

この試合は日テレジータスでも放送され、ビデオ、DVD発売され今でも視聴可能ですが、百田義浩ではない見慣れないリングアナウンサーが馬場と鶴田をコールしています。このリングアナウンサーは国際プロレスの竹下民夫(元レスラー)でした。

運転資金が欲しかった国際プロレスは儲かること間違いなしの仙台大会の興行を買って潤った。その代わり、マッチメークの権利を馬場に一任してしまった。吉原は名より実を取りにいった訳です。
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