85年IWGP&WWFチャンピオン・シリーズ第21戦は6月4日、盛岡・岩手県営体育館(観衆3,630人満員発表)大会。
メインイベントでは猪木&藤波&ザ・コブラ組がトリオを結成し、ペドロ・モラレス&キングコング・バンディ&アドリアン・アドニス組と対戦。モラレスとバンディ、アドニスのトリオというのも非常にレアな組み合わせです。
試合は13分39秒に猪木とバンディが両者リングアウトとなり引き分けに終わりました。
セミファイナルはIWGP挑戦者決定トーナメント準決勝、アンドレ・ザ・ジャイアントvsディック・マードックの一戦。マードックが勝つとしたら場外に持ち込んでのリングアウト勝ちか、場外フェンス越しにアンドレに投げさせるよう誘導するフェンスアウトによる反則勝ち位しか道はありません。
しかし、波乱は起きず、6分49秒、アンドレがヒッププッシュからの体固めでマードックをフォールし順当勝ちを収め、決勝進出を決めています。
坂口&木村健吾組vsアイアン・マイク・シャープ&トニー・セントクレアー組は12分7秒、坂口がセントクレアーを体固め。
高野俊二vsスーパー・ストロング・マシンのシングルマッチでマシンはリバースフルネルソンの体勢から左腕をアームロックに固めてからスープレックスで投げ、そのままブリッジして固める新オリジナルワザ「魔神風車固め」を見せ、7分50秒、カウント3を奪っての勝利を飾っています。
マシンの新兵器はヒールから本格派に転向するための布石であり、その先には藤波との再戦が見据えられているようでした。
ヒロ斉藤&ブラック・キャット組とカネック&エンリケ・ベラ組の一戦は8分25秒、カネックがキャットを体固め。メキシカンコンビは完全にアンダーカードに押しやられた感があります。
第22戦は6月5日、新潟市体育館(観衆3,200人発表)大会。
メインイベントは猪木&木村健&星野勘太郎組vsアンドレ&マードック&セントクレアー組。やはり非力なセントクレアーが狙われ、16分16秒、猪木が延髄斬りからセントクレアーを体固めに決めて日本組の快勝に終わりました。
セミファイナルはIWGP挑戦者決定トーナメント準決勝、藤波vs敗者復活戦を勝ち抜いた坂口との一戦。
坂口と藤波は藤波がWWWFジュニア・ヘビー級王座を奪って凱旋帰国した年の78年5月23日、浜松市体育館でMSGシリーズ決勝リーグ戦でシングル初対決、坂口のリングアウト勝ち。その後プレ日本選手権、MSGシリーズ公式戦等で対戦、6戦して坂口の6リングアウト勝ちとなっています。
試合は坂口のアトミックドロップを空中で1回転した藤波が首固めで坂口を丸め込み、13分41、カウント3が入り藤波が坂口戦初勝利。クイックながらも「坂口超え」を果たして決勝進出。
6月7日、松本市総合体育館で行われるIWGP挑戦者決定トーナメントの決勝はアンドレvs藤波という組み合わせとなり、藤波は絶対的不利になってしまいました。
バンディは星野を4分41秒、体固めで降し、SSマシン&Bキャット組とモラレス&アドニス組の一戦は11分2秒、アドニスがキャットをも体固め。
コブラvsH斉藤のシングルマッチがノンタイトルで実現し12分38秒、両者リングアウトのドロー。IMシャープ&カネック組と小杉&金秀洪組は10分38秒、シャープが金体固めで降しています。
ヤングライオンの中でも心境著しい武藤敬司がベラと対戦。5分51秒、体固めで敗れています。武藤は84年選手、フロント大量離脱後デビュー組の中では身体も出来ており、柔道出身で寝技の心得もあるところから一歩抜きん出た存在でした。
武藤と外国人の初対決は、デビュー2か月未満の84年11月27日、八戸市体育館で、先輩の後藤達俊と組んでワイルド・サモアン&アノアロ・アティサノエ組と対戦、11分16秒、体固めでアティサノエにフォール負けしています。
他、キャット、留学生のロッキー・イヤウケア、金、等とは対戦していましたが本格的な外国人とのシングルマッチはこのベラ戦が初となりました。これ以降、武藤は会社側の抜擢に応え、外国人との対戦が増えていくことになります。
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