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2017年06月21日23:06

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ファンタジープロレスの巨匠桜井康雄さん追悼(67)

猪木の腕ひしぎ逆十字に対し、タイガー・ジェット・シンはロープに向かって懸命に逃げてロープ際で体勢を入れ替えてチョーク攻撃で脱出。

2人は立ち上がってリング上でまたも向き合う展開に、観客はこの攻防に拍手。

舟橋慶一アナ「館内は超満員11500人、これまでにこんなに超満員の観客が武道館を埋め尽くしたことはありません!」

この日の観客発表は11500人(超満員)過去4回のプロレスに関する興行より発表された観客は下回りましたが、そこに突っ込みは入れない方がいいでしょう。

私は会場で見ていましたが、この日の武道館は2階の上の部分はパーティションで仕切ってありましたが、用意した観客席はアリーナ、1階、2階ともほぼ埋まっていました。

実は私の初武道館はこの興行ではなく、この11日前の77年1月30日、プロボクシングWBA世界ジュニア・フライ級タイトルマッチ、具志堅用高vsハイメ・リオス(パナマ)戦が最初で、招待券を貰って2階の後ろの席で見ていました。

この時も2階席後方は空席が目立ち、やはり大阪城ホールが出来る83年迄、屋内会場で国内最大の収容人員(定員14214人)を誇っていた格闘技の殿堂、日本武道館を満員にするというのは簡単なことではありませんでした。

しかし、この日に関しては新日本プロレスは頑張ったと言っていいと思います。前76年12月9日、蔵前国技館での猪木vsウィリエム・ルスカ戦の10500人よりは1000人差でもこちらの方が入っていましたし何より観客の熱気が違いました。

猪木とシンは再び手四つで組み合うと猪木はジャンプしてシンの側頭部へハイキック一発、延髄斬りの原型と言えるハイキックですが綺麗にヒットしました。

ヨロヨロと崩れるシンのボディに猪木はミドルキックを連打。この辺りのコンビネーションはモハメド・アリとの格闘技戦が産み出した副産物と言えます。

舟橋アナ「桜井さん、今のはシンは相当ダメージがありますね」

桜井さん「そうですねぇ、最初の1発目がモロにテンプルに入っていますからねぇ」

キック攻撃でダウンしたシンの足を捕らえると猪木はステップオーバー・トーホールド。猪木はシンの足をトーホールドに決めたまま正面から身体を密着させて頭越しに首を固めてからレッグロックに移行しています。

しかしシンは猪木が顔を近付けてきたところを待っていたかのように両腕を使って猪木の身体を引き込んで倒しチョーク攻撃で反撃に転じました。

桜井さん「猪木君はねぇ、足を取りにいったのは失敗でしたねぇ、やっぱり(シンは)ヒンズースクワットの本場(のインドのレスラーだという意)ですから200回位毎日やってますからねぇ、腕、あるいは首を狙っていった方が良かったんじゃないですかねぇ」

猪木はシンに首を絞められながらもシンの両足に自分の右足を巧みに差し込んで身体を入れ換えてフロント式インディアン・デスロック。

ガッチリと入り、猪木は観客にアピールしてから後方にステップオーバー。

舟橋アナ「リバースデスロックですっ!」

リバースデスロックは猪木が普段見せていた相手をうつ伏せにしてから両足をたたみ込んで自らの足を挟んでステップオーバーするのが本来はリバースデスロックなのですが、猪木はリバース式を多用しており、舟橋アナもこちらを「インディアン・デスロック」と呼んでいたことから、アドリブでフロント式をリバースと呼んだと推測出来ます。

奇しくもこの試合の4日前の77年2月6日、カナダ・トロント・メープルリーフガーデンでハーリー・レイスが14分40秒、このフロント式インディアン・デスロックでテリー・ファンクをギブアップさせてNWA世界ヘビー級王座に返り咲き(第52代)しており、その辺りを猪木は意識して使ったのではないかと思われます。
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