額から流血した長州はそれでもリングに上がりました。それを見た藤波がいきなり長州に襲いかかっていきましたが、レフェリーのミスター高橋と審判部長の山本小鉄が間に割って入りこれを静止 。
協議の末、長州は出血多量により試合出場不可能となりWWFインターナショナル・ヘビー級選手権試合は前代未聞の「試合不成立」に。
「回し者寄越しやがって!汚いぞ藤波」と叫ぶ長州でしたが出血がひどく浜口、谷津らセコンドに 抱えられて退場。
1人リングに残された藤波は小鉄をボディスラムで投げ、リングタイツ姿のまま雪の降る会場の外へ出てしまいました。
追いかける報道陣に「こんな会社、やめてやる!」とコメント、目にはうっすらと涙さえ浮かべています。
長州を襲撃した藤原喜明はもちろん藤波の回し者などではなく、「(長州に)下には下がいることを教えてやった」と語っています。
ミスター高橋本の「流血の魔術最強の演技」によると鉄パイプで長州を襲わせるのを思い付いたのは猪木で、「小杉(俊二)か誰かやらせりゃいいじゃねぇか」と言ったとなっていますが、藤原が長州に対して私怨がある訳もなく、猪木の指示によるアングルでした。
いずれにせよ、長州を襲った藤原はテロリストと呼ばれるようになりポジションは上がっていきました。
館内の異様な興奮が収まらない中、セミファイナルのWWFジュニア・ヘビー級王座決定リーグ戦公式戦、ダイナマイト・キッドvsデービーボーイ・スミスの従兄弟対決が行われ、場外でのバックドロップからキッドがリングアウト勝ち。
キッドは31点でリーグ戦を終了、2月7日、蔵前国技館での優勝決定戦進出を決めました。
札幌大会メインイベントは猪木、前田日明組とハルク・ホーガン、アイアン・マイク・シャープ組が対戦。
8分58秒、猪木がシャープを延髄斬りから体固めで猪木、前田組の勝利、試合後猪木はリング上で前田にバシーンと張り手を見舞いました。
気合い入れの愛の鞭の闘魂ビンタだと考えるのが妥当かと思いますが張られた前田がキョトンてして素の表情をしていたのが印象的でした。
こんな会社、やめてやると言った藤波でしたが翌日の2月4日、苫小牧市総合体育館の試合には普通に出場、長州は負傷の為欠場。
藤原乱入を仕掛けた猪木に対する不信感からか藤波は猪木とのタッグを拒否しています。
2月6日、八戸市体育館でリーグ戦最終試合ザ・コブラとスミスの試合が組まれ両者リングアウト。共に31点となり、これでキッド、スミス、コブラの3人が同点の首位。
翌日、蔵前の優勝決定戦は3人による巴戦(先に2勝した方が優勝)となりました。
ちなみに4位以下は4位が22点のブラック・タイガーで上位3人には全て負け、5位が20点のブレット・ハート。6位は小林邦昭の16点、7位は寺西勇の11点と維新軍は振るわず。
8位は高田伸彦の4点でしたがこれはベビー・フェイスの負傷欠場による不戦勝で実質的には全敗。
最下位は寺西と両者リングアウトになった2点のみのベビー・フェイスでした。
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