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2016年04月24日11:50

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ジャンボ鶴田怪物伝説(266)

82年サマー・アクション・シリーズ天王山は7月30日、川崎市体育館大会。

馬場vsタイガー・ジェット・シンのPWFヘビー級選手権試合、鶴田vsミル・マスカラスのUNヘビー級選手権試合、大仁田vsチャボ・ゲレロのNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級選手権試合の3大タイトルマッチが組まれました。

これまで、前年10月9日、蔵前国技館大会以来5シリーズ連続して東京都心での1万人収容規模の大会場でビッグマッチを開催してきた全日本でしたが、ここで小休止。

メインの馬場vsシンのPWF戦はシンのセコンドに上田馬之助、キラー・トーア・カマタが付き、早くから荒れた展開に。

シンはチョーク攻撃の奇襲をかけ、場外でも試合の主導権を握りました。馬場もカウンターの16文キックから河津落としと反撃に転じましたが上田、カマタが介入してフォールは奪えず。

シンはカマタが持ってきたサーベルを使って馬場を殴り付けようとしましたが、馬場にかわされ試合は場外戦へ。上田も椅子を持って馬場を襲い、僅か7分21秒、両者リングアウトとなり馬場が14度目の王座防衛。

試合内容は6月8日の蔵前に次ぐ凡戦であり、馬場とシンは噛み合わず、を感じさせた試合でした。

鶴田とマスカラスがUNヘビー級王座をかけて対戦するのは77年8月25日、雨中の田園コロシアム決戦以来約5年ぶり。

試合は予想外の展開になりました。

鶴田がマスカラスに見舞った張り手が「入って」しまった為か、マスカラスもエキサイトして張り手のお返し。

そこから両者場外戦となり、マスカラスは鶴田の額を鉄柱に打ち付けて、鶴田は大流血、鶴田も怒ってマスカラスのマスクを目の部分から手を入れて引き裂く荒れ模様。

12分1秒、両者リングアウトが宣告され、過去の両者の試合にはないラフな試合となりました。

収まりがつかない両者は延長戦をアピール、5分間の延長戦が行われることに。

試合はマスカラスが自らロープに飛んでのラリアットを見せれば、鶴田もダブルアーム・スープレックスで反撃。

鶴田はマスカラスの両脚を捉えると足4の字固め。5分という限られた時間で足4の字固めを出してしまうところが当時の鶴田の試合運びのセンスのなさを物語ってしまいますが、5分逃げ切れば鶴田の防衛です。

マスカラスは自力でロープに逃れて脱出するとダイビング・ボディアタック、鶴田はこれを切り返し、両者もつれたところで5分時間切れ。

鶴田が13度目の王座防衛を果たしています。

マスカラスも華麗なる空中殺法だけでなくラテンの熱い血をたぎらせたラフな一面を見せました。

鶴田防衛により、8月1日、後楽園ホールでハーリー・レイスが鶴田のUN王座に挑戦することが決まっています。

大仁田とチャボのNWAインターナショナル・ジュニア戦は3月にノースカロライナで大仁田にベルトを奪われたチャボのリターンマッチ。

試合は地力で優るチャボ有利と言われていましたが大仁田は試合の序盤からコブラツイスト、場外へのトペ、トペでダウンしたチャボに場外でのパイルドライバーと先手を打っていきました。

チャボもサイド・スープレックス、吊り天井で反撃。

大仁田のタックルはチャボにかわされ、レフェリーのミスター林を直撃。林は場外でダウン。

サブレフェリーの和田京平が入って来て試合は続行されました。

チャボは大仁田にジャーマン、しかしブリッジは完璧に決まらず。和田は決められた大仁田の肩がマットに付けられていたのを見てカウントを入れました。

しかし、リングに上がって来た林もブリッジが崩れて自らも肩をマットに付けていたチャボに対してカウントを入れました。

林、和田の両レフェリーが同じタイミングでカウントを3つ入れたから話はややこしくなり、林は大仁田の勝ち、和田はチャボの勝ちを主張。

協議の結果、7分8秒、両者ダブルフォールの引き分けとなっています。

ルール上は大仁田の防衛ですが、判定に問題があったとしてタイトルはNWA本部預りとなりました。

シリーズ最終戦は8月1日、後楽園ホール大会。私はこの興行は見に行きました。

メインはハーリー・レイスが鶴田に挑戦したUNヘビー級選手権試合。

このシリーズ、カマタ、マスカラスと難敵を相手にベルトを守って来た鶴田でしたが最後に待っていたのは曲者中の曲者。

試合はレイスがドリルアホール・パイルドライバーをリング中央で決め、トップロープに上がってのダイビング・ヘッドバット。鶴田も久々のフロント・スープレックスで反撃。

試合は場外乱闘となり、鶴田はレイスの鉄柱攻撃により川崎でのマスカラス戦での負傷箇所が切れてまたも大流血。

レイスも鶴田の鉄柱攻撃で額を割られ、両者大流血、4月22日の東京体育館での一戦と似たような展開になりました。

しかし、ここからリング内での死闘となり、鶴田はダブルアーム・スープレックス、さらに馬場直伝のランニング・ネックブリーカードロップ。

これで勝負あったかと思いきや、レイスはカウント2でクリア。鶴田のジャーマンはレイスがレフェリーのジョー樋口を蹴ってしまった為ブリッジが崩れ、決まらず。

レイスは鶴田がヘッドロックに来たところを膝を抱え上げて、ニークラッシャーに行くと見せかけてそのまま後方に倒れてのバックドロップ。

レイスは鶴田の膝を持ったままホールドし15分29秒、体固めでカウント3が入り鶴田は王座転落、レイスが新王者となりました。

このフィニッシュは対戦相手の鶴田は勿論、観客も予測出来ず。レイスの懐の深さを見せつけられた試合でした。

マスカラス戦、レイス戦で気になったのは鶴田の出血量の多さ。この時は勿論鶴田がB型肝炎のキャリアだったことはわかっていませんが、一度流血すると血が止まりにくい体質だったようです。

セミは馬場、天龍組vs シン、上田組。シン、上田組にサーベル、凶器攻撃でやられっ放しだった天龍が凶器を奪い取って暴走しレフェリーの制止を振り切って攻め続けて反則負けとなりました。

シン、上田は、馬場、鶴田相手には今一つでしたが、熱くなって向かってくる天龍は全日本の中でもやり甲斐のある対戦相手だったと言えます。
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