82年サマー・アクション・シリーズは7月2日、福生市民体育館で開幕。
ミル・マスカラス、ドスカラスのマスカラス・ブラザーズ、タイガー・ジェット・シン、キラー・トーア・カマタ、チャボ・ゲレロ、ジェリー・オーツ、スティーブ・リーガルの外国人選手がシリーズ全戦参加。
7月16日富山市体育館から最終戦8月1日後楽園ホールまでハーリー・レイスが特別参加しています。
外国人側からは上田馬之助が7月9日熊本市体育館より参加、また前シリーズの6月6日大宮大会に突如現れて大仁田に挑戦表明をしたウルトラセブンも外国人側から全戦参加しています。
日本側は前シリーズまで出場していたベテランのミスター林(当時40歳)が引退して開幕戦からレフェリーに転向しています。
全日本はこれでジョー樋口、和田京平、林の3人レフェリー体制となりました。
マスカラスは1月の新春ジャイアント・シリーズ以来5か月ぶりの来日、スカイハイブームの起きた77年から8月後半から開幕の第2次シリーズに5年連続(78、80、81年の3回はドスカラスと共に来日)来日していましたがこの年は1シリーズ繰り上げ。
ドスカラスは前年8月のスーパー・アイドル・シリーズ以来10か月ぶりの来日。
シンは2シリーズ連続参戦、このシリーズ、シンのパートナーを務めるカマタは1月以来6か月ぶりの来日となりました。
3月にノースカロライナで大仁田に敗れNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座を奪われたチャボはベルト奪回を期して前年8月のスーパー・アイドル・シリーズ以来10か月ぶり2度目の全日本参戦。
オーツは前回の来日は81年7月、国際プロレスの最終シリーズとなったビッグ・サマー・シリーズ以来1年ぶりの来日となりました。
全日本への参戦は76年9月のジャイアント・シリーズに弟テッドとのオーツ・ブラザーズとして参加して以来約6年ぶりでした。
この時オーツ兄弟は10月2日、後楽園ホールでグレート小鹿、大熊元司組を破ってアジア・タッグ王座を獲得。
10月21日、福島市体育館で高千穂明久、サムソン・クツワダ組に敗れてベルトを明け渡していますが、スピードあるタッグワークで目の高い全日本ファンには十分な合格点を与えられていました。
早い時期での再来日が期待されていましたが、兄ジェリーより才能があるとされたテッドとの兄弟タッグは解消してしまい、兄弟での再来日は成りませんでした。
初来日のリーガルは後に新日本、WCW、WWEでトップとなるロード・スティーブン・リーガルとは別人で、AWAでデビューしていたキャリア6年目の若手の有望株でした。
後半戦特別参加のレイスは4月のグランド・チャンピオン・シリーズ以来3か月ぶりの来日で前回、広島と東京と2度に亘り鶴田のUNヘビー級王座に挑戦し2度とも引き分けており、鶴田との決着を付けるべく来日しました。
このシリーズ、ジミー・スヌーカの来日が発表されていましたが、WWFでのスケジュールを優先させた為、キャンセルされています。
前回来日のグランド・チャンピオン・シリーズ終了直後にWWF入りしたスヌーカはMSGで3回、ボブ・バックランドのWWFヘビー級王座に挑戦。いずれも会場をソールドアウトにして見せました。
動きが大味で単調なパワーファイターが多かったWWFのヒールにはこれまでいなかった飛べて大技の出来るスヌーカは売れっ子となり、バックランドとの死闘が一段落した後もペドロ・モラレスとのインターコンチネンタル王座を巡る抗争に入り、ビンス・マクマホン・シニアはスヌーカと長期契約しています。
本来であればこのシリーズ、スヌーカは前回派手な仲間割れを行ったブルーザー・ブロディに代わるパートナーとしてこのシリーズでレイスと合体する予定でしたが延期されました。
開幕戦(テレビ収録)のメインはマスカラス・ブラザーズが鶴田、マイティ井上組と対戦しマスカラスがダイビング・ボディアタックで井上からフォール勝ち。
7月16日、富山で馬場、鶴田組のインターナショナル・タッグ王座に挑戦するシン、カマタ組はセミで馬場、天龍組と対戦、凶器攻撃により反則負けとなっています。
チャボはウルトラセブンとのタッグで大仁田、石川隆士組と対戦、チャボがジャーマンで石川に勝利。セブンは大宮に現れた人物とは明らかに身体つきが異なり、マニアの間では高杉正彦本人であることは1試合しただけで見抜かれてしまっています。
第2戦は7月3日、ノーテレビの後楽園ホール大会で、メインは鶴田、天龍組vsシン、オーツ組は天龍がオーツを体固め。
セミは馬場とカマタがシングルで対戦。ちょうど1年前の81年7月4日、シンの全日本移籍第1戦が行われた(ディック・スレーターに反則負け)同じ後楽園ではメインで両者はPWFヘビー級王座を賭けて対戦、馬場の反則勝ちに終わっています。
馬場はスタートからカマタを鉄柱攻撃で流血させて試合を優位に進めていましたが、メインに出場するシンがコスチューム姿のまま乱入しサーベルで馬場を襲撃、僅か3分33秒、またも馬場の反則勝ちとなりました。
マスカラス・ブラザーズは石川、井上組と対戦しドスカラスが石川を回転エビ固め。
大仁田、佐藤昭雄組vsチャボ、セブン組は両チームリングアウトの引き分けに終わりました。
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