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2016年04月09日12:32

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ジャンボ鶴田怪物伝説(259)

82年6月8日、蔵前国技館でのエキサイト・シリーズ最終戦は9800人(満員)発表の観客を動員しました。

前年10月からの5シリーズ連続都心の1万人収容規模の大会場での興行は今回1万人を下回る発表でしたが、前回4月22日の東京体育館から6週間スパンと短く、合格点と言えます。

当日は3大タイトルマッチが組まれました。

まずはグレッグ・ガニア、ジム・ブランゼル組のザ・ハイフライヤーズにリッキー・スティムボート、大仁田厚組が挑戦したAWA世界タッグ選手権試合。

このエキサイト・シリーズには、フロリダのCWF(チャンピオンシップ・レスリング・フロリダ)で親子リングアナウンサーとして働いていた息子の方のブルース・サープ君(当時22歳の学生)が2月に馬場がフロリダに遠征した時に「遊びに来い」と声をかけられて学校の休みを利用して日本に来て、巡業に帯同していました。

馬場から「試しにやってみろ」と嬉しい指示が出てこのAWA世界タッグ戦のコールをしています。

13年4月、突如として新日本プロレスのリングに姿を現し、

「コンチチワ!ニホンジン、ワタシガ、ブルース・サープ、NWAノシャチョウデス」

というマイクアピールで日本にもお馴染みのサープは本職は弁護士ということでしたが、あのマイクとリアクションの数々は業界で働いてないとなかなか身に付かないものであり、普通のマニアではないとは思ってましたが、

ゴング82年7月号には「学生リングアナ、ブルース君来日」の記事が小さく掲載されていました。

週プロのタイガー服部の連載にサープのことが書いてありましたが、本当の話でした。

NWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王者として凱旋帰国以来、東京初見参となった大仁田でしたが他の3人と比べるとどうしてもレベルが一段低くスピードで見劣りしたのは事実でした。

試合はグレッグをボディスラムで抱え上げた大仁田をブランゼルが下から足を掬ってダウンさせ15分12秒、グレッグが大仁田を片エビ固めでフォール。王者組が防衛を果たしています。

ダブルメインイベント第1試合は鶴田がリック・フレアーのNWA世界ヘビー級王座に挑戦しています。

この試合で鶴田はショートタイツを赤と青のお尻に星の入ったデザインのものから、「ストロングスタイルの象徴」とでも言うべき黒のショートタイツに変更。

黒のショートタイツと言えば新日本プロレスのイメージが強いですが、新日本を真似したのではなく、先シリーズに特別レフェリーとして来日していたルー・テーズのアドバイスによるものでした。

鶴田この時31歳、青赤の三ツ星はやはり若者のイメージであり黒に変更したことでエースへの自覚が芽生えたかと思います。

鶴田は前半、スリーパーでフレアーのスタミナを奪い、ミサイルキック、ダブルアーム・スープレックス、ブレーンバスターと畳み掛けます。

フレアーもバックドロップで反撃し、得意の足4の字固めへ。これは耐えた鶴田がエスケープ。

鶴田はフレアーのバックを取るや久々のジャーマン・スープレックスホールド、しかしこれはフレアーが投げられながらロープを蹴り、バランスを崩した鶴田はブリッジして固めたものの、自らの両肩もマットに付けてしまいました。

レフェリーのジョー樋口は両者の肩がマットに付いていることを確認しながらカウント3を入れ、29分11秒、両者ダブルフォールの引き分けでフレアーの防衛となりました。

最後はフレアーの術中にはまったと言っていいでしょう。

ダブルメインイベント第2試合は馬場にタイガー・ジェット・シンが挑戦したPWFヘビー級選手権試合。

シンはコブラシザース(首4の字固め)の奇襲を見せましたが馬場も冷静に反撃、カウンターの16文キックでシンは場外へ。

馬場はリング下からシンに足を引っ張られて場外乱闘となったところ、上田馬之助とクルト・フォン・ヘスが乱入、シン軍団はマイクロホンコードで馬場の首を絞める反則に出て、7分11秒に馬場が反則勝ちで13度目の防衛に成功しています。

ダブルメインは2試合とも不完全燃焼に終わりました。

猪木とアブドーラ・ザ・ブッチャー同様、馬場とシンも両方の試合のテンポが合わず。シンにとっては全日本移籍以来11か月にしてようやくPWF王座への挑戦でしたが、やはり馬場とシンではいい試合にはならなかったと思います。

この日スタン・ハンセンは上田と組んで、天龍、ディック・スレーター組と対戦しハンセンがラリアットで天龍をフォールしていますが、天龍の見事なラリアットの受けっぷりは馬場、鶴田にはないものであり、観客の満足度はこの日一番ではなかったかと思われました。
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