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2016年03月18日23:03

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ジャンボ鶴田怪物伝説(247)

81年9月7日、福山市体育館で全日本のリングで初のNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級選手権試合が行われ、王者チャボ・ゲレロがドスカラスの挑戦を受けて1-1から両者リングアウトの引き分けで王座防衛。この時まだ全日本にはチャボに対抗し得る日本人のジュニア・ヘビー級の人材はおりません。

全日本の福山大会が行われた同じ9月7日には東京・新宿の京王プラザホテルにて新日本プロレスが記者会見を行い、8月に経営不振から団体としての活動を停止した国際プロレスの吉原功社長以下主力選手が出席の元、全日本の創立10周年記念興行が蔵前国技館で行われる1日前の10月8日に同じ蔵前で新日本と国際の全面対抗戦が行われることが発表されています。

メインは初対決となる猪木vsラッシャー木村の頂上対決、藤波辰巳vs阿修羅・原、タイガーマスクvsマッハ隼人他の対戦カードがラインナップされました。

さらに会見では全日本に移籍が発表されたハルク・ホーガン、アレックス・スミルノフが新日本に参加するということになり、一体どうなるのかとファン、関係者を困惑させています。

ホーガンはテリー・ファンクから全日本移籍の話を持ちかけられて一度は参加を了承する返答をしましたが、全日本からの呈示条件をそのまま新日本にぶつけてギャラアップを要求。新日本がホーガンの要求する金額を飲んだ為、新日本に留まりました。

これに怒ったのがブッカーのテリーで、10月に入ってからホーガンが新日本に来日した時に、新日本の外国人レスラーの常宿だった京王プラザホテルに制裁を加える為実際に殴り込んだそうですが事前にそれを察知したホーガンが逃亡して事件には発展しなかったようです。

スミルノフに関しては全日本と新日本を天秤にかけての二重契約が発覚。前年80年夏に国際で一緒だった上田馬之助の仲介で新日本へ移籍が計画されておりこの時ギャラをふっかけて新間に「要らない」と言われていたこともあり、新日本からは色好い条件が出ず、全日本へ参戦となった訳です。

スーパー・アイドル・シリーズ最終戦は9月9日、小山ゆうえんちスケートセンターで行われ、メインイベントはミル・マスカラスがジプシー・ジョーを2-1で破ってIWA世界ヘビー級王座を防衛しています。

このシリーズはヘビー級のヒール外国人レスラーはジョーとジノ・ヘルナンデスしかおらず、2人は地方大会では連日メインに出場し馬場、鶴田を相手にしていますがいかんせん身体のサイズと格が違い過ぎて面白い試合にはならなかったように思います。

国際の吉原社長は早稲田大学レスリング部の先輩にあたる新日本の永里高平専務(テレビ朝日から出向)との繋がりから所属選手を新日本に預ける方向で話を進めていました。

しかし7日の記者会見の場にはいなかったマイティ井上は「これまで会社に貢献して来たのだから、今後は自分たちの好きなようにやらせてもらう」と吉原案に同調せず。

かねてより猪木嫌いを公言していた井上は新日本への参加を拒絶。9月16日六本木の全日本プロレス事務所で馬場同席の元井上、菅原伸義(アポロ)、米村天心、冬木弘道が全日本へ入団することが発表されました。

米村は会見の場にはいましたが全日本へは入団せず、会津若松市でちゃんこ料理屋を開業しプロレスは全日本が会津に来た時だけ限定出場となっています。米村はこの時のことについて後に夫人が妊娠しており、早く生活基盤を安定させなければならなかった、と語っています。

9月17日、カンザス州カンザスシティ・メモリアルホールにおいてリック・フレアーがダスティ・ローデスに勝ちNWA世界ヘビー級王座を獲得。これによってローデスの全日本参戦は消え、代わってフレアーが王者として来日が決定。

結局、ホーガンの代わりにはハーリー・レイスが入り、追加でマスカラスの特別参加も決定。上田も正式にシリーズ参加となりました。

引き抜き抗争とは無関係な話ですが次期シリーズにはエドワード・カーペンティアの全日本参加が発表されていましたが来日中止となっています。

カーペンティアは73年4月の国際への来日が最後であり、これまで75年1月には新日本が、80年10月には国際が来日を発表しておきながらいずれもキャンセル。

今回はカーペンティアと親交の深かったザ・デストロイヤーの口利きだった為今度こそはと期待されましたがやはり駄目で、カーペンティアは脱税容疑で禁固刑に処せられており在住していたカナダ国外へから出ることが許されなかったのでした。

また、藤波戦が決まっていた原が「ヘビー級の俺が何で今更ジュニア・ヘビー級の藤波(この時は藤波はヘビー級転向直前でギリギリジュニア)と対戦しなくてはならないんだ」と対戦を拒否する発言を行い、

全日本の次期ジャイアント・シリーズで初めてNWA世界ヘビー級王者であるフレアーに挑戦することが決まった天龍源一郎に突如ターゲットを変更。

「自分と大してキャリアの変わらない天龍が全日本所属と言うだけでフレアーに挑戦出来るなんておかしい。天龍は俺と戦って勝ってからフレアーに挑戦しろ!」と一転して全日本へ参戦表明。

この他、国際勢はグレート草津は既に前年夏、熊本での試合でアキレス腱断裂の重症を負い復帰することなく引退。日本バスコンという会社の営業部長に迎えられて再就職。

鶴見五郎、高杉正彦、マッハ隼人は海外へ。若松市政は前年に故郷北海道芦別で海外壮行試合を開催した時に餞別をもらっていたところから、海外へ行かなければいけないと10月8日新日本の蔵前大会でレフェリーを勤めた後、自費でカナダ・カルガリーへ渡っています。

50歳を超えて腎臓疾患のあったミスター珍とデビューしたばかりの秋吉豊幸は引退となりました。

ストロング小林、剛竜馬の移籍、提携時代の厳しいマッチメークなど国際の選手の新日本アレルギーは思ったより強く、最終的に新日本へ行ったのはエースだった木村、アニマル浜口、寺西勇の3人だけとなった訳です。
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