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2015年09月23日16:34

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新日本プロレス北米選手権考察(9)

75年ゴールデン・ファイト・シリーズはアンドレ・ザ・ジャイアントは3週間で帰国し終盤1週間にはNWF世界ヘビー級王者タイガー・ジェット・シンが特別参加。

シリーズ最終戦の6月26日、蔵前国技館猪木はシンに3度目の挑戦。

シンは試合前に「猪木の挑戦を受けるのはこれが最後だ。」とコメントしています。

この試合は翌6月27日のワールドプロレスリングで録画中継されています。

前回、シンは認定団体の実態がなくなっていたNWF世界ヘビー級王座の防衛戦をどこでやっていたのか?について書くとお知らせしましたが、この放送の中で実況の舟橋慶一アナウンサーからシンの防衛戦について、

「今回のシンの防衛戦は13回目の防衛戦となり、シンが13という数字は不吉だとコメントしている」

「これまでシンはハンス・シュミット、ユーボン・ロバート・ジュニア、ザ・シーク達を相手に防衛し最近の防衛戦はドン・レオ・ジョナサン戦」とアナウンスています。

これに3月20日蔵前と5月19日モントリオールの2回の猪木戦が入りますが眉唾物の防衛戦もあるでしょう。

ゴング75年7月号には5月7日、カナダ・トロント・メープルリーフガーデンでシンがシークの挑戦を受けてNWF世界ヘビー級王座防衛戦を行っており、9分17秒、シンが反則負けでベルトを防衛している、とモノクログラビアで詳報しており、海外情報に強いゴングの面目躍如たる記事でした。

さて、シンと猪木のNWF世界戦は1本目は10分41秒猪木がジャパニーズ・レッグロールクラッチ(回転足折り固め)で先制。2本目はシンがコブラクローで猪木の喉笛に穴を開けて出血させる凄惨な展開となり、2分47秒初公開となったアルゼンチン・バックブリーカーでギブアップ勝ち。

とは言え猪木はシンの肩の上で失神してしまい、ギブアップの声も発せられない程のダメージを受けてしまいました。

決勝の3本目はブレーンバスターを連発してシンが猪木を窮地に追い込みましたが猪木はバックドロップ、ドロップキック連発、止めにバックドロップを決め4分28秒、体固めで勝利。王座返上から4か月ぶりに王座奪回に成功しています。

試合後、敗れたシンが猪木の手を上げて勝利を祝福したのは日本プロレス史上歴史に残る名場面で、猪木とシンの3年に亘る抗争の「第1章」は一応ここで完結したと見るのが妥当です。

次のサマー・ファイト・シリーズは7月4日、後楽園ホールで開幕。新日本初登場の地獄の料理人ハンス・シュミットと野獣ブルート・バーナードがタッグを結成して来日。

当時52歳のシュミットと54歳のバーナードは年齢を感じさせない強さとタフネスさを見せましたがお互いに自分がトップだと主張して譲らず、シリーズ途中で仲間割れ。

7月25日寝屋川市民体育館で猪木、S小林組と対戦したシュミット、バーナード組は対戦相手そっちのけで仲間割れを見せ3本目は怒ったシュミットが試合放棄して控室に帰ってしまいました。

シリーズ最終戦、7月30日大阪府立体育会館でシュミット、バーナード組は猪木、坂口組の北米タッグ王座に挑戦。

試合中の仲間割れはなかったものの、このような状態では猪木、坂口組の敵ではなく1本目は坂口がバーナードをブレーンバスターから体固め、2本目は猪木がシュミットを卍固めに決め猪木、坂口の黄金コンビが前回に次いで2-0のストレート勝ちで6度目の防衛を果たし、日本最強タッグチームの呼び声が高くなりました。

サマー・ファイト・シリーズが終了すると猪木、坂口は3年連続で8月にロサンゼルスに遠征しています。

8月1日、オリンピック・オーデトリアムでジェリー・ブラウン、バディ・ロバーツ組のハリウッド・ブロンドスの挑戦を受けて北米タッグ王座の防衛戦を行いました。

ハリウッド・ブロンドスはブロンド・ボンバーズとして71年11月と74年1月に国際プロレスに来日しており、見た目もそれ程強そうになく、

71年にはサンダー杉山、ラッシャー木村組、74年にはR木村、グレート草津組のIWA世界タッグ王座に挑戦して王座奪取に失敗していることからみても猪木、坂口組の楽勝防衛かと思われました。

しかし、ブロンドスは見事な連係プレーで猪木、坂口組を翻弄。1本目は18分9秒、猪木が回転足折り固めでロバーツをフォールしましたが、2本目は猪木が捕まり額から流血。

13分12秒、猪木がブラウンのニードロップに体固めで敗れてしまいました。

決勝の3本目はインターバルの間に猪木がブロンドスに集中攻撃されてレフェリーのレッドシューズ・ドゥーガンはノーコンテスト(試合時間なし)を宣言。

カリフォルニア州ルールにより王座はカリフォルニア州アスレチックコミッショナー預りとなりました。

スコアの上ではノーコンテストでしたが内容は猪木、坂口組の完敗だった試合でした。
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