馬場と鶴田は82年2月23日にはフロリダ州タンパ・フォートフォーマー・ヘスタリーアーモリー大会に出場。
前日オーランドでフロリダ州ルールにより不完全燃焼の反則負けを取られたジャックとジェリーのブリスコ兄弟との再戦を行いました。
試合は7分49秒、ジャックが鶴田を回転エビ固めに丸め込んでのブリスコ兄弟の勝利。
クイックとは言え40歳とピークを過ぎていたジャックの前に30歳の鶴田が敢えなくフォール負け。
この試合結果は日本にも報じられ、前年81年3月の全日本出戻り参戦のジャックの試合内容を見ていたファンを驚かせました。
フロリダをホームリングにしていたブリスコ兄弟に花を持たせた感はありましたが、ブリスコ兄弟のアメリカでの評価を考えるとおかしくはありません。
日本にブリスコ兄弟が活躍するチャンスがなかったのは、ジャックがNWA世界ヘビー級王座から転落した後、日本ではすっかり精彩を欠いてしまったこと。
ジャックが新日本へ行ってしまい、馬場の心象を著しく悪くしてしまったこと、正統派の外国人兄弟タッグチームはザ・ファンクスとマスカラス兄弟がおり、集客力がおそらくなかったであろうブリスコ兄弟の入り込む余地がなかったこと、等が要因かと思われます。
この日メインイベントはテリー・ファンクとジェリー・ローラーによるブラスナックルルール(拳でのパンチが認められる)のシングルマッチ。
西部テキサスと南部テネシーの荒くれ男同士の武骨なぶつかり合いは両者流血のタフネスマッチとなり、テリーの回転エビ固めをさらに反転させたローラーがエビ固めでカウント3を奪い壮絶な勝利。
ドリー・ファンク・ジュニアはデビット・フォン・エリックとのタッグでハックソー・ブッチ・リード、スウィート・ブラウン・シュガー組に反則勝ち。
2月24日フロリダ州キーウェスト・ハイスクールガーデンでは馬場、鶴田は20人参加のバトルロイヤルに出場し、アンドレ・ザ・ジャイアントが優勝しています。
2月25日フロリダ州ジャクソンビル・メモリアルコロシアムではリングを2つ設置し同時に戦う2リング・バトルロイヤルがメインイベントで行われました。
第1リングで優勝したアンドレと第2リングで優勝したドリーが決勝で対戦、アンドレがオーバー・ザ・トップロープでドリーを破りまたも優勝しました。
馬場、鶴田組はジャックとジェリーのブリスコ兄弟と3度目の対決。
鶴田が10分37秒、ジャックをダイビング・ボディアタックからの片エビ固めでフォールしようやくブリスコ兄弟に一矢報いました。
この日は天龍も出場、大仁田厚、渕正信とのトリオでテリー・アレン(マグナムTA)、エリック・エンブリー、エル・グラン・アポロ組と対戦、大仁田が前方回転エビ固めでエンブリーを破り、3月7日にノースカロライナで予定されているチャボ・ゲレロの持つNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座挑戦へ向けて好調な仕上がりを見せています。
馬場、鶴田、天龍のフロリダ地区最終戦となった2月27日レイクランド・シビックオーデトリアム大会は、馬場、鶴田組がブリスコ兄弟の北米タッグ王座に挑戦。
これまで3度に亘る対戦はタイトル戦の前哨戦でした。
試合は鶴田とジャックがお互いにロープに飛んでのショルダータックルの相討ちでダウン。巻きぞえをくらったレフェリーめダウン。
体力で優る鶴田が一足早く立ち上がってジャックをフォールの体制へ。しかしレフェリーは倒れたまま。
ジェリーがリングに入り鶴田とジャックの身体を入れ替えてジャックが上になりフォール。
ようやく起き上がったレフェリーがカウントを数えようとしたところこれに怒った馬場、鶴田組のセコンドである大仁田と渕が乱入。
22分10秒、馬場、鶴田組の反則負けが宣せられてブリスコ兄弟が王座防衛を果たしています。
結局、スコアの上では馬場、鶴田組はブリスコ兄弟に1勝3敗と負け越しに終わりました。
ドリー・ファンク・ジュニアはセントピータースバーグに続いてハックソー・ブッチ・リードとインターナショナル・ヘビー級王座防衛戦を行い、60分時間切れ引き分けで2度目の王座防衛に成功しました。
天龍はテリー・アレンと20分時間切れ引き分けとなりました。
メインイベントはリングに設置されたポールの上に吊るされた賞金を手にした者が優勝という今で言うマネー・イン・ザ・バンク形式のバトルロイヤルが23人参加で行われ馬場、鶴田、天龍、大仁田、渕らも出場。
マイク・グラハムがポールによじ登り賞金をゲットし優勝。ある意味プロモーターの父エディに親孝行しました。
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