全日本プロレスの83年世界最強タッグ決定リーグ戦は11月25日同リーグ戦初となる大阪府立体育会館で開幕。
テリー・ファンクの引退で77年世界オープン・タッグ選手権から続いて来たザ・ファンクスが解体され、馬場とドリー・ファンク・ジュニアがタッグ結成。(テリーは馬場、ドリー組のマネージャーとして来日)
大本命のスタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディ組、鶴田、天龍組、ミル・マスカラス、ドスカラス組のマスカラス・ブラザーズ、タイガー・ジェット・シン、上田馬之助組などが参加してメンバーの豪華さでは新日本の第4回MSGタッグ・リーグ戦を上回りました。
開幕戦でハンセン、ブロディ組はバリー・ウィンダム、ロン・フラー組に勝ち、鶴龍コンビはシン、上田に反則勝ち。
11月29日札幌・中島体育センターでは馬場、ドリー組vs鶴田、天龍組の師弟対決が組まれ45分時間切れ引き分け。
12月5日の福岡国際センターで行われたハンセン、ブロディ組とマスカラス兄弟の試合はブロディがドスカラスをフォールしていますが、マスカラスとブロディが互いに険悪な雰囲気になっています。
この豪華メンバーを持ってしても新日本プロレスとの興行戦争、視聴率戦争に勝ちたかったか?12月10日、愛知県体育館からの終盤3戦に馬場、松根社長はNWA世界ヘビー級王者に返り咲いたばかりのリック・フレアーを招聘。
この年ブームを巻き起こしたザ・グレート・カブキにも帰国命令を出して呼び戻しています。
特番土曜トップスペシャルで生中継された名古屋大会ではフレアーは鶴田と30分時間切れ引き分け。
カブキはウィンダムに勝利。
公式戦では馬場、ドリー組がハンセン、ブロディ組に反則勝ちしています。
最終戦12月12日蔵前国技館では「最強タッグ期間中はタイトルマッチは行わない」という不文律が破られ、フレアーvsカブキのNWA世界ヘビー級選手権試合が実現。
カブキがフレアーに反則勝ちするもルールにより王座移動はありませんでした。
公式戦はセミファイナルの馬場、ドリー組とシン、上田組が両チームリングアウトとなり、メインイベントの鶴田、天龍組vsハンセン、ブロディ組に優勝の行方が委ねられました。
17分45秒、ハンセンがラリアットで天龍を破りハンセン、ブロディの超獣コンビが2度目の参戦にして初優勝を遂げました。
この年、前半はタイガーマスクの活躍による新日本プロレスは空前のブームを迎えましたが、全日本もカブキの登場、ハンセン、ブロディ組の活躍、テリー引退、鶴田インター王座奪取と盛り上がりを見せ、81年8月に国際プロレスが崩壊して以来、男子2団体時代は2年を過ぎましたが順調で無風状態と言えましたが、
これは「嵐の前の静けさ」でした。
次回より「ジャンボ鶴田怪物伝説」82年編がスタート致します。
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