83年12月7日、高松市民文化センター(テレビ収録)で行われた第4回MSGタッグ・リーグ戦の公式戦最終日。
まずは前日の大阪府立体育会館でディック・マードック、アドリアン・アドニス組に場外でのハイジャック・パイルドライバーを食らって負傷したスウェード・ハンセンが棄権した為、この日予定されていたアンドレ・ザ・ジャイアント、SWハンセン組とオットー・ワンツ、ウェイン・ブリッジ組は不戦勝でワンツ、ブリッジ組が5点を獲得。辛うじて0点は免れました。
パートナー欠場により公式戦がなくなったアンドレはこの日テレビ収録とあってキラー・カーンとのシングルマッチが組まれて4分18秒にヒッププッシュからの体固めで圧殺。
体重の増加によりジャイアントプレスをあまりやらなくなってしましたアンドレのフィニッシュ・ムーブはもっぱらカウンターのキック(人間エクソゼミサイルと実況の古舘伊知郎アナウンサーが命名)からのヒッププッシュが定番になっていました。
セミファイナルでは23・5点の長州、アニマル浜口組と27・5点のマードック、アドニス組が対戦し17分52秒、フェンスアウトにより浜口がアドニスに反則勝ち。
長州、浜口組は26・5点で公式戦を終了優勝決定戦進出は成らず。マードック、アドニス組は27・5点で終了、取りこぼしましたが反則負けの為長州、浜口組に3点を献上したに留まりメインイベントの結果待ち。
メインの公式戦最終試合は23・5点の猪木、ハルク・ホーガン組と24点の藤波、前田日明組の対戦。
試合は12分28秒、ホーガンがアックスボンバーからの体固めで前田を破り5点を獲得。
この結果、1位は32点のアンドレ、SWハンセン組(棄権)で優勝決定戦は2位で28・5点の猪木、ホーガン組となり、3位のマードック、アドニス組との間で行われることになりました。
4位が長州、浜口組、5位は24点の藤波、前田組でした。
優勝決定戦は12月8日、蔵前国技館で行われ11500人(満員)発表の観客を動員しています。
試合は時間無制限1本勝負。猪木が途中つかまり苦戦する場面も見られましたが、11分10秒猪木の起死回生の延髄斬りが決まりアドニスをフォール。
短期決戦で猪木、ホーガン組が2連覇を果たしています。
序盤戦で2敗を喫し不協和音が流れた感のあった
猪木、ホーガン組でしたが仲間割れもなく順当に優勝を飾りました。
シリーズはこの後、12月9日浜松市体育館、10日刈谷市体育館で追撃戦が組まれ、5月のIWGP同様全23大会、1日の休みもなく開催され、タイガーマスクがいなくなったとは言え、新日本プロレスの興行人気の高さを裏付けています。
全日本プロレス暮れの祭典世界最強タッグ決定リーグ戦との興行戦争は大阪府立体育会館(全日本11月25日、新日本12月6日)、愛知県体育館(新日本11月29日、全日本12月10日)、蔵前国技館(新日本12月8日、全日本12月12日)の東名阪がバッティング。
この年はテリー・ファンクの引退で、馬場、ドリー・ファンク・ジュニア組、鶴田、天龍組がエントリーし新鮮な組み合わせが実現。
スタン・ハンセン、ブルーザー・ブロディ組の超獣タッグが無類の強さを発揮し優勝。
開幕戦を珍しく大阪に持ってきた全日本は8700人、新日本が9000人。
終盤NWA世界ヘビー級王者リック・フレアーまで導入した愛知県体育館は全日本が9800人、新日本は13000人。
蔵前は全日本が12500人、新日本が11500人。
水増し発表はもちろん想定出来ますが、それを勘案した上でも大阪と名古屋は新日本の勝ち、東京は全日本の勝ち、と見るのが順当かと思います。
ログインしてコメントを確認・投稿する