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2015年06月15日22:46

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猪木とビンス(294)

83年11月3日、蔵前国技館大会メインイベントは正規軍vs維新軍4対4綱引きマッチ対抗戦最終試合、猪木と谷津のシングル戦です。

谷津のセコンドには長州、浜口、カーンに小林邦昭、それにこの日正式に維新軍入りした寺西勇がつき、総力戦の構え。

猪木は谷津を挑発しようと平手打ち、ナックルを見せましたが谷津はロープエスケープで逃れ顔面かきむしりで反撃。

ショルダースルーで猪木を投げつけるとワンダースープレックスからニードロップ。アメリカ修行でウェイトダウンした谷津の攻めは軽快だがパワーに欠けました。

猪木は谷津の力量を見切ったか、奇襲の延髄斬りでダウンを奪うや場外に落として鉄柱へ額を叩きつけました。谷津は流血。

リングに上がって来た谷津に猪木はナックルパンチによる鉄拳制裁、とどめの延髄斬り一閃、9分48秒体固めで猪木の勝利。
この時の谷津はまだまだ猪木とメインで闘うだけの技量には欠けました。

対抗戦は2勝1敗1分でスコア上では維新軍の勝利に終わっています。

対抗戦の前に、タイガーマスクの引退表明により返上されたNWA世界ジュニア・ヘビー級王座決定戦として、カナダから突如飛来した謎のアストロノーツ、ザ・コブラvsザ・バンピートの一戦が組まれました。

先に入って来たのは蝙蝠仮面バンピート。

続いてコブラがマスクを被ったファン達による騎馬(おそらく雑誌ゴングの山口雄介、清水勉の一派によるものと思われる)に乗って入場。

コブラの入場テーマはエイジアの「ヒート・ゴーズ・オン」黄金のマスクに白のジャケットを身に付けたコブラはリングに上がるや、トップロープからクルッとバック転して着地。

これを見ていたバンピートが刺激されたか、自らマスクを脱いで素顔を晒しました。

私はこの興行を2階席から生観戦していましたが、観客席からは「キッド!キッド!」と大キッド・コールが沸き上がりました。

確かに遠目に見るとダイナマイト・キッドにも見えました。

バンピートの正体はキッドの従兄弟にあたる初来日のデービーボーイ・スミスでした。

スミスはゴング前にコブラを急襲し頭上にリフトアップしてからトップロープ越しに場外へ落として見せました。

コブラは緊張のせいか、技の繋ぎが上手くいかず、観客の失笑を買ってしまいました。タイガーマスクを意識するあまり動きに伸びやかさを欠いていたと思われます。

タイガーマスクロスに陥っていた新日本プロレスのファンもコブラにタイガーマスク的動きを要求していたのも間違いないところ。

コブラは場外のスミスにプランチャ、しかし着地に失敗し膝を痛めてしまいました。

試合は20分58秒、コブラがラリアット気味のフライング・ネックブリーカードロップからの体固めで勝利。新王者となっていますが観客の反応は正直厳しいものがありました。

一方敗れたスミスは新日本ファンの支持を得たか、次回の来日に期待がかかりました。

さて、すっかり外国人選手の存在感が薄くなった感のある新日本プロレスのリングでしたが、蔵前という大会場でそれが露骨に出てしまっています。

この日試合に出た外国人選手はこの日のみ特別参加のバンピート(スミス)を除いてはポール・オーンドーフただ1人。

オーンドーフは第4試合で栗栖正伸とシングルマッチで2分59秒、体固めで勝っていますが、もうこれはどうでもいいマッチメークでした。

今考えるとこれではやはり新日本プロレスとWWFとの友好関係に亀裂が生じるのも無理からぬ話かと考えさせられます。

ちなみに、この日は私が初のハシゴ観戦をした日でした。

11月3日、(木)は文化の日の祝日であり新日本プロレスの蔵前が午後2時試合開始。

全日本プロレスのジャイアント・シリーズ最終戦が後楽園ホールで午後6時半試合開始で蔵前が終わってから後楽園へ移動。

全日本は馬場、鶴田組にスタン・ハンセン、ワンマン・ギャング組が挑戦したインターナショナル・タッグ選手権試合がメインイベント。

ハンセンのラリアットがギャングに誤爆、11分42秒、鶴田がギャングをフォールし馬場、鶴田組が王座初防衛していますが、ワンマン・ギャングの試合が今イチで、大味な試合展開でした。

新日本プロレスに対する最終兵器としてハンセンを引き抜いた全日本でしたが、この頃になると一時増えた東京の大会場での興行もペースダウンし始めました。
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