新日本プロレス83年秋の陣、闘魂シリーズは10月7日、後楽園ホールで開幕。
ポール・オーンドーフ、ビッグ・ジョン・スタッド、ブライアン・ブレアー、スティーブ・ライト、エル・グレコ&エル・セルヒオのロス・エクソティコス、エディ・ギルバートの外国人選手が参加。
しかし、メキシコUWAより3年半ぶりにやって来たオカマコンビの片割れであるセルヒオは来日して直ぐに急性虫垂炎にかかり1試合もしないまま帰国を余儀なくされました。
パートナーのグレコは単独でのシリーズ参戦となりました。
オーンドーフは7月のサマー・ファイト・シリーズ終盤戦に特別参加して以来2か月ぶりの来日。
スタッドは5月のIWGP以来4か月ぶりの来日。前回のIWGPでは、WWFで敵対関係にあったアンドレ・ザ・ジャイアントが一緒に来日しており、日本ではヒールとなるアンドレとタッグを組む機会があった為、黒いマスクを被っての来日でしたが今回は素顔での登場となりました。
ブレアーも7月のサマー・ファイト・シリーズ以来の来日。
ライトは82年3月、第4回MSGシリーズ(公式戦の参加はなし)以来1年半ぶりの来日で、前回の来日ではタイガーマスクと素晴らしい名勝負を展開しました。
初来日のギルバートは22歳の新鋭で82年11月25日、タイガーマスクがWWFをサーキットしていた時、ペンシルバニア州フィラデルフィアのスペクトラムアリーナでタイガーのWWFジュニア・ヘビー級王座に挑戦し13分17秒、エビ固めに敗れています。
日本側は長州力率いる維新軍に谷津嘉章が凱旋帰国しています。
谷津は82年のブラディ・ファイト・シリーズ終了後、フロリダのヒロ・マツダのもとへ渡り出直しの海外再修行を行っています。
フロリダで試合をした後はテキサスに転戦しトラ・ヤツのリングネームでヒールとして活躍。
ぽっちゃりとしたお腹は引き締まり、黒く日焼けした肌、マサ齋藤のような黒のハーフタイツに長髪、髭というスタイルに変身し、精悍さを増しました。
谷津が加わった維新軍はメンバーが強化され、長州、浜口、キラー・カーン、小林邦昭とメンバーが充実してきました。
前シリーズの9月21日、大阪府立体育会館での猪木戦で痛恨のKO負けを喫した国際軍団の総帥ラッシャー木村は痛めていた腰が猪木戦で悪化したとしてシリーズを欠場。
国際軍団は寺西勇1人になってしまいましたが、寺西はこのシリーズは小林邦とタッグを組むことが多くなり、事実上国際軍団は解体されました。
また、グラン浜田が1月の新春黄金シリーズ以来の参戦を果たしています。
開幕戦のメインは猪木、藤波組vs長州、浜口組で最後は維新軍のセコンドにいたカーン、谷津が乱入しての猪木の反則勝ち。
凱旋帰国の谷津はセミファイナルでブレアーとシングルで対戦、4分49秒、新兵器のスクープサーモン(変形のパワースラム)でフォール勝ち。
坂口、前田組はオーンドーフ、スタッド組と両チームリングアウトとなり、カーンは木村健吾を痛めつけての反則負けとなりました。
開幕戦のテレビ生中継を見た限りでは、谷津を加えて勢力拡大した維新軍の暴れっぷりが目立ちました。
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