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2019年11月16日00:32

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映画「ゴジラ」の分析

映画ゴジラの製作を担当した田中友幸は、
特殊技術を担当する円谷英二に対し、
このように語ったと言います。


「この映画でぼくは、
 核兵器の恐ろしさ、おろかさを伝えたい。

 人間が作り出した核兵器という恐ろしい
 人殺しの道具。それによって目をさまされ
 巨大化させられた怪獣が人間の作り上げた
 大都市、東京を破壊する。

 つまり、人間が作り出したものに
 人間が仕返しをされるんです。

 だから、怪獣の不気味さや迫力だけを
 売り物にした映画は作りたくない。

 怪獣の後ろに、核兵器の影が見えるような
 作品でなくてはだめなんです」


実際、ゴジラがつくられたきっかけは、
「第五福竜丸事件」(アメリカの水爆実験
によって日本の漁船が死の灰を浴びた事件)と、

田中友幸の頭の中にあった米映画、
「原子怪獣現る」「キングコング」とが
つながったことでした。

放射能を持つ怪獣を都会で暴れさせ、
水爆の恐怖を伝えようとしたのです。

映画のチラシにも「水爆大怪獣映画」
というキャッチコピーがつけられている
ことにも、その意図がにじみ出ています。


そんな映画ゴジラが
これまでにない大ヒットを生み出し、
今なおハリウッドで上映されるなど
していることはあなたもご存知の通り。

ではなぜそれほどまでに
人々に愛されることになったのか?


ゴジラが公開される直前の下馬評では、
「ゲテモノ映画」
「怪獣なんて子供だましの映画」
「そんな映画を作ったらもう仕事ができなくなる」
などという声ばかりでしたが...

当時の日本は終戦から10年も経っておらず…
戦争の恐怖が国民の脳裏に焼き付いていました。

だからこそ、核の恐怖をテーマにした
ゴジラは国民の心をワシづかみにし、
歴史に残る大ヒットを生み出すことが
できたのです。

PS
「北緯24度 東経141度付近—」

これは、ゴジラが最初に
出現したとされる地点です。

なぜこれほど細かく地点を描いたのか?
そもそもこの地点になにがあるのか…?

北緯24度 東経141度というのは、
小笠原諸島の母島よりも南…
日米が激戦を繰り広げられた
「硫黄島」が存在しています。

このことから、ゴジラのことを
硫黄島付近の戦いで失意のまま死んだ
「英霊」とみなす解釈も生まれます。

ゴジラ=「核の恐怖」というのが、
田中友幸の描こうとしたテーマです。

しかし、そんなゴジラが、
かつて日本を守るために戦った
「英霊」という解釈を許すとは、
いったいどういうことでしょうか?

まったく真逆とも言える解釈が
同時に存在してしまうような映画が、
なぜ大ヒットを生み出したのでしょうか?
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