mixiユーザー(id:20916576)

2020年05月30日22:56

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高村光太郎の「あなたはだんだんきれいになる」圧符労努

なんと強烈なインパクトのある詩だろうか

同じく強烈なインパクトのある
サティのグノシエンヌ3番で詠った

この組み合わせを成立させたのは
もう何年か前になるのだが

「この詩に合う曲はないかな」と
思って探したとは考えにくいので
「この曲に合う詩は…」と思って
張り巡らせていたアンテナに
この詩が反応したのだと思う

最近 ほんの数年前の事でも 正確なことを
思い出す自信がもてなかったりする


 あなたはだんだんきれいになる

 をんなが附属品をだんだん棄てると
 どうしてこんなにきれいになるのか。
 年で洗はれたあなたのからだは
 無辺際を飛ぶ天の金属。
 見えも外聞もてんで歯のたたない
 中身ばかりの清冽な生きものが
 生きて動いてさつさつと意慾する。
 をんながをんなを取りもどすのは
 かうした世紀の修行によるのか。
 あなたが黙つて立つてゐると
 まことに神の造りしものだ。
 時時内心おどろくほど
 あなたはだんだんきれいになる。

「あなた」とはもちろん智恵子のこと

私が揃えている幾種かの「日本の名詩集」
の中にも収められているが

「教科書で出会った名詩」とか
「教科書でおぼえた名詩」とかの本には
収録されていない

それはそうかもしれないな
「大人になったら読みましょう」
とかいって詩のタイトルだけでも
巻末にでも載せといたらどうだろうか

グノシエンヌ Gnossienne とは
「知る」という意味のギリシャ語に
もとづいてサティが作った造語
それ以外の諸説もあるのだとか

訊かれたときに
答えられないと困るので 調べておいた


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