『のんき大将(El Gran Galavera)』メヒコ1949年公開、ルイス・ブニュエル監督、フェルナンド・ソレル、ロザリオ・グラナドス、ルーベン・ロホ、ら。
妻に先立たれ酒浸りの富豪ラミロ(フェルナンド・ソレール)が娘ビルヒニア(ロサリオ・グラナドス)の婚約パーティで泥酔卒倒昏睡、目覚めた時には自分のみならず残された家族が貧しい家で皆がボロを着ていて一文無し状態になっていた、というコメディながら、金や自由だけが全てではなく、汗水垂らして働く事の喜びを諭すようなお話し。ブニュエル作品で常用されている、いぶし銀のフェルナンド・ソレル、名優だし、ファンが多いのもよく分かるような気がしますし、この作品のヒットでブニュエルがメキシコで活動を続ける事が出来た、という話にも頷けます。教会における結婚式ラストシーン、愛の宣誓直前に最愛の男が外でトラックから拡声器を流し、ビルヒニア(ロサリオ・グラナドス)が教会を走り抜けて行く様は、米国映画『卒業(1967年)』を思い出させてくれました。マイク・ニコルズ監督はこのメヒコ映画を観ていたでしょうか?
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