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2021年02月23日09:33

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男性対女性

『男性対女性』1936年公開、島津保次郎監督、田中絹代、桑野通子、佐分利信、上原謙、河村黎吉、吉川満子、斎藤達雄、大塚君代、飯田蝶子、坂本武、ら。
人を騙しながらハイエナのように生き長らえようとする悪徳ブローカーを演じると右に出る者がいない?河村黎吉を尻目に、煮え切らないカップルを演じる佐分利信と田中絹代が最後にはモンゴル遊牧の地で結ばれる、というお話。田中絹代に言い寄る御曹司の斎藤達雄が「安く見ないでよ!」と頬を張り上げられるシーン、笑いました。斎藤達雄といい、河村黎吉といい、吉川満子といい、、本当、脇役達がそれぞれに最高のキャラを振り撒きながらええ仕事していると思います、感心する程に。収入に執着しない学者肌をを演じる事が多い佐分利信は人類学者役で 田中絹代から好意寄せられるも何処吹く風。弟役の上原謙はフランス帰りの劇場演出家、なんだかんだ言っても上原謙には垢抜けた役が多いですね。河村黎吉のせいで事業が傾き夫を亡くした吉川満子、またもや河村黎吉のせいで殆どの遺産を失い取り乱しながら娘の田中絹代に対して「元はと言えばお前のせいで、、」というシーン、ここは流石に心が痛みました。映画とはいえ、河村黎吉の様な詐欺師に大事な相談を持ち掛ける周りの人間達が哀れでした。しかし、いつの世にも、詐欺師は頼り甲斐ある風情や言動で周りの信用を得たのでしょう。支配人である河村黎吉を殴り倒して劇場を去ろうとする上原謙に対して諭す桑野通子、田中絹代の女学校時代の妹分役の桑野通子の台詞がとても素敵でした。「ねえ、考え直してみない? 貴方があいつに勝つのは演出家としての腕なのよ。その証拠に向こうから頭を下げて貴方に頼みに来たじゃないの。うんといい条件で働いてやりましょうよ。わからない? 私の言っている事。資本家の武器は資本、芸術家の武器は芸術。 どっちの武器が強いか。ねっ、闘いましょう。勝ちましょう。ねっ。」 ハキハキしたキャラで輝き続け、若くして天に召されたんですね、桑野道子は。まさしく女優人生を駈け足で突っ走った感ありです。ところで、単身で長期出張していた佐分利信を追い掛けてモンゴル迄やって来た田中絹代、、あれ、何処でロケしたんでしょうか?
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