mixiユーザー(id:20839049)

2021年01月27日07:43

21 view

ストロンボリ

『ストロンボリ(伊: Stromboli, Terra Di Dio)』伊米合作1950年公開、Rロッセリーニ監督、Iバーグマン、Mヴィターレ、ら。
イタリア版や米国版を含めて107分版、105分版、81分版等々もある様ですが、私が鑑賞したのはゲオレンタル99分版でした。結婚して難民キャンプから出た、というよりは、難民キャンプから逃れる為に無理矢理結婚した捕虜の夫アントニオ(マリオ・ヴィターレ)の故郷であるストロンボリ島までやむなく付いて来たのに、馴染めない島民と火山活動に追い詰められるカーリン(イングリッド・バーグマン)。モノクロながら眩しい程に太陽が降り注ぐ島の様子は、まるで『キューバの恋人(黒木和雄監督、1969年公開)』のワンシーンを想わされますし、島を脱出したいバーグマンが火山を登って向こう岸へ辿り着こうとする様は『侍の娘/新しき土(1937年公開)』における原節子の焼岳登山とも重なります。ひょっとして本作品関係者は『侍の娘/新しき土』を観ていたのではないでしょうか? 「チェコから逃げてユーゴ経由でイタリアへ来たのよ」と島民に話すバーグマンの表情は島の生活に溶け込もうというよりは、文明社会ではないあんたらの生活にはついていけない、とあからさまな視線を感じます。夫アントニオが漁師という仕事を得て働いている間に神父や違う男に色仕掛けしたり、頂上噴火口の大自然を目の当たりにして自惚れや自信やプライドを打ち砕かれて泣きじゃくるバーグマンの姿、、、芸幅を広げている瞬間瞬間のバーグマンを確認する事が出来ます。本作品本筋ではないですが、鮪漁の大迫力には一目を置けます。ロッセリーニ監督との不倫でハリウッドから数年間干されたと言われるバーグマンのスキャンダラスな一作である事は兎も角、結果的にイタリア版と米国版で違ったバージョンが制作されてしまった喧騒も何だか、そういう所も『侍の娘/新しき土』の西洋版を見せつけられているようです。
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2021年01月>
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31