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2020年11月10日19:05

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大日向村

『大日向村』1940年公開、豊田四郎監督、河原崎長十郎、中村翫右衛門、杉村春子、中村メイコ、市川莚司(後の加東大介)、ら。
村民の半分を満洲へ移住させ残った者も含めて共存続しようという国策に乗っかった長野県南佐久郡大日向村のお話、現在の佐久穂町大字大日向にあたる、とか。戦中の満州に限らず、戦後も含めて「移住」とは家族親戚の結束と分断の狭間でもがき葛藤し続ける運命に抗えない事を現代の我々は学んで来たはずです。しかし当事者からすれば藁をも掴む思いで僅かな希望にすがり続けて頑張った人が殆どだと思います。日本における戦時体験を直接聞く機会はそこそこありますが、「移住」や「引き揚げ」について差し向かってゆっくりと直接にお話しを伺った機会は極端に少ないです。それは私の学び不足と真剣さが足りないせいなのかもしれませんが。借金がちゃらになるなら、という理由で移住を覚悟した村民も多かったのでしょうか。さて本作、1940年公開時に観た観客と、満州開拓民の運命と苦労を冷静に眺める目線で鑑賞する立場は全く正反対、未だに私も含めて他人事の様に思っている心の存在に気付かされます。行くも地獄残るも地獄、以前 中国残留孤児の話題が大きく取り上げていた時、私は本当に鈍感だったと思います。満州国建設を推進した日本の歴史的評価は様々にあり得てもいいのですが、著名人が、友人知人の親御さんが、それぞれに満州から引き揚げて来た、という略歴を知る度にまずは「お疲れ様でした」という気持ちでいる昨今です。必死の形相で生きる事に執着しようとした一人を杉村春子が熱演していました。
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