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2020年10月22日08:23

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イノセンシア

『イノセンシア(Inocencia)』セルバンテス文化センターにて。Alejandro Gil監督、キューバ2018年制作、ヤスマニー・ゲレロ、ら。
10月20日が「キューバ文化の日」だったとは知らず、因んだキューバ音楽とキューバ映画の集いが昨夜ありました。1871年11月、スペイン植民地下のキューバ、不当嫌疑で収監された医学部生達の内の8人が犠牲となり、共に収監された後に釈放されたフェルミン・バルデス・ドミンゲス(ヤスマニー・ゲレロ)が16年という時間をかけて仲間の遺体捜索を経て無実の証明に辿り着く、というお話。執行場へ連れて行かれる処刑直前の悲しい場面をこれまで国内外映画で複数目にして来ましたが、決して趣味のいいものではなく、作品のワンシーンとして直視せざるを得ない事が多いですね。自らの罪悪を認識した上で処刑場へ向かう事を覚悟しているはずの死刑囚であっても最後の瞬間には命乞いをする例が後を絶たない、と耳にします。ましてや無実の罪を被せられて死刑宣告を受けた本作品における8人の医学生達の精神状態を考えると居たたまれませんでした。本事件の背景を未だ充分に咀嚼出来てはいませんが、不快に感じたのは、処刑直前に告解を聞き入れる用意を示した司祭が、銃殺執行指揮官を兼ねている様に見えてしまった事です。私の見間違いだったのかもしれないのですが。。ヤスマニー・ゲレロが演じた主人公のフェルミン・バルデス・ドミンゲスをネット検索すると、あのホセ・マルティ(ホセ・フリアン・マルティ・ペレス、1853/1/28〜1895/5/19)と幼馴染だった、、との記事が複数ヒットし関心を呼び起こしてくれます。1871年というと日本では明治が始まったばかり、その頃に本作品で見られるような当時のキューバにおける大学や医学生の風情を見ると近代化がかなり進んでいるようにも錯覚しました。被せられた無実の汚名を覆さんとエネルギーを傾け続ける御本人、御家族、友人知人、後輩達、、そんな人達は日本にも、世界に今もいます。真実に近付こう、ほじくり返そうとすると行為は、蓋を開けて欲しくない人間達にとっては敵となり、まさに命懸けの日常となります。そんな人達に胸を痛めながらの映画鑑賞も多い気がする今日この頃です。
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