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2020年10月20日08:12

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暖流

『暖流』1939年公開124分版、岸田國士原作、吉村公三郎監督、佐分利信、高峰三枝子、水戸光子、徳大寺伸、斎藤達雄、藤野秀夫、葛城文子、森川まさみ、槇芙佐子、岡村文子、ら。
病に倒れた院長(藤野秀夫)を尻目に派閥争いで経営が傾きかけた名門私立総合病院を建て直さんと、恩人である院長によって台湾から呼び戻された青年(佐分利信)を巡る病院内の三角関係を描いたお話。改めて、、高峰三枝子も! ピアノを弾くんですね!「別れの曲」とか。そういったシーン、結構気にして観る方なんです。さて、佐分利信を挟んで攻防する幼馴染の水戸光子と高峰三枝子、なかなかの見応えでした。但し、この作品はオリジナルが三時間近くあったのに、現在出回っているDVDは二時間強であると聞き、そういえば急な展開で落ち着きのない繋ぎシーンもチラホラあり、と気にはなっていましたが。それにしても高峰三枝子の着こなし、落ち着き、冷静さ、どれを取っても大人を感じさせてくれました。作品によっては軽い感じの高峰三枝子もありますが、本作品では女として、人間として注目すべき存在でした。もう一つの見処は、高峰三枝子に熱い視線を送る外科医師を演じた徳大寺伸と彼の恋人役看護婦を演じた槇芙佐子です。徳大寺伸は『按摩と女』という作品で按摩役として活躍したシーンを思い出しました。その徳大寺伸にもてあそばれた挙げ句に捨てられた役の槇芙佐子、端役で置いておくには勿体無い程に光っていたと思うのですが。病院立て直しの為に全権委任されたはずの佐分利信に対する古株医者達の非協力さ。。水戸光子に内通させる佐分利信。。院長の一人息子である副院長 泰彦(斎藤達雄)は医師免許の持ち腐れで仕事せずに贅沢三昧で資産を食い潰す。。とか、人の命を救う為の医療機関であっもこんな泥々した人間模様が何処にでも存在し続けている事に改めて気付かされます。佐分利信宅へ押し掛け、揮発と呼ばれるベンジンで佐分利信のスーツをシミ抜きする水戸光子。。。健気ながら女の執念を感じました。
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