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2020年07月23日02:59

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乱れる

『乱れる』1964年公開、成瀬巳喜男監督、高峰秀子、加山雄三、草笛光子、白川由美、三益愛子、浜美枝、ら。
未亡人の高峰秀子と義弟の加山雄三、酒屋という同じ屋根下で暮らす成瀬作品、と聞いただけで展開の九割方は想像出来る、というものでした。「どんな職業が似合うの?」と高峰秀子が聞くと、半年でサラリーマンを辞めた加山雄三が「無職かな」だと。例え 加山雄三が大根だと呼ばれていたにせよ、そんな軽い台詞を与えるとは、それってバラエティ番組で「特異技は何なんですか?」と質問された上田馬之助が「反則!」と答えていたに等しいもんではないかと。「スーパーなんてスーと出て来てパーと消えてしまうと思っていたのに、消えるのはこっちか、、」と、お気軽な台詞が続き、何事も真剣に向き合おうとする高峰秀子との対比が著しいです。店の名義が義母である三益愛子のものだったし、義姉妹である草笛光子や白川由美も半分は他人事であって、身の置き所が狭くなっていく高峰秀子の立場に同情しました。加山雄三に対して、浜美枝のような軽い女と別れるべきだと主張した高峰秀子が、義姉という立場から徐々に一人の女に変わっていく様が見事でした。静岡県から上野を経由し高峰秀子の故郷である山形県新庄まで列車に押し掛け乗り込んだ加山雄三の席がどんどん高峰秀子に近づいて来る展開は微笑ましかったですが。遂に同席となり、加山雄三の居眠り顔を見て涙する高峰秀子は遂に決心、新庄駅へ到着する直前、「幸司(加山雄三)さん、降りましょう、次の駅で」と大石田駅で下車、銀山温泉にある旅館へ。ここ迄来て二人が結ばれると思いきや、、高峰秀子へ積もらせて来た恋心を押さえる為に自らの生活を二の次にして来た加山雄三、やっと報われると思いきや、、何処までも加山雄三はお坊ちゃんだったんだと思わされた悲しい結末でした。さて、米国からの波で大型店舗法なる法律が成立した後、日本の駅前商店街が寂れて行った、とよく言われます。大きなスーパーマーケットの販売力の前に、伽藍とした空間でお客を待つ小さな店舗を今でもよく目にする事がありますが、日本社会はこれで本当に良かったのかと思わされる事暫しありです。
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