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2020年02月22日16:27

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巴里の屋根の下

『巴里の屋根の下(Sous les toits de Paris)』フランス1930年公開、ルネ・クレール監督、ポーラ・イレリ、アルベール・プレジャン、ら。
普段からテレビコマーシャルなんかでも耳にしている音楽って、昔の映画作品から来ている事が多いですが、ラウール・モレッティという人が作曲したこの作品の主題歌もそうですね。ポーラ・イレリはルーマニア出身の女を演じていますが、昔も今もルーマニアからフランスに引っ越している人は多いですね。サイレント→トーキーへ、その過渡期に揺れるような演出が見ものでした。昼間のコーラスシーン等を除き、大半が日没後のシーンであり、パリに住む労働者階級の生活が親しみやすく描かれていました。大人の恋愛物語ではなく、ドタバタ感は拭えないのですが、大人になり切れないポーラ・イレリが恥じらいながら上目遣いで大人の階段を昇ろうとする気配に何度かハッとさせられました。チャップリンやクレールらは映画のトーキー化を嫌がった、と読んだ事がありますが、日本でも理由の差はあれど小津安二郎もトーキー化には慎重だったと伝えられています。監督の立場でサイレントなのか、トーキーなのか、と考えに耽る事も何かの気付きに出会えそうです。さて今更ながら「パリ」が「巴里」と当て字される点、何だか不思議な感覚に陥っています。
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