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2020年01月26日18:43

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雪崩

『雪崩』1937年、大佛次郎原作、成瀬巳喜男監督、霧立のぼる、江戸川蘭子、佐伯秀男、ら。
映像だけを見ていると二人の女を不幸にしながら、父(汐見洋)と息子(佐伯秀男)が四角四面の理屈を戦わせ続ける、という何とも緊張感で背筋伸びっぱなしの鑑賞を強いられる映画です。結婚したものの置いてけぼりを食い続ける美しくも能面で か弱い嫁を演じる霧立のぼる、結果的に結婚に辿り着けなかった元許嫁を演じる江戸川蘭子、、後年の原節子主演1954年『山の音』にもこれと似ているような風景があったような。それとは比較にならない位、本作品の鑑賞者は えげつない程に破局と破滅に向かうのではないかという恐怖心に耐える事を強いられるのですが、少しホッとさせられるエンディングを迎え?る事が出来ます。大佛次郎の原作は読んではいませんが、ここまでの演出に仕立て上げた成瀬巳喜男の纏め力に感心しました。しかしながら、霧立のぼる、こんな美しい女優に改めて見とれてしまいました。父を演じた汐見洋の道義上の正論、なかなか聞き応えありました。それに比べて限りなく情けない馬鹿息子を演じた佐伯秀男、名演技だったかも。ところで、本作品で多用されている、画面に簾?をかける、という効果?、狙いは分かるのですが、あまり流行らなかったのか、他作品では見た記憶ありません。
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