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2022年05月11日15:06

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5/8 時代を映す絵画たち コレクションにみる戦後美術の歩み@練馬区立美術館

友達にチケットをいただいた。ありがたし。GWには、中央の大きな美術館でなく、こうした区立美術館に行くのがベスト。空いていてゆっくりみられます。

https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202201251643094507
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1985年に開館した練馬区立美術館は当初より美術作品の収集に取り組み、作品数は現在約5,500点、寄託作品を含めれば約7,500点に上っています。この中でも絵画作品は、日本の戦後美術の流れを語るのに欠かせない作品を含む、重要なパートとなっています。
そこで今回のコレクション展では、そうした所蔵品の中から、戦後まもなく描かれた作品から近年に制作されたものまで、約35名の作家による油彩画を中心とした約70点の作品を展示し、表現の流れを振り返ります。
こうしたコレクションは、各時代の世相や思想を様々なかたちで映すものです。またそれは、開館して37年を迎える練馬区立美術館の歴史そのものでもあります。様々な経緯で収蔵(購入・寄贈・寄託)されてきた作品たちは、収蔵庫から展示室に移り観客の視線を受けることによって、新たにその表情を輝かせるでしょう。見られることによって何度でも繰り返す、けれどもその場だけの唯一の時間、そうした出会いを演出したいと思います。


戦後から近年までの作品ということだが、大きなサイズの抽象画が多かった。東京国立近代美術館や東京都現代美術館の常設展でお目にかかれるジャンルだが、わざわざそれ目当てに見に行ったことはない。苦手なジャンルなので、理解できるか?面白いか?と不安だったが、誰もいない美術館でゆっくり眺めることができて思った以上に楽しめた。

作品リストは、あいうえお順になっているので、それに従ってご紹介。

池田龍雄《十字街》
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この絵↓の作者か。インパクト大の作品だったなぁ。
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が、展示はペン画でなく、油彩2点。分割された画面のあちこちに、コンクリートビルの階段が見える。中央は人?下に向かう矢印の先にポッと灯る水色の球が気になる。意味するものをあれこれと想像するのは結構面白い。社会派の画家だ。

大小島真木《エンタングルメント・ハート》
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画像は展示のものではないのだが、同じシリーズ。展覧会中最も若い作家さんかな。心臓の形を用いて、複雑に絡み合う自然界の姿とか、生命の連鎖を描いている?鴻池朋子と通じるものを感じた。

小野木学《風景》
(参考)フォト
これも画像がなかったので、同じタイプの絵を。練馬区在住の絵本・児童書の挿絵画家。「東京の猫たち」展では《ねこの王様》が出展されていて、全く違う作風。2点の展示があったが、深い藍、群青の画面にかすかに浮かぶ線や面。心象風景なのかな。大画面で、美しくてうっとり。

北川民次《姉弟》
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自分の子供を描いたという。仲の良さそうな姉と弟の絵だが、背景の人物が何やら不穏。逆さになって倒れる赤い服の子、家から慌てて飛び出してきたふうの女、自転車に乗って振り返る男、、、何を意味するのか、気になる!北川民次は、メキシコ壁画に傾倒し、また反権威的な作品を多く描いたという。

白髪一雄《文覚 滝の行》
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床に広げたカンバスの上に絵の具を置き、天井からぶら下がったロープにつかまりながら裸足で描く、アクションペインター。昔はこういう作品は素通りしてきたが、最近は、やっぱりすごいなーと見るようになる。実物の絵具の盛り上がり、勢いは只者じゃない。文覚上人というと、ちょうど今大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」で猿之助が演じている。また、《文覚滝の行》となれば、国芳の錦絵を思い出す。↓
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同じ題材で全く異なる絵、「描くものは一つでも、表現方法はいくらでもある」は先日見たボテロの言葉だった。

高松次郎《影》
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東京国立近代美術館に行くと必ずと言っていいほど見る高松次郎の《影》。これはそのシリーズで、別バージョン。手すりに掴まる幼児だ。METのはもうちょっと赤ちゃんだったかな。ご存じない方のために:これは本当の影ではなく、カンバスにアクリルで描いた絵なのよ。

高山良策《不詳》
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目黒区立美術館「東京の猫たち」展にも出ていた画家。あちらとはまた違う画風の、機械文明への批判とも取れるような抽象画3点。

辰野登恵子《Untitled 92-7》《Untitled 92-8》
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大きな油彩画が2点並ぶ。正直わからん。そもそもこのタイトルの付け方は、1992年の7番目、8番目の作品ということだろうから、絵画自体の固有のタイトルはないのだ。こういう絵は、評論家の文章を読むとますますチンプンカンプンになるので、パス。直感で好きか嫌いか、を決める。画像で見ると面白くないが、実物を見ると絵の具の盛り上がりでいろんな表情が見えてくるのだ。眺めていると好きになる作品。

谷川晃一《春の月》
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その点、これはカワイイ。絵本作家かな?でも《春の月》というタイトルが理解できず。いずれにしても、こんな模様の布地で、子供の「お稽古バッグ」を作ったらカワイイなと妄想。

そのほか、中西夏之、難波田龍起、野見山暁治などの名前も並ぶ。

ふと思い出す、高校の美術の恩師が毎年銀座の画廊でグループ展を開いていた。在学中から大学、社会人になってからも、その展覧会がなくなるまで毎年顔を出していた。他の会員の方の作品はまちまちで、風景画の人もいれば、女性肖像画の人もいた。だけれど恩師の作品は抽象画、いつも《composition》というタイトルだった。線と面の反復だけでできているような作品はどれを見ても同じに見えて、恩師に「どうかね」と聞かれてもいつも言葉に窮していたっけ。
そのころとほとんど進歩していないけれど、それはそれで仕方がない。難しい理論は今でも苦手、それを傍に置いて楽しもう。

6月12日まで

ランチは練馬駅のデキシーダイナーでエビとアボカドのオムライス。乗り換え途中なので動線に無駄なし。
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練馬美術館のトピアリー?のくまフォト

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