浜口陽三のメゾチントが好き。吉祥寺美術館に行ったとき必ず浜口陽三記念室も見るのだが、たまには日本橋蛎殻町のここにも来たくなる。
今回は、ブルーノ・マトン展。未知の作家だが、4月3日までの会期が5月8日まで延長、きっと素晴らしいのだろうと期待。
せっかく水天宮の方に行くのだからと、評判の讃岐うどんのお店「谷や」で昼食。11時開店と同時に入ったが、11時半には行列ができてた。コシのある讃岐うどんとカラッと上がった天ぷらが最高。
初夏の陽気。美術館に着いたとたん展示も見ないで、カフェへ。喉カラカラだったので…は言い訳で、ここのマーブル醤油アイスが美味しいのだ。さすがヤマサ醤油。今回は季節替わりのストロベリー&マスカルポーネのアイスとセット。
では、展示。
https://qlear.cloud/sanei-print/yozo-maton-QR
フランスで新しい銅版画技法を開拓した浜口陽三と、日本の文化・芸術に親しんだ画家、ブルーノ・マトン。 二人の作品と、詩人の言葉を展示します。ひそやかに、心と遊ぶ展覧会です。
20世紀を代表する銅版画・浜口陽三(1909〜2000)と、パリに住み多彩な制作活動を繰り広げたブルーノ・マトン(1938〜2020)。絵の中へと見る人を誘い込むような二人の銅版画は、私たちの中にある感覚をも遠くへと導き、その先の世界を照らし出します。展示にあたり、詩人の谷川俊太郎、大岡亜紀両氏に、ブルーノ作品から浮かぶコトバを書いていただきました。展覧会後半は、画家と詩人と、皆さまご自身のイメージを重ねる参加型の展示をしています。静かな世界が、詩人のコトバを手掛かりにさらに広がっていきます。
1階は浜口陽三のメゾチント作品。撮影不可なのでネットから借用
《2匹の蝶》
カラーの版もあった
《 さくらんぼ (版画集 6 点組より)》
地階がブルーノ・マトン。撮影可だが、濃度高い版画は写り込みが多くて上手く撮れず。すみません〜
版画はアクアチント。映画を撮る人だけあって、ミステリーの一場面のようなカットがいい。
人が全く登場しない作品にも、人の気配を感じるのは、室内が暗く、窓の外が眩しいほど明るいからか。
はたまた、残されたグラスや本がたった今までそこに人がいたことを示しているからか。
白と黒のコントラストがとても印象的。
かと思ったら、こんな作品も。
そして、次のコーナーは「なぞなぞ・絵と言葉のかくれんぼ」
《コトバの扉》
谷川俊太郎の、一連の絵を見て浮かんできたコトバの断片と、
大岡亜紀の、作品の方に寄り添って鑑賞者への問いかけのような気持ちでつくったコトバ。
個々の作品と対にはなりません。
絵とコトバを一緒にご鑑賞ください。
ブルーノ・マトンの絵
谷川俊太郎のコトバ
大岡亜紀のコトバ
ここから鑑賞者も参加する。
《2 タイトルあそび》
作品は全て無題。詩人のコトバは、どの作品と引き合うでしょう。
透明な箱の中からコトバを拾い
似合いそうな作品の下に置いたり、
誰かが置いたコトバを入れ替えたりしてみてください。
やってみた。
誰かが置いていったコトバは、またその人のことを少しだけ知る手がかりになり、楽しい。なぜこの絵にこのコトバを引き合わせたのだろう、彼(彼女)が絵をコトバをどう読み取ったかを考える。
私が引いたコトバはこの絵の前に置いた。さて、私がこの絵にぴったりだとおもったコトバは谷川俊太郎の?大岡亜紀の?どのコトバだったでしょうか。…自分でも、忘れた(笑)
《3 コトバが生まれる》
最後にご自身のコトバを展示会場に浮かべてください。
素敵だと思うコトバにシールを貼ってください。
会期中、時々ツイッターで展示風景を紹介します。
皆様のコトバは、外の世界へ飛び立ちます。
静かな空間で、無心になってこんなことを考えるのは楽しいものだ。
震えながら戸惑いながら進む線は、一瞬にして勢力を拡大し形をも決定づけてしまう色面には敵わない。
しかし線は自由だ。行きどまれば戻ればいいこと。集まれば面にもなれるんだから。面は線になるのはなかなか大儀であろう。
無数の線が面を作り深淵な世界に鑑賞者を引き込む浜口陽三のメゾチントをまた見る。
5月8日まで
帰りは甘酒横丁を歩いて明治座前の浜町の駅から。GWなのに人は多くない。
このあともう一つ寄りたいところがあり、新宿三丁目で下車。
つづく。
アルバムはこちら
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000120542268&owner_id=2083345
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