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2022年05月05日23:51

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5/4 ボテロ展 ふくよかな魔法@Bunkamuraザ・ミュージアム

友達から株主優待券をいただく。ありがたい。ミロ展も見られたが、ボテロ展を選んだ。なぜなら、ボテロを知ったのはつい最近で、実物の作品を見たことがなかったから。画像でみた画面いっぱいに描かれた太った人物像、これがどのくらい大きな絵なのか、肌で感じてみたいと思ったのだ。大好きな芸術家の展覧会に行くのも楽しいが、未知のアーティストを知るのもまた心躍る。

https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/22_botero/
https://www.ntv.co.jp/botero2022/
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南米コロンビア出身のフェルナンド・ボテロ(1932〜)は1950年代後半から欧米で高く評価されてきたアーティスト。楽器も果実も人もまるまると描く、ボリュームを重視したデフォルメ表現が官能性を思わせる独自のスタイルで知られている。1963年にニューヨークのメトロポリタン美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》が展覧されたのと時を同じくして、ニューヨーク近代美術館(MoMA)のエントランス・ ホールにボテロの《12歳のモナ・リザ》が展示されたことによって、一躍有名になった。
 日本国内では26年ぶりの展覧会となる本展では、ボテロ本人の監修によって展示に至った全70点を見ることができる。世界初公開となる2020年制作の《モナ・リザの横顔》(2020)をはじめ、初期から近年までの油彩、水彩・素描作品など展示される作品の大半が日本初公開という注目の内容だ。
(美術手帖より)


土日祝はオンライン予約が必要、慌てて前日に取る。ランチはいつものようにロビーラウンジ、席間がゆったりして開放的なので安心。ランチサービスのコーヒーもおかわりできるし。
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時間までギャラリーの金子國義展をみる。
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12時予約入場、混んではいなかったが、人気の画家と知る。若い人が多かった。
全作品撮影可能日もあるらしいが、通常でも最後の展示室8点が撮影可能。

さて、実物を見た感想は…

どの絵もとても大きい。そして、色鮮やか(しかし思ったより柔和で優しい色合いだった)。
チラシの絵を見るとポップな印象があるが、実はそうではない。古典絵画に精通していたことを知り、それ故かと納得。
描かれているものは、人も物もでっぷりとして重量感はあるが、軽やかに感じる。ユーモラスだからかな?と思って人物の表情を見ると、目鼻口みんな小さくて無表情。むしろ泣いている絵もある。一度見たら忘れられない、実に不思議な絵だ。

1章 初期作品
現在の画風を確立していないが、魅力的

《泣く女》1949年
17歳の作品。ボリュームがあり、重量感もある。
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《バリューカスの少年(ベラスケスにならって)》1959年
何度もいうが、大きい絵なのだ。
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元となったベラスケス《バリューカスの少年》はこちら。
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2章 静物

《楽器》1998年
1956年のある日、マンドリンの胴体を太くし、サウンドホールを小さくして描いてみたら「マンドリンが爆発した!」そうな。そこから現在の画風が確立したという。
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《黄色の花》《青の花》《赤の花》2006年
3点組の作品。ひときわ大きい。「おおきい=しあわせ」の図式が頭に浮かぶ。
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《オレンジ》2008年
静物ではこの絵が一番好き。ただ丸いが、それぞれに表情を見せるオレンジ。上下半分の輪切りは不自然だが、ジューシー。ころんと斜めになったオレンジのヘタがユーモラスで、背景のみかん色とピンクのクロスが幸福感。
これを縮小して妄想お持ち帰り。
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3章 信仰の世界
1930〜40年コロンビアのメデシンにおいて、司教、修道女、司祭、枢機卿は特権的地位にあったという。ノスタルジー、風刺、ユーモア。どう理解していいのか悩むが、印象に残ることは確か。

《コロンビアの聖母》1992年
たくさんの涙を流している聖母。昭和30年代にいたようないでたちの男の子イエスは小さなコロンビアの国旗を持っている。太った天使が後ろで天幕を張る。これはコロンビアの現状を憂う風刺?
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《守護天使》2015年
眠るのはボテロ自身。覆いかぶさるようなふとっちょ天使はこうみえても守護天使。乗られたら金縛りに遭いそうだ。神々しい光はなく裸電球が鏡に映る。でも温かみある中間色がいい。
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4︎−1章 ラテンアメリカの世界
23歳でメキシコ芸術に出会ったことが、一つのターニングポイントとなる。

《通り》2000年
色がカラフルになる。大きさ比率を無視した人々が通りを行き交う。これまでもボリュームある肉体に圧倒されていたが、複数人が大画面いっぱいに描かれると、さらに圧倒。
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《寡婦》1997年画像なし
洗濯物がたくさん干された室内。母さんがトラ猫を抱いてる。横には三人の子供。母の頬には涙。コロンビア社会の代弁者として貧しい寡婦を描くという。無表情なのは、ボテロがピエロ・デラ・フランチェスカやエジプト芸術を称賛しているから。

4-2章 ドローイングと水彩
ドローイングといえどもカンヴァスは大きい。細い輪郭線は青色で柔らか、薄塗りの水彩で量感ある題材を軽やかにしている。
《カーニヴァル》は油彩も水彩もあり、その画材により量感を比較するのが面白かった。

《踊る人たち》2019年
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5章 サーカス
2006年、サーカスと出会ったボデロは、そこに慎ましさ、真正さ、ラテンの香り、悲哀、詩的魅力を感じる。

《象》2007年
ボテロの絵には動きがない、と、サーカスシリーズを見ていてはたと気づく。表情がないせいなのか、しかもそれが巨大すぎて体を持て余すからなのか。サーカスという題材は、画家たちにさまざまな想像力を与える。
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6章 変容する名画

《ピエロ・デラ・フランチェスカにならって(2点組)》1998年
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題材は「ウルビーノ公夫妻の肖像」↓イタリアルネサンスの名画だ。
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《モナ・リザの横顔》2020年
世界初公開の最新作。
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《フォルナリーナ(ラファエロにならって)》2008年
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ラファエロのはこちらフォト
ボテロのフォルナリーナの方が断然人が良さそう。

撮影可は6章の14点中8点。

外に、広島市現代美術館蔵のブロンズ《小さな鳥》1988年も特別展示。大きかった(笑)
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具象ではあるけれど、どう捉えていいかわからないボテロの作品。でも、大きな画面に、色鮮やかに描かれた、ふくよかな人やものたちを、つぎつぎと見続けていると忘れられなくなってくる。そして「こんなの、他に見たことない!」と気づく。

ボテロの言葉「芸術とは、同じことであっても、異なる方法で表す可能性である」

7月3日まで

おやつは、東急本店地階のキャピタルコーヒーで,コーヒーとミルクのミックスサンデー
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