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2021年09月16日22:23

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9/15 リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真@東京都写真美術館

宮崎学「イマドキの野生動物」を見終わり、少し時間があったので、3階の展示室で上記展覧会を駆け足で見た。

https://topmuseum.jp/contents/exhibition/index-4027.html
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東京都写真美術館では、メルボルン大学の協力を得 て、同大学教授ナタリー・キング氏との共同企画により「リバーシブルな未来 日本・オーストラリアの現代写真」展を開催いたします。
日本とオーストラリアは、それぞれ特有の歴史的背景や意識をもっています。しかしながら、想像をはるかに超える出来事が日々起こる現代では、私たちが国境を越えて共有できる経験や問題意識はますます多くなっています。このような現代の社会において、写真表現はどのような意味をもっているでしょうか。
写真は、過去や社会と密接に絡み合い、私たちの時間をゆるがし、個人の経験と社会構造をつなぐ力をもっています。本展の出品作品は、過去と未来、経験と未知、記憶と忘却、生と死など二項対立のものの間を行き来し、その循環から、新たな視座・可逆的な思考へと導いてくれます。二国の作家たちの写真・映像表現をご高覧いただくとともに、本展が私たちの未来を考察する一助となれば幸いです。

出品作家|
マレイ・クラーク
ローズマリー・ラング
ポリクセニ・パパペトロウ
ヴァル・ウェンズ
石内 都
片山真理
畠山直哉
横溝 静


知っている写真家は石内都と片山真理かな。

石内都は「ひろしま」から11点。
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広島平和記念資料館に遺された被爆者の衣類や遺品を、石内独自の手法で表現した代表的なシリーズ。戦時下、男たちは戦争に行き、女たちは慎ましやかなおしゃれで日常を送っていた。そんな彼女らの遺品は、美しく悲しく、静かに多くを語りかけてくれる。2009年目黒美術館(こちら)で見て感銘を受けたことを思い出す。

片山真理は、2018年「無垢と経験の写真」展で見た時は、写真というより空間演出がアート寄りであったことも含めて違和感があったが、今回は比較的シンプルな展示の写真だったのでじっくり鑑賞できた。
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先天的に四肢が不自由で、現在両足義足の片山氏。身体をかたどった手縫のオブジェや立体作品、装飾を施した義足を使用した個性的なセルフポートレイトは唯一無二だ。今回は、発疹を思わせる金のラメで装飾した手足の写真が印象的だった。



しかし、この展覧会を日記に残そうと思ったのは、オーストラリアの写真家ポリクセニ・パパペトロウの作品が特に気に入ったからだ。初めて知った。

《世界のはざまで》シリーズから4点。
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動物のマスクにヴィンテージの衣装をつけているのは、彼女の娘やその友達。パパペトロウは、子供を幼少期と大人の間をつなぐ特別な存在とみなし、神話や物語、もしくは彼女自身の個人的な体験をなぞり、ファンタスティックでありながら不穏な気配を併せ持つ独特な世界を作り出している。もともとこういった雰囲気の絵画作品も好きなので、かなり惹きつけられた。
もう一つのシリーズ《私の心ーまだ彼女のことでいっぱい》6点は全く違うタイプの写真だが、金と黒、または銀と黒のモノクロームのテクスチャーが素晴らしくいい。こちらも強く印象に残った。
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カンヴァスにメタリックホイルを使ってフォト・スクリーン印刷をしているという。
母と娘かな?とキャプションを読んだら、末期癌に犯されながら亡くなるギリギリまで制作したシリーズという。30年来撮りためた自身のポートレイトと娘の写真を合成し、イメージを再構成したものだそうだ。これらを制作した2018年に他界。
様々な表現方法で、自身のイメージを構築するこの作家の作品、もっともっと見てみたかったな、と思う。覚えておきたい。

10月31日まで

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