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2021年05月01日14:17

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4/16 鳥獣戯画展スピンオフ&動物めぐり@東京国立博物館

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4月16日に「国宝鳥獣戯画のすべて」展を見に行った時(こちら)、少しだけ時間と余力があったので、総合文化館で「鳥獣戯画展スピンオフ」を見ました。その日記を書いていなかったので、残念ながら休館している今だけれど、少しだけ書いてみます。
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https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2083
本特集は、特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」(平成館、4月13日〜5月30日)の関連企画として、本館特別1・2室および14室で開催するものです。京都・高山寺(こうさんじ)に伝えられた国宝「鳥獣戯画」は、擬人化した動物や人々の営みを躍動的に描き出した絵巻です。抜群の人気をほこる絵巻ですが、実のところ、主題は何か、誰が描いたのか、何のために描かれたかなどの謎はいまだ解き明かされていません。そこで、本特集では、この絵巻の主要なモチーフである動物に注目して、「鳥獣戯画」の謎に迫ってみたいと思います。
本館14室では、「鳥獣戯画」にも登場する動物たちを古今東西からお招きし、動物たちがどのような存在としてあらわされてきたのか、その表現をたどり、そのかたちに込められた意味を探ります。
本館特別1室では、「鳥獣戯画」のうち乙巻、丙巻、丁巻に焦点をあてます。この比類なき絵巻を取り巻くさまざまな作品を紹介し、「鳥獣戯画」成立の背景を探ります。また可笑(おか)しみに富んだ「鳥獣戯画」のエッセンスが、その後の作品に与えた影響をご覧いただきます。
本館特別2室では、「鳥獣戯画」四巻のなかでも特に有名な甲巻に焦点をあてます。兎や蛙、猿たちが興じている遊びや、持っている道具などに注目して、甲巻屈指の名場面をより深く知っていただくことを目指します。


混雑の平成舘と違ってこちらはガラガラ。

山崎董詮が模写した「鳥獣戯画」4巻が全部ではないがゆっくり見られる。
《甲巻》
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《乙巻》
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《丙巻》
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《丁巻》
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かなり忠実な模写。
山崎董詮(やまざきどうぜん)って誰?と調べたら、明治5年に「壬申検査」と呼ばれる宝物検査のことが出てきた。諸外国に負けない日本のお宝を探せ!と全国各地を巡った調査団が高山寺でみつけた「鳥獣戯画」。これはすごい!ってことになって、約10年後に修復がなされたという。その時に模写されたのがこれ。2015年に鳥獣戯画展が開催された時にも展示があったらしい。場面によっては用紙の都合?で一部アレンジされているらしいが、大きさも筆捌きも原本に忠実。
高山寺のは滅多にお目にかかれないから、これを巻頭から巻末まで時々展示してくれたら嬉しいな。

甲巻にまつわるものとしては

中国唐時代《藍釉兎》フォト
王侯貴族の墳墓に副葬されていた唐三彩。前足を立てて座るのは野兎の特徴(←)だそうで、野兎は鷹狩の獲物であった。太々しい面構えがいい。

月岡芳年《金時山の月》フォト
兎と蛙ならぬ、ウサギと猿の相撲

行年《亀の大弓》フォト
江戸時代に描かれた、鳥獣戯画賭弓のパロディ

中国唐時代《月宮八稜鏡》フォト
「漢時代以降、兎と蛙は生死を司る神・西王母のもとで不死の仙薬を搗く役でした。また、ある女性がその仙薬を盗み月に逃げたという伝承、さらには蛙を月の精とする考えもあり、これらがあいまって兎と蛙が仙薬を搗くという情景に仕上がったようです。」日本では蛙が脱落、仙薬でなく餅になったのは何時頃かしら。

《年中行事絵巻(模本)》
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「平安時代の終わり頃に作られた、京都で行われるお祭りなど描いた作品です。ある祭の飾り物には、鳥獣戯画でもみられる兎、猿、蛙の姿がフィギュアのように乗っています。鳥獣戯画の表現が当時の人びとにもなじみあるものだったことがわかります」


こんなミニチュア、どんな時代も楽しいよね。

乙巻にまつわるものとしては

吉田静峯模、森田亀太郎彩色《獣形帽額縮図》
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「元日の儀式や即位礼の際に大極殿や紫宸殿にかけられた刺繍の幕で、中央の日輪に向かって、12組の瑞獣が駆け寄る図案となっています。…鳥獣戯画乙巻などの背景に、こうした動物モチーフの蓄積があったと考えられます。」
獅子、麒麟、虎、山羊、龍、鳳凰…あとは何かな。

丁巻にまつわるものとしては

《勝絵(模本)》
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大人気?の放屁合戦。この原本も鳥羽僧正覚猷筆と伝えられてるとか。


このほか、常設作品のあちこちに「動物めぐり」の札がつき、特別展関連として楽しめる。

その中で気に入ったものふたつ。

《弁才天坐像》フォト
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とぐろを巻いた蛇の体に老人の顔をつける宇賀神を、頭上にいただく弁才天。宇賀神は食物の神様。宇賀神が制作当初のまま残る最古の作例。

《狂言面 狐》フォト
「「鳥獣戯画」甲巻の動物がまるで人のように振る舞うのとは逆に、人は面をかぶることによって人とは別の存在になることができます。」狂言「釣狐」で使用する面、こんな顔の人、いないでもない??


「鳥獣戯画展」、早い再開を祈ります。


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