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2020年10月26日15:38

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10/25 LNGパディントンべアと桃山 天下人の100年〈その1〉@東博


子供の頃、アトムよりミッキーマウスよりムーミンより好きだったキャラクターがくまのパディントンだった。

ロンドンナショナルギャラリー展のミュージアムショップでゴッホのひまわりを持ったパディントンが売られていたが、私が行った時はあいにく品切れ。どうも人気らしく、入荷しては品切れになる。欲しかったのに、と日記に書いたら、毎週のように上野に行くマイミクさんが買っておいてくれた。ありがたや。
すぐに受け取れればよかったんだけれど、ぐずぐずしているうちに入院手術となってしまった。買っておいてくれたのは夏だったのにね。すみません。



それで昨日、ちょうど「桃山 天下人の100年」展を東博に観るのをダシにようやく会うことにして、めでたく受け取ることができました。ああ、やっぱりかわいい、パディントンLOVE


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さて、桃山展。
評判頗るよく、とても短時間では見切れないほどの充実ぶりだとか。前期には《洛中洛外図屏風(上杉本)》と岩佐又兵衛の《豊国祭礼図屏風》があり、その細かさたるや、思い切り時間と集中力を取られそう。まだ体力回復していないので最後まで観覧できるか不安。
夫も行きたがっていた展覧会なので、再訪するとして、今回は前期展示作品を中心に見ることとした。知識不足の甲冑と刀剣はパス(夫が好きそうだ)、茶湯もさらっと。



で、幸いにも、同行のマイミクさんが、洛中洛外図などの風俗画に殊の外詳しい。いろいろ解説してもらった。ありがとうございました!おかげさまで楽しかったです。


そもそも京都中の名所が六曲一双の屏風にぎっしりと描いてあり、当時の京都人口の4人に1人が描かれているわけだから、単眼鏡でぼーっと追うだけでいつもいっぱいっぱい。絵師の遊び心が所々に発揮されていて、くすっと笑える場面やこれから起こる物語を感じさせる場面をポイントで紹介してもらうと楽しさも倍増。

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1時半前に入り、途中休憩を挟んで気づけば4時半、本館は平成館へ抜けるための「近代」をチラとみただけで慌てて帰宅。歩数計は9000歩、まだ退院1ヶ月経っていないのにちょっと飛ばしすぎて痛タタタ。
やはりこの展覧会、ポイントを絞って何回かに分けて行くが良し。ただし、普通に入れば2400円とお高い、そう何度も足を運べないね。それゆえか、日曜日というのに混んではいなかった。日時指定予約も数日前で選び放題でした。
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https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=2043

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/momoyama2020/

政治史における安土桃山時代は、1573年の室町幕府の滅亡から1603年の江戸幕府開府までの30年間をさします。この30年間に花開いた、日本美術史上もっとも豪壮で華麗な「桃山美術」を中心に、室町時代末期から江戸時代初期にかけて移り変わる日本人の美意識を数々の名品によってご紹介します。
戦国の幕開けを象徴する鉄砲伝来が1543年、島原の乱鎮圧の翌年、ポルトガル船の入国を禁止し、鎖国が行われたのが1639年。豊臣秀吉が北条氏を滅ぼし天下統一を果たした1590年が、その100年間のほぼ中間地点といえます。安土桃山時代を中心として、日本は中世から近世へ、戦国武将が争う下剋上の時代から、江戸幕府による平和な治世へと移り変わります。本展は、室町時代末期から江戸時代初期にかけての激動の時代に生まれた美術を概観し、美術史上「桃山時代」として語られるその美術の特質を、約230件の優品によってご覧いただこうというものです。
激動の時代に、「日本人」がどう生き、どのように文化が形作られていったのか、約100年間の美術作品を一堂に集め概観することで、日本美術史のなかでも特筆される変革の時代の「心と形」を考える展覧会です。

A桃山の精髄〜天下人の造形
B変革期の100年〜室町から江戸へ
C桃山前夜〜戦国の美
D茶湯の大成〜利久から織部へ
E桃山の成熟〜 豪壮から瀟洒へ
F武将の装い〜刀剣と甲冑
G泰平の世へ〜再編される権力の美





会場入ってすぐにお出迎えが《銀伊予札白糸威胴丸具足》フォト
掴み上々!秀吉が伊達政宗に与えた鎧兜だそう。


鎧兜は今回飛ばしてしまったが、もう一つ目に止まったのがこちら
《黒韋肩赤威鎧》フォト
大内義隆が厳島神社に奉納した鎧で、画像はそれを模写したものだが、胴の龍がお茶目で素敵。

さてここから《洛中洛外図屏風》が並ぶ。
一つは《歴博甲本》フォト
最古の洛中洛外図だ

もう一つは、《上杉家本》フォト
米沢の上杉博物館所蔵。先日見たニューヨークポップアートの後藤克芳氏の作品も全てここ所蔵だったので、そのギャップが大きい(笑)織田信長が上杉謙信に送ったと伝来のものということだから、当然か。1985年に米沢に旅行している。当時上杉記念館にはいっているが博物館には行っていない。どうやらまだできていなかったようだ。
こちらは織田信長お気に入りの絵師狩野永徳筆。いやはや細かい!
マイミクさんの解説で、清水寺、三十三間堂から始まってバーチャル京都旅行をする。学生時代と1990年代前半にはよく京都に行ったが、もう20年以上行っていない。また行きたいなぁ。

祇園祭りの山鉾を確認したり、上杉謙信の行列や将軍の姿を探したり、庶民の生き生きした姿に笑ったり。これはいくら時間があっても足りない。



さらに解説いただいたのが、岩佐又兵衛《豊国祭礼図屏風》
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岩佐又兵衛といえば「名作誕生」展で見た《洛中洛外図(船木本)》が記憶に新しいが、これまたクラクラする描き込み様。秀吉七回忌の追善供養の祭礼に皆が沸きかえっている様子だが、これも私の様にボーッとしていると気付かぬところ多々。
舞踊を、大明神となって眺めている故秀吉がいたり、御簾の内側でなぜか泣き伏している人々がいたり、武士に助けを乞うている童がいたり、又兵衛本人と思われる人物がいたり…秀吉亡き後訪れる太平の世の裏で、これは何?どいういう意味?の一捻りありそうな場面集。



それから今回の見所はなんといっても、ライバル等伯と永徳の競演。壁一面の連なったケースに永徳、等伯、等伯が並ぶ。


狩野永徳《檜図屏風》四曲一双フォト

長谷川等伯《松林図屏風》六曲一双フォト

長谷川等伯《楓図壁貼付》四面 フォト

《檜図屏風》は屏風に仕立てられているが、立てずに壁かけにして、等伯の《楓図」と呼応させている。彩色ー墨色ー彩色、動ー静ー動、、、、檜図は画面いっぱいにうねる幹が荒々しく、一方の松林図は靄の中に浮かび、楓図はまた幹をうねらせて華麗だ。この展示方法に鳥肌が立った。もし人の頭が遮らないまま下がって見渡せたらどんなにいいだろう。平日にトライしたい。

《洛中洛外図》と《檜図》、どちらも狩野永徳、同じ人とは思えない。そしてこれも。とても華麗、金雲盛り上げが見事。
伝狩野永徳《四季花鳥図屏風》フォト

所蔵は白鶴美術館。神戸灘にある白鶴酒造の美術館だそうだが、行ってみたいなぁ。
この作品も。美しかった。
土佐光吉《源氏物語手鑑》フォト

充実していたのが狩野山楽
《狩猟図》フォト
画像はないが《韃靼人狩猟図屏風》の、人と犬が獣を追い詰める際の緊迫感が見事で、見入ってしまった。


《紅梅図襖》大覚寺フォト

《牡丹図襖》大覚寺フォト

《藤に草花図襖》天球院フォト

《竹林虎図襖》天球院フォト

デザイン的にもカッコ良くて、まるで琳派

。
琳派といえば
書・本阿弥光悦 絵・俵屋宗達《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》
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連続写真の様に優雅に右から左へ飛んでゆく鶴、字は読むものでなく観るものという様な縦に流れる文字、金と銀と墨の美しさ。裏にはかわいい蝶々。「この展覧会のなかで一つだけあげる」といわれたら、今回はこれが欲しい。

海北友松《飲中八仙図屏風》フォト
見たかった海北友松。後期もまた1点でる。

虎好きとしてはこちらも気になる。
曾我直庵《龍虎図屏風》


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そして、この屏風も忘れてはならない
国宝 狩野長信《花下遊楽図屏風》
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一部は関東大震災の時に失われている。ラウンジに復元模写が飾ってあった。次回撮ってこよう。



最後に2点。一つ、付け足しの様になってしまったが、桃山時代といえば南蛮との交易。
教科書で見たザビエル像の本物がここに。

《聖フランシスコ・ザビエル像》フォト

《花鳥蒔絵螺鈿聖龕》フォト

西洋のマリア像を日本の螺鈿と蒔絵で飾る東西融合の傑作。美しくていくら見ていても飽きない。

もうひとつ、茶湯関係は時間の関係でほとんど見なかったが、足が止まってしまったのはこちらの2点
《織部松皮菱形手鉢》フォト 
織部は結構好きだけれど、これまたかわいい。

《赤楽茶碗 銘僧正》フォト
色がいい。そして小さな色紙型の模様もおしゃれ。


他にもたくさんあったはず、蒔絵工芸も今度はじっくり見てこよう。〈その2〉を乞うご期待。次回は常設も見られるかなぁ…鍛えなくちゃ
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11月29日まで

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