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2020年07月26日17:14

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7/24 拡張リニューアル・オープン 会館25周年記念 帰ってきた!どうぶつ大行進@千葉市美術館



7月11日にリニューアル・オープンの千葉市美術館、口開けは「ジャポニズムー世界を魅了した浮世絵展」の予定がコロナ禍で延期、そのおかげ?で所蔵品のなかから動物モノ大放出の企画が誕生?
「帰ってきた!」というのは8年前に同じタイトル企画があったそうで、私はそれを見ていない。だって、千葉市美術館は遠いんだもん。いつも涙を飲んで諦めて、過去行ったのは「赤瀬川原平展」(最中にご逝去された)と「ちたばし美術館展」の2回のみ。
コロナ感染拡大の折ではあるが、このまま様子を見ているとまた行かれなくなりそうなので意を決した。駅ビルランチもせず、美術館往復のみに徹し、濃厚接触者ゼロを心がける。


事前予約不要、検温なし、消毒のみだが空いているのでよし、か。最初の方では、おしゃべりグループが多く閉口(係員が全く注意してくれない)したが、点数が多いのでしだいにばらけて、後半は静かに鑑賞できた。
見どころ多くて、本展のみで2時間半かかり、ランチ含め美術館滞在時間は4時間余。その他のことは、こちらの日記に書きましたのでご覧ください。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976412600&owner_id=2083345

本日記では、上記展覧会をご紹介〜♪

https://www.ccma-net.jp/exhibitions/special/life-of-animals-life-with-animals/
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千葉市美術館は1995年の開館以来、約3,000件(約10,000点)にのぼる美術作品や資料を保管しながら、企画展や所蔵作品展を通じその魅力を広く発信してきました。開館25周年を迎える本年、千葉市中央区役所との複合施設であった千葉市美術館は、区役所の移転に伴い全館が美術館となる改修工事を経て、拡張リニューアルオープンいたします。
第1弾の企画展となる本展では、コレクションを幅広くご覧いただけるテーマとして、動物表現を取り上げます。
日本美術には古来実に多くの動物たちが表わされてきました。それは動物との暮らしの中での具体的な関わり合いの様子だけでなく、畏敬し、愛しむ、人々のさまざまな感情を伝えてくれます。動物たちと、そして多様な生きもののいる自然と共に生きてきた日本の姿が、美術の中によく示されているのです。
千葉市美術館では8年前の夏、「どうぶつ大行進」展を開催しました。館内を動物の姿を探して人々がまさに大行進、大いにお楽しみいただきました。今回は、その後コレクションに加わった作品も多数交え、構成を大きく変えてバージョンアップ。江戸時代の絵画や版画を中心に、室町時代から昭和まで、古今の多彩な動物イメージが溢れます。今こそ見たい、麒麟など霊獣の姿や、疫病破邪の生きもの表現までも広く含めて、展示総数約230点。はじめましての皆様はもちろん、あの夏を思い出した皆様も、また本物に出会う時間を夢見るお久しぶりの皆様も、新しくふくらむ!千葉市美術館にどうぞご期待下さい。
 
はじめに いま、どうぶつ展はじまる
病退散! 鍾馗大集合! 疫病破邪の生きもの表現 (鬼退治のものがたり)
1章 あつまれ!どうぶつ大行進 江戸のくらしとどうぶつたち −−400年の昔から、共に生きてきた
2章 十二支のどうぶつ
3章 麒麟はまだか!? 霊獣——想像上のどうぶつたち
4章 ものがたるどうぶつたち
5章 象がきた! 異国のどうぶつへのまなざし
6章 学ぶ、遊ぶ、なりきる
7章 版画どうぶつ園に行こう! −−版の表現いろいろ
8章 虫たちの小さな世界を描くわけ
9章 白い鳥、黒い鳥、色トリどり −−花と鳥の楽園
10章 水のいきもの −−魚と貝の詩的世界
おわりに もっと! どうぶつ大行進 −−むかしもいまも人気者


とにかく多い!江戸絵画が中心だが、唐突に近現代作家の作品が展示されたりする。章立ての意図はわからなくはないが、時系列でもなく、動物の種類で区切ってもいないので、何かを勉強するつもりで見ていると混乱。まあ順序立てて観るものではないのだろう。1点1点の動物、動物表現を楽しめればそれでよし。展覧会としてのまとまりなんかいらないさ、と、お釈迦様の涅槃に急ぐ多種多様な動物たちの大行進を想像。



この作品いいな、千葉が持っていてすごいな!と思うと大抵が旧ピーター・ドラッカー山荘コレクションだ。日本贔屓の有名な経営学者で社会生態学者のピーター・ドラッカー氏のコレクションが千葉市美術館に寄託されているのである。

狩野探幽《波に兎図》
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ドラッカー氏の最後の蒐集品だという。「日本は動物画においておそらく世界一」と言わしめているが、この作品はじめ、若冲や応挙、北斎や国芳なんかを見ていると然もありなんと思う。
伝宮本二天《烏図》も素晴らしく、もし武蔵真筆なら大変だ。
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尾形光琳《柳鷺図》もドラッガーコレクション

これに並んでいたのが、鈴木其一《柳椿白鷺・水葵白鷺図》の双幅で心憎い演出。こちらは嬉遊会コレクションだという。千葉県在住の美術愛好家たちのコレクションだそうだ。

子供が金魚を手掴みしている鈴木春信《浴後の母子図》や目つき悪い三毛猫と黒猫の渡辺小華《牡丹花下戯猫図》や橋本関雪《老松栗鼠図》もよかった。



そして、千葉美術館のコレクションといえば、岡本秋暉。以前孔雀図オンパレードにクラクラしてしまった。今回もまた見られて嬉しい。

《孔雀図》
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《白閑鳥・金鶏鳥図》フォト
これらは摘水軒記念文化振興財団寄託だ。
所蔵品をあちこちの展覧会に貸し出しているようで、最近では板橋、府中、松濤などでお目にかかっている。

今回もこのほか、白鷹、雲龍、蓮池遊漁、鶴など美しく精緻な絵が並ぶ。

眼福。

そして、動物ではないけれど、今回コロナ禍を受けて、序章「病退散! 鍾馗大集合! 疫病破邪の生きもの表現 (鬼退治のものがたり)」にも《朱鍾馗図》が。
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46歳時の筆。
鍾馗といえば仙崖義梵の鍾馗さまには、一刀両断、鬼の真っ二つ胴体に笑う。
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こちらはドラッガーコレクションだ。

このセクションでは、桃太郎が郷土玩具の雉子、犬、猿をしたがえている浮世絵や石井林響のゆる〜い鍾馗さまもあって、「疫病退散展」もできるんじゃないかと思う。



石井林響のコレクションが多いのも千葉美。晩年大網白里に居を構えた縁か。自由闊達で飄々とした作風が楽しくていい。
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メインビジュアルになった《王者の瑞》(画像は右隻)は、想像の動物麒麟をテーマに、当時入ったばかりの上野博物館内のキリンの剥製を写生して描いたらしい。青い斑点、尻尾や関節から生えた炎のような毛、金色の鋭い目、、、インパクトあるなぁ。



想像上の動物セクションも面白かったが、異国の動物たちにはちょっと複雑な思いだ。絵師たちは初めて見た、珍奇な舶来動物を夢中になって描いたのだろう。
伊藤若冲《鸚鵡図》フォト
バージョン違いを何処かの展覧会で見た記憶が。止まり木がエキゾチック。
森一鳳《象図屏風》フォト
縁絵もエキゾチックに凝っている。象は大きくて不思議な形をしていて大人気。目が優しいのもその穏やかな性質が愛されたのかな
でも享保の象は、長崎上陸後は京都へ、そして将軍ご高覧のため江戸まで連れて行かれ、拝謁後は不要となって民間に払い下げ、見せ物となったが、飢餓と寒さで死んだらしい。酷い飼育環境、なんと可哀想なことよ…

山本梅逸《豹図》
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1830年作だが、この豹もまた名古屋城下で見せ物にされ、毛は獣除けのお守りとして売られたらしいが、程なく殺されたそうな。いずれも飼育法がわからず、持て余したのだろう。人間の犠牲、悲しい。



小林清親《獅子図屏風》フォト
哀愁あるリアルライオン、やっと実物にまみえました!ライオンは曲芸として日本に入ったのは明治19年、動物園には明治35年のことだから、清親は生ライオンを写生したはずはない…一体何を手本として描いたのでしょうか。気になる。



やはり異国の動物には物悲しさを感じてしまうなぁ。その点昔から身近にあった犬や猫は安心して見られる。

渓斎英泉《秋葉常夜燈》フォト
コロコロ子犬は可愛い。
比して、野犬は怖いよね。
歌川国芳《東都名所両国柳ばし》フォト
渓斎英泉の所蔵品も多かった。充実。



司馬江漢の洋風風景画には犬登場を別バージョンで見たことがあり、小林清親の《猫と提灯》も珍しくないが、猫派なのでやはり貼っておこう。
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高橋弘明《猫》フォト

長谷川潔《窓辺の猫》フォト



そろそろ疲れてきたのに、動物だけでなく、水の生き物や虫まで登場。しかし面白いので通り過ぎることができない。

藤田嗣治が帰仏前に描いた席画が秀逸で、白い屏風に筆でさらさらっと魚貝を描いたものだが、こなれた文人画そのものにびっくりした。

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森春渓《春渓画譜》のガマガエルの表情はまるで人のよう。



三熊花顛(かてん)《群蝶図巻》フォト
あまりにも細かくて気持ち悪いほどだった、とても印象的な絵だったが、「近世畸人伝」という本の挿絵を描いた人だと知ってびっくり。友人から現代語訳を頼まれている本、積読になっている、、、まずい、、、。



もひとつ大発見だったのが、こっくりさん。漢字で書くと「狐狗狸」、つまり狐と犬と狸を三味線で踊らせて占う占いが語源だという!

太郎坊政信《当時流行こっくりさん》フォト

長くなったので、切り上げるが、大御所の逸品もたくさんある。そうか初代館長は奇想の系譜の辻惟雄氏だもの。



曾我蕭白《獅子虎図屏風》フォト

酒井抱一《老子図》
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中村芳中《鹿図》フォト
唖然とした顔…。

森狙仙《月下猿図》フォト
考える猿…。

長澤蘆雪《花鳥蟲獣図巻》(一部)フォト
雀も登場


田中一村《赤翡翠(アカショウヒン)》フォト
年末年始に田中一村展がある。前回見逃したので、今年はぜひ行きたいな。



9月6日まで。

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