mixiユーザー(id:2083345)

2020年07月09日17:41

364 view

7/8 きもの展@東京国立博物館平成館


こちらも会期が4/14~6/7だったのが、6/30~8/24に変更、中止にならなかったのは展示品の多くが東博所蔵だったのが幸いしたのか、でも保管・管理が難しい布地作品を展示会期変更するのは大変だったろうと察する。
米国ボストン美、メトロポリタン美所蔵の作品は来日できず。大半が浮世絵だったので影響なし。


完全オンライン事前予約制。入場は30分ごと。
ファッション・宝飾系の美術展はあまり興味なく、予約してまでいかない予定だったが、マイミクさんが二人分予約を取り、誘ってくれた。快諾。やはり久しぶりの東博はテンション上がる。



13時〜13時半入場枠だったので、11時15分駅で待ち合わせ、公園内のレストランでゆっくり昼食。いつもは混んで並んでいるがガラガラ。お会計はセルフレジ。

本館の2階の高円宮根付コレクションと日本美術の流れだけみて1時に平成館へ。
フォト フォト
展示室はいつものようにミュージアムショップを真ん中に左右に第1会場、第2会場にわかれるのだが、混雑回避のために第2会場から見るように促さられた。どうやら音声ガイドを借りた人は第1会場から順に見られるらしい。ううむ、時系列に見ないと頭が混乱するのだ(涙)


立て札には、ショップでの買い物含めできるだけ90分で退場するようにとのお達し。第5章の現代着物はほぼ通り過ぎたし、全体としても随分さらっと見たつもりであったが、なにぶん盛り沢山、申し訳ないが2時間超かかってしまった。


今年の一押しはLNG展だと思っていたので、事前予約制といえども混雑は西洋美術館が一番だろうと踏んでいたが、豈図らんや、かなりの密。すこし待たないと最前列で見られない展示も多い。
そして95%以上が女性客!気合の入った和服姿で連れ立ってみえる方も多く(目の保養になりました)、その道の関係者なのでしょう、熱心に鑑賞、、、、そうか、今回の展覧会、かなり貴重なコレクション展なのねと改めて思い知る次第。


フォト
全体的に展示方法がよく工夫されて立体的。時系列に見たら、着物の発展と流行、それから身分職業によっての違い、がよくわかる(逆だったので、頭で立て直さねばならないが)。

点数が多い、火消し半纏やモダンな銘仙の展示も飽きさせない工夫がなされていたように思う。


小袖を貼り付けて作った屏風や着物の柄を殊の外細かく描いた美人図を見るにつけ、着物は単なる「着るもの」「ファッション」ではないということを痛感。身につけて見せる「芸術品」「工芸品」なのですね。故に、主のいない《誰が袖図屏風》が描かれたのも納得。


展示には、印籠、根付、帯留め(「五輪」の帯留めもあった!)、髪飾りまであり盛り沢山。特に太夫の髪飾り一式が欠かさず残っているのにもびっくり。


一番最後のXJAPN YOSHIKIデザインの着物はいらないんじゃない?と興味ない私は不満に思ったのだが、これには帰宅後HPを見て納得。

江戸時代、二代将軍徳川秀忠の娘和子(まさこ)さまは後水尾天皇に入内、京の高級呉服商「雁金屋」をご贔屓に当時のファッションリーダーとなった。華やかな江戸小袖文化を作り上げたのが雁金屋と和子ということになるが、江戸のデザイン界をリードした尾形光琳の生家がその雁金屋だという。光琳ブランドの着物は大人気で、浮世絵にもたくさん描かれており、光琳直筆の「小袖 白綾地秋草模様」は今回展示の目玉で、複製品も作られている。

フォト フォト
YOSHIKIもまた実は呉服屋の息子だそう。東博としては、ここに引っ掛けたわけね!そういえば、会場には今風アレンジ和服の若い女の子も来ていた。それはそれで可愛かったよ。

最近思うのだが、素晴らしい芸術だけが後世に残るかどうかではなくて、こういうものがあったと時代を残すのもまた十分に大切なことだと。最近、災害や経済的価値観の変遷で消滅してしまうものがあまりにも多いので、そんな風に考えたりしています。

https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1987

https://kimonoten2020.exhibit.jp/index.html
フォト
日本の美意識を色と模様に表わした「きもの」。その原型である小袖(こそで)は、室町時代後期より、染や刺繡、金銀の摺箔(すりはく)などで模様を表わし、表着(おもてぎ)として花開きました。きものは、現代に至るまで多様に展開しながら成長し続ける日本独自の美の世界を体現しています。
本展では、信長・秀吉・家康・篤姫など歴史上の著名人が着用したきものや、尾形光琳(おがたこうりん)直筆の小袖に加え、きものが描かれた国宝の絵画作品、 さらに現代デザイナーによるきものなど約300件の作品を一堂に展示。800年以上を生き抜き、今なお新たなファッション・シーンを繰り広げる「きもの」を、現代を生きる日本文化の象徴として展覧し、その過去・現在・未来を見つめる機会とします。

序章
第1章 モードの誕生

1−1豊臣政権から徳川政権へー安土桃山・慶長期のモード

《縫箔 白練緯地四季草花四替模様》フォト

4分割がかっこいい

《圓智院妙浄像》
フォト
表装裂にも本人の小袖を用いているらしい。着物は分身。

1−2憂き世から浮世へー元和・寛永期のモード


第2章 京モード 江戸モード

2−1小袖模様の革命ー寛文期のモード


《邸内遊楽図屏風》
フォト

カルタ遊び、一気飲み、舞い、湯屋…ちょっと不良な若者が楽しそう。そうそういつの世もこうした遊び人がファッションを作る。

《小袖 黒綸子地波鴛鴦模様》
フォト
大胆で躍動感あふれる絵柄。町方のかっこよさ!



フォト

2−2「伊達」を競うー元禄期のモード

《振袖 白絖地若紫紅葉竹矢来模様》フォト
源氏物語「若紫」の文字。元禄時代のスカジャン、とはマイミクさんの言(笑)


江戸時代には、小袖の雛形本が多数出版された。現代のファッション誌にあたるが、この振袖も本に登場。


菱川師宣《見返り美人》フォト
師房は師宣の息子、同じ《見返り美人図》は見返り方が逆。着物は源氏物語の場面集
フォト

西川祐信《柱時計美人図》フォト
最先端の時計と流行の着物とヘアスタイル

2−3台頭する染模様ー友禅染の時代
宮川長春《遊女聞香図》フォト
この着物の実物も見てみたい

《振袖 紅紋縮緬地束熨斗模様》フォト
見事な友禅染め。ロックフェラーが友禅史会に寄贈したんだって。

「の」と読むいろんな文字と、疫病・悪鬼を絡めとって運び去る花笠を描いた小袖、茶の縮緬に小さな人物をあちこちに刺繍をした吉原図の小袖などは単眼鏡が大活躍。

2−4光琳模様ー「光琳」ブランドの流行
《小袖 白綾地秋草模様》フォト
光琳直筆。なるほど帯部分には柄がかからないのね。

2−5江戸のミニマリズム

2−6「いき」の美ー町家のよそおい

これまでの華やかな地色と一変して、茶や鼠の着物。でもそれがまたすごくおしゃれ。なかでも北斎描くような波しぶきに裏を見れば千鳥模様の縮緬振袖がお気に入り。赤の襦袢と合わせると粋


磯田湖龍斎《美人愛猫図》フォト
ご存知女三宮の見立て

2−7贅美を尽くすー豪商・太夫のよそおい
《太夫打掛・丸帯》フォト
置屋「輪違屋」の襖をバックに。
ここで第1会場出口。

2−8格式の美ー大奥のよそおい
篤姫さまゆかりの打掛け、帷子、小袖がまあ重厚で華やかで見事なこと。モチーフは竹に雀と可愛いのだが。

第3章 男の美学

3−1サムライの美学


3−2「若衆風」ファッションー友禅染振袖

3−3「つう」の美学ー下着

3−4江戸っ子の「いき」ー火消し半纏と国芳ファッション


《火消半纏 紺木綿地人物模様》フォト
火消し半纏が11点と充実!歌川国芳の錦絵がそのまま半纏に描かれているものもあって、両方並べての展示は興味深い。
前にドクロ、背中には知盛の亡霊の船弁慶の半纏にはぞくっとした。
フォト

3−5男性のお洒落小物ー印籠・根付・煙草入・煙管

第4章 モダニズムきもの(明治・大正・昭和初期)

4−1モードのデモクラシー

《振袖 淡紅綸子地宮殿模様》フォト
中でも目を引いたのがこの着物。昭和期のものらしいがどんな人が着たのでしょう。
フォト

このコーナーでは、大正、昭和期の着物のコーディネイトをマネキンでずらっと展示、それと、殖産興業で沢山出た屑繭屑糸から作られた銘仙の数々を展示。ポップな図案もあって面白い。そうそう、竹久夢二も随分とデザインしていたな。量の多さにもうクラクラ。
だけれど、実は私が一番面白かったのは
高畠華宵《移りゆく姿》6曲1双の屏風フォト
当時の老若さまざまな女性のモードが春夏秋冬で描かれている。ちょっと密になりかけたので離れたが、もっとじっくりみたかった。
フォト フォト

フォト フォト

フォト

4−2 モダン・デザイン・コレクション

第5章 KIMINOの現在

5−1TAROきもの

5−2久保田一竹のインスタレーション

5−3人間国宝に見る伝統と革新

森口邦彦《友禅訪問着 白地位相割付文 「実り」》
フォト
ご存知三越伊勢丹の新包装。以前の三越は猪熊弦一郎デザインでしたね。

5−4YOSHIKIMONO


8月23日まで
18 21

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年07月>
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031