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2020年06月30日21:36

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6/28 ピーター・ドイク展＆MOMATコレクション、北脇昇＠東京国立近代美術館

チラシを手にしたのは随分と前、全く知らない画家だったが、メインビジュアル《ガストホーフ・ツァ・ルムデンタールシュベレ》↓に魅せられた。  一見ルソーのようにリリカル、でもじわじわ迫りくるムンクのような不穏な雰囲気、奥行きがあるのかないのか、ゴッホのような星空…

そうか、この《ポート・オブ・スペインの雨》↑の作者だったのか、オレンジのライオンと黄色い建物、消えかかっているような人、全然状況がわからぬすごく不思議な絵で、どこかで見たままずっと引っかかっていた。これなら見に行こう。

  ところが、この展覧会もご多分に漏れず、コロナ禍で開幕できず。6/12で会期終了なのに開幕すらしない、と、気を揉んでいたら、6/12開幕、10/11までの会期となった。関係者さまのご尽力に感謝いたします。

  ここもネットで事前日時予約制。チケットある人は自由入場。神田日勝展と同じ方式だ。チケットは金券ショップで購入済み。近美では「激混み」を経験したことがないので、自由入場で制限されることはないだろうと日曜日に出かけました。  

６月に入ってから６箇所目の展覧会だったが、その中では一番人が入っていた。でも一つの作品自体がとてつもなくでかいのでソーシャルディスタンスは余裕に取れる。ソファを排除した会場が多かった中で、ここでは合板のベンチを多数用意。大きな作品を真正面から座って見られるゆとり感は最高。 

 https://www.momat.go.jp/am/exhibition/peterdoig/
ピーター・ドイグ（1959-）は、ロマンティックかつミステリアスな風景を描く画家です。今日、世界で最も重要なアーティストのひとりと言われています。
彼は、ゴーギャン、ゴッホ、マティス、ムンクといった近代画家の作品の構図やモチーフ、映画のワンシーンや広告グラフィック、自らが暮らしたカナダやトリニダード・トバゴの風景など、多様なイメージを組み合わせて絵画を制作してきました。私たちが彼の作品に不思議と魅せられるのは、どこかで見たことのあるようなイメージを用いながらも、全く見たことのない世界を見せてくれるからだと言えるでしょう。本展は、ピーター・ドイグの初期作から最新作までを紹介する待望の日本初個展です。絵画から広がる想像の旅へみなさんをお連れします。
第1章　森の奥へ　1986~2002年
第2章　海辺で　2002年～
 第3章スタジオの中でーコミュニティとしてのスタジオフィルムクラブ 2003年～

  ほとんどが２m×３mもある大型の油彩画。 リリカル、シニカル、シュールがないまぜの不思議な世界、不可思議な遠近感や既視感。不安を煽るような部分に目がとまって、そこに落ち込む寸前に、サラリとかわされてしまうような、あっさり感もある。  
ハマる人には、この世界観はハマるだろう。だけれど、残念なことに私はハマれなかった。嫌いと言うのではない、嫌いでもハマるものはハマる。もしこの絵がこんなに巨大でなく、寝室に飾れるような小さな絵だったら…と想像して見てもしっくりこない。観覧者は若い人が多い。私の感性がすでにおばさんなのか。だから今回の感想記は短め、すみません。

アルバムには、（愚直にも）全作品を載せたので、ご興味ある方はどうぞ。
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000107033641&owner_id=2083345  

ただ、すごく惹かれる絵もあった。ここに紹介しておこう。 

《天の川》

《エコー湖》

《ロードハウス》

《コンクリート・キャビンⅡ》

ル・コルビュジエが建てたビル

《ラペイズールの壁》

《馬と騎手》

  1時間ほどで見終えて常設展へ。
MOMATコレクション
https://www.momat.go.jp/am/exhibition/permanent20200616/

 ハイライト１作目が植田正治の《カコとミミの世界》

すばらしい！  

近美工芸館は金沢に移転。その最後を飾る展覧会はコロナ禍で会期を全うできなかった。１月に見にいくことができてラッキーでした。（こちら）  

美しい青の二点  、ガラスと陶器　

四十雀や小鳥の雛を見つけるのも楽しい  

リヒターの絵もオキーフの絵も惹きつける力が大きい  

版画コーナーでは小原古邨（祥邨）特集。いくらみていても見飽きない。時節柄紫陽花や金魚がとくにいいね。当時はまだなかった品種なのかしら、先が丸まったウズアジサイを描いて欲しい。

先日見に行った神田日勝は海老原喜之助に影響を受けていた。そのことを思い出し、鑑賞。

日本画コーナーでは、菊池契月《鉄奨蜻蛉》

  竹内栖鳳《宿鴨宿鴉》　

筆の先でちょちょっと描いている鴨と鴉、すごい！

ドーム兄弟といえば、ジャポニズにだが、激しい驟雨と大気表現が見事　　　

新所蔵の杉本洋《The secret tower》

 一見メルヘンの絵画かと思ったら、左上方に無数飛んでいるのは、トンボじゃなくて戦闘機。ギャップに驚く  　

所蔵品企画「北脇昇　一粒の種に宇宙を視る」

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
いつも戦争画のコーナーにある北脇氏の絵。紅葉の種子をヘリコプターに見立てたシュールな戦争画しか知らなかったが、まとまってみると面白い。が、数学や自然科学、古代中国の易などをふまえたシュールレアリスム絵画は、疲れた頭にはかなり難しく、キャパ越えでした。ざんねん。 もし、ご興味ある人がいらしたら、最初にここを見て、ピーター・ドイクに映ることをお勧めです。