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2020年03月21日21:50

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3/20 開館記念展 見えてくる光景 コレクションの現在地@アーティゾン美術館



石橋財団ブリヂストン美術館は昔よく気軽に行った。所蔵品は教科書で有名な絵を含めて逸品揃いだし、広さ的にも疲れなくてちょうどいい。
mixiを始めてからは、2007年9月と11月、2009年6月、2013年12月、4回行っている。
すぐ近くのペインクリニックに通い始めた頃に休館、ビル建て替えの大規模改修工事が始められ、今年いよいよ完成お披露目となった。名称も変更して「アーティゾン美術館」、休館中に蒐集した新所蔵品も多数公開の開館記念展だ。通院するたびに建設中のビルを見上げてものすごく楽しみにしていた。

んがっ、この度のコロナウイルス感染拡大防止で、3月3日から臨時休館に突入!他の美術館が軒並み開催中の展覧会が強制閉幕を決断したのでハラハラ。
しかし、このアーティゾン、ゆったりと鑑賞してもらいたいという理念で、入館を日時指定予約制としたのが功を奏し、ウイルス感染拡大防止対策OKということで、再び開催される運びとなった。拍手!ネットで予約と言う高齢者に高いハードルが却って良かったのか(笑)ちなみに、私は「東京駅周辺美術館共通券」利用なので、予約なしで入れた。
フォト
1階で予約を確認チケットを購入、2階でロッカーを利用、共通券は3階で提示、ここで無料音声ガイドを利用するためにWiFiに接続し、アプリをダウンロードする。会場では各作品に解説は一切ない。セキュリティチェックを受けて晴れて入場となるのだが、前期高齢者の我々夫婦はここでつまづく(涙)

アプリダウンロードの案内は1階にもあったのでそこで自力でやろうとしたのがまずいけなかった。3階にいけば、優しいおねいさんが手伝ってくれたのだ。が、それでもAndroidの場合通信が混雑してダウンロード最中にフリーズしてしまうと言うアクシデント、やっとダウンロードできたのに音声が聞こえないと言う始末…なんだかとてつもなく長い無駄時間を費やした気がして、気持ちを切り替え、解説なしで鑑賞することにした。
写真撮影はOKである。大方なら美術史は頭に入っているし、所蔵品ならほとんど見たことがあるし、知らなければ、あとでググればいい。知識を持たずに、自分の感じ方だけを頼りに鑑賞するもいいだろう。
なんちゃって、本当はちょっと負け惜しみ。それにしてもこれからの文化施設は、スマホやPCが操作できなければ楽しめないなんて、ちょっと辛い世の中だなぁ。頑張ってついて行かねば。



展示は6階、4階、3階の3フロア。たっぷりある。以降の企画展は1企画1フロアになるらしい。吹き抜け、ガラス張りが美しい。チームラボのプロジェクションマッピングもある。

でも何より驚いたのが、照明と無反射ガラス。全作品の写真撮影可だったが、ガラスが入っているのにほとんどの作品が映り込みなく撮れている。つまり、フィルム1枚隔てた感覚すらなく、生の作品を鑑賞できるのだ。見慣れた所蔵作品もあまりに抽象すぎてよくわからない作品も、これまでより数段美しく、素晴らしく見えた。

極め付けは、洛中洛外図屏風六曲二双の展示ケース。15m継目なし。隣のおばちゃんが思いっきり頭をぶつけていた。
かび臭い博物館の匂いも懐かしいが、最先端の美術館はやっぱり素晴らしい。この企画展、もう一度ゆっくりみたいと思った。


フォト
https://www.artizon.museum/collection-museum/exhibition
美術館とは、「人間とはなにか」を、造形をとおして分かりやすく伝える装置です。人間は過去、数万年にわたって形をつくってきました。その途切れることのない連鎖が、現在や未来の私たちを生かしています。人は文学や音楽、演劇などでもすぐれた成果を残してきましたが、美術ほど、私たちがもつ能力と可能性を一望の下に直ちに感じることができる分野はないでしょう。創造という人間がもつ輝かしい力を、美術は私たちに教えてくれます。休館中も収集活動を続けてきた石橋財団コレクションは、65年以上で約2,800点となりました。古代から21世紀までにわたる創造の軌跡は、みなさまに、美術家たちが造形を生み出す瞬間と立ち会う場をご提供できるものです。このたびの選りすぐりの約200点によって、今という時間が過去と未来をつなげ、人間の歴史を編んでいく営みにみなさまをお誘いします。

見どころ
(1)新収蔵作品から約30点を初公開
石橋財団は美術館の休館中も積極的に作品収集に取り組み、コレクションの幅を広げています。 本展では新収蔵作品の中から、モリゾ、カサット、ボッチョーニ、カンディンスキー、ジャコメッティ、松本竣介などの作品を約30点初公開します。
(2)コレクションへの新たな視点
「創造の体感」をテーマに、第1 部では近現代美術を一望し、第2 部では古今東西の美術を7 つのテーマで掘り下げます。 2つの異なる視点により、ブリヂストン美術館を代表する作品として長らく愛されてきたモネ、ルノワール、セザンヌ、マティス、ピカソなどのコレクションに新たな光を当てます。
(3)従来に無い鑑賞体験の提供
旧美術館の約2 倍の展示面積と最新機能の設備に加え、開放的な空間を創出し、現代的であたたかみのあるデザインを採用しました。 さらに日本古来の美術作品を展示するための部屋を新設し、古代から現代までの人間の創造の軌跡をたどります。

Part1 アートを広げる
Part2アートをさぐる
装飾、古典、原始、異界
聖俗、記録、幸福


一部立体作品とデッサンを除き、写真に撮ってきました。量が多いので、アルバムを二つに分けましたが、良かったらご覧ください。

その1 (200枚)
https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000106738027&owner_id=2083345

その2(77枚)

https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000106738043&owner_id=2083345

その中から一部紹介

新所蔵作品で気に入った(嬉しかった!)のはこちら


ラ・トゥール《静物》フォト
美しい…


ボッチョーニ《空間における連続性の唯一の形態》フォト
アニメのスローモーション、コマ送りの感じがして、新しいと感じた


印象派時代の女流画家は子供との心温まる絵
カサット《日光浴》
フォト

カサット《娘に読み聞かせるオーガスタ》フォト

娘がつまらなそうにふてくされているところが可笑しくて

モリゾ《バルコニーの女と子供》フォト
街を眺めながら女性が子供に何か話しかけてる。微笑ましいスナップショット。


松本俊介《運河風景》フォト

その他の新所蔵品は、キュビズム以降の抽象絵画が多かったが、旧所蔵品と合わせて、素晴らしいものが多く、苦手だと思っていたのに釘付け。照明のおかげかな。



ピカビア《アニメーション》フォト

中でも気に入ったのが、カンディンスキー《自らが輝く》
フォト
よくわからないけれど、みているだけでとても前向きになれる。

マチュー《十番街》フォト
書のような美しさ

ヴィエラ・ダ・シルヴァ《入口、1961》
フォト フォト

アルトゥング《T1989-H35》
フォト

マーク・ロスコ《無題》フォト
川村記念美術館でロスコの部屋を見たのを思い出す

クーニング《リーグ》フォト

旧所蔵品だけれど、改めていいなと思ったのも多かった。以前は抽象は全然受け付けなかったのだけれど。


アルトゥング《T1963-K7 》
フォト フォト

白髪一雄《観音補陀落浄土》フォト
力強さとスピードが圧巻

ザオ・ウーキー《07.06.85》フォト

ザオ・ウーキー《風景2004》フォト
抽象画といえばこの人の名前が出てくるが、近美の常設でも最後の方にあるのであまりじっくり見たことがなかった。しかし、色の美しさに今回は釘付け。ため息ばかりが出た。



自分自身こんなに抽象画に感動したのが初めてだったので、つい抽象画ばかりに紙面を割いてしまったが、ブリヂストンに来たならこれは毎回みたい!と言う作品も沢山出ていて、旧ブリヂストンファンにも満足いく展覧会。そのうち私の好きなのを数点

マネ《自画像》フォト

ヴラマンク《運河船》フォト

モネ《黄昏、ヴェネツィア》フォト

セザンヌ《サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール》フォト

藤島武二《黒扇》フォト

藤島武二《屋島よりの遠望》フォト

ピカソ《腕を組んですわるサルタンバンク》フォト

マティス《画室の裸婦》フォト

古賀春江《素朴な月夜》フォト

最後に、今回最も楽しみにしていた新所蔵品《洛中洛外図屏風》
フォト フォト
単眼鏡で端から端まで見ても見落としがある細かさ!集中力がある最初にこの部屋に飛び込めば良かった。またみたい。じっくり見たい。できれば、解説付きで見た〜い。

3月31日まで


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