1/12 人、神、自然ーアール・サーニ・コレクションと所蔵品展＠東博東洋館

正月行った時東洋館を見る余力がなくて帰ってきてしまったが、マイミクさんから「朝鮮古画の猫がよろしい」と聞き、また別のマイミクさんからも「特別展人、神、自然は思った以上に面白かった」と聞きおよんだので、これは行かねばなるまいと出掛けた。そもそも東洋館はいつ見ても面白い。それに、新春だから、神社でおみくじを引かなかった代わりにモンゴルの占いシャガイでもやってみようか。

東博の「高御座、御記帳台公開」は相変わらず70分待ち。20分待ち程度なら夫を説得して並ぼうかと思ったが早々に諦める。

会場は、いつもエジプトミイラのある2階。ここだけとても混んでいた。子供連れが多く、少々うるさいのが難点。

特別展　人、神、自然　ザ・アール・サーニ・lコレクションの名品が語る古代世界https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1979

古代の人々は、自分たち自身をどのように表現したのでしょうか。神々や死後の世界、自然界をどのように認識したのでしょうか。古代の美術工芸品には、当時の人々の意識や世界観が投影されています。
本展覧会は、カタール国の王族であるシェイク・ハマド・ビン・アブドラ・アール・サーニ殿下が収集されたザ・アール・サーニ・コレクションの中から、世界各地の古代文化が生み出した工芸品117件を厳選してご紹介します。「人」「神」「自然」の3つの展示テーマに沿って古代世界を巡ってみましょう。



まずど肝を抜かれたのがこの像。前5世紀〜後5世紀、ナイジェリアのノク文化だそうだ。体よりも知恵を重視したので、体よりも頭部を大きく作ったというが、この造形の素晴らしさ、まさか古代ナイジェリアにそういう文化があったことすら知らなかった。


3〜6世紀マヤ文明の仮面は、グァテマラから翡翠を調達できたという。


前2300〜前1800年頃バクトリアの高貴な女性像も宝石が沢山


同じく中央アジアの前2千年紀中頃飾り板は金。そして魔除の瑪瑙。金は権力の象徴の鉄板。重そうな純金装身具も眩かった。宝石の装飾加工も精緻で時代を見て驚く。

古代メキシコでは、宇宙は無限のトウモロコシ畑だと信じられていたというエピソードも面白い。現代の常識とはまったく違うことを知るべし。


アラビア半島南部で見つかった100年頃のレリーフは睫毛がギザギザの銅板。こんな人、新宿２丁目にいそう。


前3300〜前2500年頃アナトリア半島の《女性像「スターゲイザー」》の姿はまるで宇宙人？見たのかもしれない。


前2500年頃メソポタミア《タンバリン奏者像》、タンバリンが宝石でできている。神を呼ぶ大事な道具だった？


前7〜前6世紀ペルシアの《英雄像》は牛と闘う。とどめは足蹴り？

前3千年紀のオクサス文化《精霊像》は、今の絵本のおじさん妖精の原型ではないかと思った、画像がなくて残念。

野生の動物を畏れ神格化したり、家畜の動物を慈しんだり、動物と人との関係は様々で、やはり動物セクションは面白い。

エジプトの猫は私にとっては馴染み深いが、片耳イヤリングが可愛かった。

ネコ科といえば虎も、いやライオンか？中央アジア前2200〜2000年頃。宝石がはめ込まれている。


こちらはペルー2〜4世紀モチュ文化のジャガランディというネコ科の動物らしい。牙剥き出しにして怖い顔しているのは鼻飾りだから？



これは２頭の犬がヤギを仕留めているところ。子馬をなめてあげる牝馬など、場面を写した物もある。
この熊は頭をかいているのだろうか、なんとも愛らしい。


2月9日まで。別料金かからず、これだけのものが見られるのは嬉しい。コレクター、アール・サーニ殿下に感謝。


さて、お目当ての朝鮮古画の猫を堪能。

見上げているのは蜂かな


猫maoと蝶dieの音が長寿を表す耄耊maodieと同じことから吉祥の絵。それに牡丹が加わればさらにめでたい。


卞相璧の猫は愛らしくてさすが。
　

この他にもご紹介したいお宝がたくさんだけれど、今回ためになったのは、東博所属の天目茶碗の並べ比べ。今年はまた国宝燿変天目茶碗を見る機会もありそう。小さなお茶碗を覗き込むと宇宙。

文字天目

禾目天目

油滴天目

白覆輪天目

玳ひ（王皮）天目　

梅花天目

灰被天目


他の写真もアルバムに載せましたのでよかったらどうぞ。

https://photo.mixi.jp/view_album.pl?album_id=500000106594957&owner_id=2083345



シャガイの結果、私は「もっと注意しなさい」、夫は「努力すればやっと報われる」でした。む〜ん。