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2020年01月12日22:31

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1/11 ブダペスト　ヨーロッパとハンガリーの美術400年＠国立新美術館

ブダペストをブタペストと書いてしまうほどの欧州音痴。何しろ虚弱＆飛行機嫌い＆猫飼いで海外旅行にはほとんど縁がない。が、未知の国の絵画を知ることこそ楽しい。2014年にはスイス国交樹立150年ということで、ホドラー、バルテュス、ヴァロットンを知った。今年はハンガリー外交関係開設150周年ということで、ブタペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーから名品がきた。そして、知ったのが、メインビジュアルとなったこの絵。

シニュイ・メルシェ・パール《紫のドレスの婦人》

手に持つ小さな野花の黄色が紫のドレスを一層際立たせて、女性が向ける眼差しの先に思いを馳せます。初めて知った画家の名だが、ハンガリーでは国民的な画家なのだそう。

「ハプスブルグ展」は行かれそうもないが、きっと合わせてみたら面白い。でも合わせて見なくても、16世紀から20世紀までたっぷり網羅。ヨーロッパ各地で活躍のメジャーな画家からハンガリーの国民的画家まで、名品130点。見応えあり。好みもあるが、私は19世期末の自然主義、象徴主義の作品が一番印象的だった。

そして空いていてびっくり。空調が寒すぎてコートを預けなければよかったと後悔したほど。

https://budapest.exhn.jp/
https://www.nact.jp/exhibition_special/2019/budapest2019/

日本とハンガリーの外交関係開設150周年を記念し、ハンガリー最大の美術館であるブダペスト国立西洋美術館とハンガリー・ナショナル・ギャラリーのコレクション展を開催します。両館の所蔵品がまとまった形で来日するのは、じつに25年ぶりとなります。
本展では、ルネサンスから20世紀初頭まで、約400年にわたるヨーロッパとハンガリーの絵画、素描、彫刻の名品130点が一堂に会します。クラーナハ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルノワール、モネなど巨匠たちの作品に加えて、日本では目にする機会の少ない19・20世紀ハンガリーの作家たちの名作も、多数出品されます。「ドナウの真珠」と称えられるハンガリーの首都、ブダペストから一挙来日する珠玉の作品群を、ぜひご堪能ください。

Ⅰ：ルネサンスから18世紀まで
1.ドイツとネーデルランドの絵
2.イタリア絵画
聖母子
聖書の主題
ヴェネツィア共和国の絵画
3.黄金時代のオランダ絵画
4.スペイン絵画ー黄金時代からゴヤまで
5.ネーデルラントとイタリアの静物画
6.17-18世紀のヨーロッパの都市と風景
7.17-18世紀のハンガリー王国の絵画芸術
8.彫刻
Ⅱ：19世紀・20世紀初頭
1.ビーダーマイヤー
2.レアリスム―風俗画と肖像画
3.戸外制作の絵画
4.自然主義
5.世紀末―神話、寓意、象徴主義
6.ポスト印象派
7.20世紀初頭の美術―表現主義、構成主義、アール・デコ

最初に出迎えるのが、ルカス・クラーナハ（父）
《不釣り合いなカップル　老人と若い女》

《不釣り合いなカップル　老女と若い男》

クラーナハは人間の冷淡な姿、醜い姿を描くのが上手だ。老人は若い女にデレデレするが、若い女は老人の財布に手を出す。一方、老女は若い男に金を握らせて迫る。醜い老人たちはいずれも歯が抜けている。

ジローラモ・シチョランテ・ダ・セルモネータに帰属《聖家族》

目が覚めるほど色鮮やか。

フランチェスコ・ヴァンニ《聖家族》

こちらは柔らかな色遣い

フェデリコ・バロッチの工房《アッシジの聖フランチェスコのいる受胎告知》
画像はないが、右下に微睡む猫が描いてあったのが気になる。何か意味があるのかな。

ドメニコ・フェッティ《若い修道士の肖像》

とても好青年。素直な性格で厳しい修行に耐えるのだろう

ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエボロ《聖ヨセフをカルメル修道会の守護聖人にするよう、アビラの聖テレサに促す聖母》

バロック風かな。大きな絵画ではなかったがダイナミック

ヤン・ミーンセ・モレナール《聖ペテロの否認》

左下に関係ない方向を向く猫発見。これにも意味があるのか気になる…

エル・グレコ《聖小ヤコブ（男性の頭部の秀作）》

この1点だけ、混雑が予想されるのか幅を広く取って展示。確かに味わいのあるいい作品と思う。スペインの巨匠ゴヤの肖像画もある。この展覧会、今なら空いています！

バルトロメ・ゴンザレス《王子の肖像》
「ハプスブルグ展」に出ているベラスケスの《王女マルガリータ》に負けないくらい豪華衣装が描き込まれているが、手足のつき方がアンリ・ルソーの様に不自然。画像見当たらず。

ペドロ・ヌニェス・デ・ビリャビセンシオ《りんごがこぼれた籠》

犬に飛びつかれてびっくりしてこけたりんご売りの少年。子犬までもが吠えている。動きがある。

フランソワ・ド・ノメ《架空のゴシック教会の内部》
画像はないが、是非単眼鏡で見て欲しい。ものすごく精緻

フランツ・クサーヴァー・メサーシュミット《性格表現の頭像　あくびをする人》

最近どこかの展覧会（忘れっぽい…）でこのシリーズを見て驚いたのだった。1770年代の作品とは思えぬほど斬新。この日２作品もみられたのは収穫。

フェリーチェ・スキアヴォーニ《お茶を入れる召使い》

生活に密着した心地よさ、優雅さを描くビーターマイヤーの絵には素敵なのが多かった。こちらはとても気に入った作品。ご主人は数学者なのだろうか、ノートには図式がたくさん、召使いはエプロンで熱いポットの把手を掴んでお茶を入れる。柔らかな西日が差し込んで、ドアに窓の桟を映している。ほっとする一時。召使いの後ろには大きな黒板があり、彼女の美しさを際立たせている。学者は席を外したもののまだ難しい顔をして数式を解いているのだろうか。

ヨハン・バプティスト・ライター《小さな宝石箱》