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2019年12月07日17:44

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日本電機メーカーの崩壊

【半導体事業を捨てたパナソニック、どこへ行く?】
https://news.yahoo.co.jp/byline/tsudakenji/20191205-00153517/

以下引用。
先週末、パナソニックが半導体事業を全て、台湾の半導体メーカーWindbond Electronicsの子会社であるNuvoton Technology社に売却すると発表した。このニュースは半導体業界に衝撃を与えた。GoogleやFacebook、AmazonなどのITサービス業者が自分の半導体チップを作る時代になったというのに、わざわざ手放すのである。

世界の半導体業界では、1980年代終わりころからシリコンバレーを中心に雨後の竹の子のようにファブレスが登場した。そのファブレス半導体メーカーの先駆けがザイリンクス社で、ファウンドリの先駆けが台湾のTSMC社だった。TSMC社は何十・何百社のシリコンウェーハを製造した。それぞれの生産規模が小さくてもたくさん作るからビジネスとして成り立った。

対して日本の半導体はメモリからASICや少量多品種へ事業を転換したために工場の生産能力を満たすことができなくなっていた。工場のキャパシティが埋まらないのであれば、工場を小さくするか、手放すか(ファブレス)、あるいは他の企業の注文も取るか(ファウンドリ)、の選択肢があったはずだ。しかし日本の半導体メーカーは、何も選択せず、改良しようともしなかった。たまに他社から注文を受けて生産してあげたこともあった。これをファウンドリビジネスと称したが、これも間違いだった。注文を待つだけのお店と同じだったからだ。積極的なファウンドリ営業を全くしてこなかった。このままズルズルと90年代を過ぎ2000年代を過ぎた。不作為の10年から20年が経過した。

日本の半導体メーカーが弱体化したのは、世界の半導体業界の動きを見ず、ひたすらガラパゴス化の道を歩んだからだ。2010年代に入ってもやはり垂直統合の方が日本には合っているという声も強かった。今回のパナソニックも何周遅れかわからないほどだが、本質的にファブレスとファウンドリという考えを検討することなく、設計部隊も製造部隊も身売りすることになった。

かつて世界最先端の工場と言われた富山県の魚津工場と砺波工場、新潟の新井工場の3工場がわずか270億円で買いたたかれた。結論を言えば、半導体ビジネスの本質を理解することなく、産業を分析することなく、企業を分析することなく、リストラしたのである。もちろん、パナソニックに限ったことではないが、他の国内半導体メーカーと比べると、パナソニックはさらに何周も遅れている。

1990年世界半導体事業トップは1位NEC、2位東芝、4位日立であったが、2017年トップはこの有様である。
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世界トップであった主力事業がなくなれば普通の会社は持たないのだが、そこには日本特有のカラクリがある。

日本電機産業(家電・重電双方)は2大家長であるNTT(電電公社)と電力会社(東京電力、関西電力など)に食わせて貰う単なる下請け企業集団である。
「世界に冠たるNEC( ー`дー´)キリッ」ってもNTTの下請け。
今の日本人は自宅で固定電話は契約してなくとも、携帯電話またはインターネットにて電話回線利用をしない人はいない。
現在はソフトバンクとau(KDDI)があるが、1995年頃までNTTは独占企業であり、インターネット/ブロードバンドの高速化、定額化を徹底的に邪魔をしたのであったのだ。
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2006年までのガラケー全盛時代の電機メーカーは自社製携帯に自社ブランド名を付けられなかった。
全ての携帯端末には「NTT」と書いてあり、P000ならばパナソニック、N000ならばNEC製。つまり隠語、まさに下請けだった。
この携帯料金(本体代金)は原発で悪名高い総括原価方式であり、開発費、人件費、利益を全部載せて均等に頭割したもので、NTTの設備投資額ピークが1994年の4兆円!
※この原資は我々が払った電話料金である。
これを上記下請け会社で山分けしていた”だけ”だったのが、日本の家電企業の本性だったのだ。
だから彼らはユーザーなぞ見てなくNTTしかみてない。NTTも利用者は他に選択肢がないから勝手に付いてくるので、総務省(以前は郵政省)の役人と族議員の顔色を見ていた”だけ”であった。
そこには競争原理は全く働かない戦前同様の「統制経済」である。
一方でユーザーである国民からすれば、電話代や電気代は税金と同じだから払うしかない。
NTTがリリースしたのは、i-modeとISDNであった。
i-mode開発したNTTはこれを世界中のキャリアに売り込み彼らの株式を買収した。
AT&Tなどである。
総額2兆円!
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だが彼らは様子を見ており、スマホ時代になったら全部裏切ったので普及せず。
投資した2兆円はドットコムバブル崩壊で1兆円がパー!
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2007年、アップル社が革命的商品iPhoneを投入!
アップルは下請けではないのでNTTのいう事など聞かない。
NTTの名前もiPhoneには付けさせないし、キャリア独自改造も許さなかった。
日本企業もサムスンがアンドロイド・ギャラクシースマホで即座にiPhoneを追えた様にできたのだが、家長NTTが「わが国には世界に冠たるi-modeがある、スマホなんぞ未だ早い!i-modeでよろしい( ー`дー´)キリッ」
と待ったを掛けられて完全に出遅れてしまい、富士通や東芝などもスマホを製造したが出遅れは取り戻せず、またガラケー時代と売り方も変わり、ネットで情報共有されるようになり2000年代の栄華は取り戻せずに生産終了。

日本は民族的傾向からオープンプラットフォームを作るのが非常に苦手であり、i-modeも本来はタダで公開して普及させるべきであった。
トヨタのハイブリッドも同じ様に失敗。「どうだ!ハイブリッド凄いだろう!( ー`дー´)キリッ」
確かに技術は凄いのだが、そこへEVが出てくれば終わりであるのがガラケー・スマホと全く同様である。
スマホではGoogle社がアンドロイドOSをオープン無料で一般公開したのと同様に、
EVの場合一番難しい電動モーターのパワーマネジメント部分はテスラモータースが一般公開して「みんな作れば!」とやっている。
トヨタはハイブリッド特許技術を2018年に一般無料公開したのだが、10年遅すぎたので全く普及しなかった。
世界的な時勢に乗ることが出来なかったのがi-modeと同様である。

日本重電メーカー3社も全く同じである。
彼らも東京電力・関西電力の独占下請け企業であり、設備投資
(※原資は我々が払った電気料金である)が行われればジャブジャブに儲かった。
その儲かった金で家電、半導体、建設機械、鉄道車両をやったが、全部中途半端だったので思い入れも国際競争力もあるわけがないのだ。

韓国サムスンは1955年の自分の父親の様に「注文取れるまで帰国するな!」と言われてインド、アフリカ、中近東に放り出されるので、必死にしがみついてでも営業をやる。
これは中国企業も全く同じ。
しかしぬるま湯でゆでガエル状態の日本企業及び日本人には、2019年に彼らの様なガッツな営業力も技術力も、もはやどこにも残ってはいないのだ。
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日本は大昔から「東夷の地方小帝国」を作りたがる、クローズな空間にしたがる傾向がある。
「何かあれば俺のところに聞きに来い」「俺のところにあいさつに来い」と威張りたがるのである。
つまり日本はi-modeやハイブリッドの様に”秘伝”を作りたがるのである。
逆にアングロサクソンはテニス、サッカー、ベースボール、ゴルフ、ラグビーなどの競技を作るのが上手い、
オープンで公平なルール、紙に明記された技術というもの中で戦う。
そこに”秘伝”というものは存在しない。
ウィンブルドン現象で、全英オープン優勝プレーヤーがイギリス人選手でなくとも良いと考えるのとは全く逆である。
ウナギのかば焼きのタレやプロレスの技ならば「秘伝・秘儀」でも何でも好きにやればいいのだが、企業の競争原理に”秘伝・秘儀”を持ち込み、国際競争を拒否し続けた結末が、2019年、完全敗北した日本の電機産業であった。

■三菱電機、新入社員が自殺 「死ね」記したメモ残す
(朝日新聞デジタル - 12月07日 05:59)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=5892804
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