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2020年09月05日10:04
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河内見聞記�� 51 9月に想うこと
一昨日、昨日と午睡は扇風機で事足りた。西、南方の天気図に台風が二つあって、九州が影響下に入り、我が近畿圏も気温がやや下がったせいである。梅雨明けから続いた猛暑も一段落で、朝一番植物達に水やりする折、ふと眺めた栗の実は茶色に色づいて来た。手元の暦を見ると、次の月曜日は24節季の「白露」、草花に朝露が付き始めるころとの附記がある。
ベランダの水やりの対象は、今、八朔、苦瓜、パクチー、ベゴニア、青ネギ、それと柳生の山で摘んだ山椿の種は小皿の水に浸け、発芽を待っている。コロナのお陰で、園芸の真似事のようなこともやるようになった。今はやりたいことも多くありなかなか掘り下げるとまではいかないが、将来はいろいろ作ってみたいと思っている。私には百姓の血が流れているんだし、土に帰る伴侶にはいいのかもしれない。
新しい疫病の脅威で、多くの制約に囲まれた日常も気付いてみれば、一年の三分の二が過ぎたことになる。これまで11年、やりたいときに（日本語教師として）働き、長引くと適当な時期に潮時を探っては休息し、旅や語学などに費やしてきた。まあ言ってみれば自由人の第二の人生だが、それにしてもこの長期の制約付き生活は想定だにしていなかった。昨年末、突然の体調不良で中国・天津への渡航が叶わず、2月頃にはそれを幸運と思って安堵していたが、自由に好きなことができない今の非日常はやはり不幸と言わざるを得ない。ただみんなが不幸なので、諦めもつくという、かって遭遇したことのない非常に稀有な状況だと言える。
コロナの正体が少しずつ見えるようになり、メディアを通じて私の頭にも蓄積されつつある。今週は、気になるワクチン開発で新しい動きもあった。ロシア、中国が想定されていた大規模治験を完全に満たす前に承認というニュースがあった。日本政府が契約した英国メーカーのワクチンでの国内治験が始まるとのニュースもあった。いよいよコロナウイルスとの共生の日が近づいているとも読み取れる。つまり、ぼちぼち巣ごもり状態から出る準備を開始してもいい頃合いなのかと思い始めている。
何を先ずすべきかと考えると、第一には自粛生活の後に、何をしたいのか、いつ頃どう準備するかのスケジュール化である。そしてそのためにはいつ移動が自由になりそうかをある程度推察する必要があると思うに至ったのである。そしてつらつら考えてみた。ワクチン治験・正式投与開始、第三波・四波、オリンピック、途上国での余波、経済のなだらかな回復・・・・ 来年の秋頃には自分も動くことになるのではと、凡その絵を描いてみた。それより早まるかもしれないし、遅くなるかもしれないが、兆候を察知したらすぐ動けるように構えておくということだ。
さて今週世の中を席巻した動きはやはり「政治」であった。総理が辞めると言い出して与党ならず野党も蟻の巣をつついたような動きが始まった。コロナがやや沈静化というのもあってか、国民の半数程度の政治敏感層が年内の解散総選挙に向けて耳をそばだてて居る。勿論約半数の同鈍感層は眠ったままだが。つまり無党派層と政治無関心層は政治の動きなどどうでもいいのだ。その層を造ったのは現在の与野党の政治家達そのものだが、皮肉な構図には違いない。
私が、そうは言いつつも、政治に関心を持っているのは、無関心であればあるほど、この社会を悪い方へ導いて行くというのが目に見えるからである。少子化や東京一極集中の弊害という国を廃れさせる大問題を認識しつつ何も手を打てない現状の責任は間違いなく政治家たちにある。森・加計・桜などに国会の貴重な時間の大半を割くのは、優先順位という政治の役割の根幹が分かっていない。政治家の劣化と言えばそのとおりではあるが、無関心がそれを助長しているのも事実である。一個人にできることは限られてはいるが、最低関心を持ち続けることは大切だと思うこの頃である。
（おわり）
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