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2020年05月23日16:42

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河内見聞記供26 ブラジルから大西洋越えてポルトガルへ(完)

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8日も旅して写真が10枚しか残っていないと、前の(2)章で書いていた。しかし、おかしいなとずっと考えていた。東京在住のOさんに撮ってもらった最高に気に入った大判写真があったはず、だと。月曜日の朝、もう一度書架を探すと袋入りの写真が、本の間に積まれた書類、新聞、袋等の間から出て来た。昨晩「かんたんフォト」にアップした10数枚の写真である。

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実はこのタイル絵、別の写真にある「ポルトガルのベニス」と称されるアベイロの町の駅舎の壁に貼ってあったものである。そこはポルトへの往路立ち寄り、一番の見せ物である運河沿いの散策のあと集合し、写真を撮りにわざわざ寄り道をした駅舎であった。駅舎のタイル絵について司馬さんの「南蛮のみち供廚鮑2麁匹瀛屬靴董⊂椶靴述べてあるのに気付く。彼はマドリードからリスボン特急で国境を越えるわけだが、ポルトガルに入り駅舎がタイル絵とくすんだオレンジ屋根の建物に大きく変容すると気付いたのである。そしてその先の全線の駅舎がそうだったと。さらに話は、日本の磁器の青色の染付、呉須へ、それから中国の青花へ、着色剤・コバルトの話に続いていく。それは省略する。

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Oさんとは、その前日とおったナザレでの昼食のとき、険しい岩壁の下、砂浜の切れる辺りのレストランで隣席であった。60代のハンチング帽がお似合いのご夫婦だった。いわしの塩焼きをつつき乍ら白ワインをご一緒し、一挙に距離が縮まり何枚も写真を撮ってもらったものだ。帰国後その何枚かを現像して送ってもらっていた。幅30センチ大の大判である。大判の写真のお陰もあって、見失わずにすんだのかもしれない。

さて5日目、ポルトーリスボン間の特急で復路の途に就く。「2等」と日程表にあるが、手元の写真を見ても、なかなか快適であった。320Kmを4時間の行程。途中、唯一思い出すのは、コウノトリの巣が何回も見えたこと。風景は押しなべて平坦な畑や野原だった記憶だが、時おり大きめの木が見えた。ガイドさんが、あれコウノトリですよと何度か伝えてくれ、当時日本では絶滅が危惧されていた珍鳥の話題で少々盛り上がったのを覚えている。

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リスボンでも私たちは素敵な時間を過ごした。特に自由時間に坂道を電車で登り、徒歩で下ったのは楽しい思い出だ。特に下りでは赤系の屋根の街並みを見ながら、底には海が広がるパノラマのような空間が広角に見渡せるのである。また観光で廻った、大航海時代を偲ばせてくれるモニュメントの数々。私のその時点での人生の二つの基点、日本とブラジル。そこへ向けて、はるか500年前に人類史上初めて、この国の人々が出航して行った地点に、自分が正に立っているというある種、興奮状態にあったと言っても過言ではない。

リスボンでもう一つ思い出すこと。それは、当時一軒のカステラ屋さんがあって、そこを訪ねたのである。妻が日本から持って来た旅行案内に載っていた。カステラは今では長崎名物のお菓子である。学生時代、帰郷の土産で上等なものはカステラだった。それも福砂屋というブランドを特別に求めた。元々ポルトガルの宣教師がもたらしたものを日本人が改良を加え、それを日本人が本場に逆持ち込みしたとの触れ込みだったが、店の全容やその日本人のことは記憶にない。ただ、好奇心にかられて行って、行ったという記憶だけが残っているのだ。味は当然知っているし、福砂屋が一番と信じている御仁である。そのストーリーに私の脳みそが敏感に反応したということだと思う。それで現状を調べてみた。その店の名は「カステラ・ド・パウロ」、ご主人がパウロさん、奥様がともこさん。但し、その店は2014年に閉店し、翌年、奥様の故郷・京都で今度はポルトガルのお菓子を現代の日本人に味わってもらおうと、同名のお菓子屋さんを、北野天満宮の近くに開店されたそうである。パウロさんにも、大航海時代に雄飛した民族の血が流れているようだ。この新たな事実で、ふたたび私の脳みそは大いに振動した。

因みに上記のOさん、サンパウロから帰国し、東京勤務の二年間、そして今に至るまでお付き合いが続いている。よき友人を与えてくれた記念すべき記念旅行でもあったのである。旅はそういった意味でも、人生の佳き伴侶だと思っている。
(おわり)

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コメント

  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年05月23日 19:32
    コンバンハ

    旅先で たまたま出会い、その縁が現在まで続いているなんて素晴らしいですねぴかぴか(新しい)
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年05月23日 21:47
    > mixiユーザー そうですね、なかなかないですよね。共通項がたくさんあることは一つの要因でしょうが、それだけでもないし、不思議な縁を感じています。神様の仕業かな?。。。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年05月24日 12:53
    ポルトガル、いいですね〜!
    実家は、和菓子屋だったので、金平糖やカステラを売ってました。父が焼くカステラは、しっとりして本当に美味しかったです。今、ポルトガルのお菓子やイワシの塩焼きや伝統のお料理を食べてみたい!今回はキャンセルになってしまいましたが、絶対諦めません!
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年05月24日 16:29
    > mixiユーザー 金平糖、カステラ、この間書いたばっかりの元ポル語ですね! 書き忘れましたが、その後IngridさんとTiagoさんという方がリスボンに「kasutera」という店を開いたそうですよ。私たちが行ったのは6月ですが、秋もいいとどこかにありました。今年は難しいかもしれませんが、そのうち必ず行けますよ!
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年05月24日 22:14
    パライゾさんの人生の航路(日本・ブラジル)の出発点に立ったときの感慨はいかばかりだったか、と感情移入してしまいました。
  • mixiユーザー

    mixiユーザー2020年05月24日 22:49
    > mixiユーザー そうですか、その時の私の内なるトライアングル、日ー伯ー葡にジンセイさんも入って来たと。じゃあ、マラッカー葡ー日のトライアングルで是非夢を見て下され。どんな世界なんでしょう?興味深々です。

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