「交通事情」
ヤンゴンの渋滞はなかなか大変そうだ。首都ヤンゴンではバイクが禁止というのには先ずびっくり。排ガスとか危険とか言うが、他国との差があるかと言えば、明白ではない。しかも郊外や隣の市では走っている。自転車が多いかというとそうでもない。市民の主要な足はバスである。とにかくたくさん走っているのはわかる。ということは自動車が道路を走る乗り物のほとんどで、そして信号にやや問題が感じられた。待ち時間が以上に長いことがある。それと市内でも未舗装がままある。多分道路も足りないし、高架や地下の利用もほとんどない。結果的に渋滞が市民生活の最大の問題のようである。偶然手にした、日本語誌で、ある社長が社員の強い要望で退社時間を17時に早めた経緯を語っていた。18−19時に郊外の我家にたどり着くのに2−3時間要するのがその理由だと言う。
「旅行事情」
両替が他国と同じようには行かない。先ずは市内、空港、日本の順という話だったが、日本では先ず無理のようで、ガイドさんの判断に委ねた。すると先ずある両替屋が良いと言うので市内に入って行くと、閉店だった。それから別の店へ行くと渋滞の所為で相当時間を食ったし、最も勧められた米ドルの両替で、折り目の有る紙幣はレートを下げられた。ひどいときは受け取らないとも、なんとも鎖国時代の名残なのだろうか？生まれて初めての体験をさせてもらった。
「対日感情」
歴史的に競い合ってきたのはタイなんだと、ガイドさんの話から容易に感じられた。今近代化を進めるうえで、重視されているのは中国というのも自然に感じられたが、庶民は必ずしも好感を感じているかというとやや疑問というのが話ぶりから窺える。現実に日中韓が競っているみたいであるが、外交辞令だろうが、日本が一番好かれているのではと三人のガイドさんは皆口車を合わせているようだった。三人とも日本が気に入ったから日本語の世界に入ったので、少し割り引いて考えなければならない。しかし、日本人との生身の関係性で言うと、穏やかな性格の仏教徒というのは日本人と最も相性が良さそうに思われる。政府やJICAの過去の協力・支援というのも大いに関係しているものと思う。ただ、三四日の感想なので表層のみの印象かもしれないが。日本とは英国からの独立の際、スー・チーさんの父親なども先ず列強に負けずに発展した先達としての日本に範を求めた等評価は引き継がれているのも事実だろう。
今回はこの新しく勃興して来つつある新興国の全体像を掴みたかったので、その目的は達せられたと思う。しかし、広大な国土のほんの一部、前首都とその周辺だけを垣間見たに過ぎない。歴史的にも幾度か都を換え、現在も新首都が現存しており、それらを是非次回見てみたいとの感想を持ちつつ帰国の途に就いた。
（おわり）
写真：日本が提供したヤンゴン川のフェリーと日没風景
ログインしてコメントを確認・投稿する