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2019年10月20日18:51
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シュヴァーベン日記��. 11 新ドイツ紀行11 ワイマール 上
マイセンの宿で教えてもらった通り、磁器製作所で左折し地方道を西へ向かった。やがて4番のアウトバーンに合流し、ひたすら同じ方向に200Kmのワイマールを目指した。途中ケムニッツ、イエナを通過して行った。ケムニッツと言えば、以前はカールマルクスと呼ばれた、最近では極右のテロなどで物騒な町の印象だ。
今回の旅、プラン作りで意識したものとして、「ゲーテ街道」というのがある。冷戦時代にはなかったはずだが、ゲーテの生まれたフランクフルト、彼が青・壮・老年期を過ごしたワイマール、そして大学に通ったライプチヒを結ぶ約400Kmの道をそう呼ぶらしい。それに復興の町ドレスデンと首都ベルリン、更に日程的にもう一泊できるので、ワイマールから北へ150Km、ハルツ山地の世界遺産登録の木組み家屋の町クエードリンブルグを結んで廻ることにしたのである。
ゲーテは、フランクフルトの裕福な実業家の家に1749年に生まれ、ライプチヒとストラスブルグ大学で法学などを学び、1775年にワイマール公国に任官。30代で宰相となり、1832年に亡くなるまでワイマールで暮らした、大文豪であり政治家であった。私がゲーテの名前を印象付けられ、将来付き合うことになったのは、やはり何度も書いて来たゲーテ協会でのドイツ語学習ということになるのだろう。それは語学のみならずドイツの文化伝播を担う政府の機関と言ってもよく、世界的に通用する名前で、従って名前の重みというのが並みの人物とは決定的に違うのである。因みに、昨今の覇権国中国は、同じような機関に孔子の名前を使っている。
そうは言っても、ワイマールに行きたいと1980年代から思っていたわけではない。当時はゲーテとはフランクフルトの人とだけ思っていたし、ライプチヒで学んだとか、東側の政治家でもあったというのはずっと後に知ったことである。同時にイタリア紀行なる著作について別の人が書いていたのを読んだり、2012年に短期滞在した折、語学情報を同協会で収集したり、昨年大阪の協会でクラスに通ううちに少しずつ蓄積されていったものだと思う。
ワイマールへの道は元々交通量の多い幹線道路でもなく、楽な運転であった。特に混雑もなく、マイセンから二時間もかからないうちに、市内に入って来た。チェックイン時間には少しあったので、ホテルに荷物を置かせてもらって、車で回れるところを先ず見学することにした。最初に公国の主が住んでいた城へ行ったが、生憎閉館。というのがその日は月曜日で、多くの施設が閉まっていた。それで環状道路の外側にあるゲーテやシラーの墓所へ行った。
墓所から観光を開始するのも多少変な感じがしたが、効率を考えてあえてそうした。そこは大きな公園で、その中にロシア正教会の独特な丸いキノコのような塔のある建物があって、その地下に領主の棺などと共に安置してあった。偉人の墓としては、初めてみる形態であった。 （つづく）
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