ニュース特報『東京裁判 ─世紀の判決』

「伊勢長之助関連上映」
「いまはむかし」の公開を記念して
伊勢真一監督の父、伊勢長之助が作ったドキュメンタリーの
特別上映をいくつか観た。色んな意味で考えさせられることも多く面白かった。

ニュース特報『東京裁判 ─世紀の判決』
第二次世界大戦が終決し、
戦争責任を問う裁判が東京市ヶ谷の極東国際軍事法廷にて昭和23年に開かれた。
本作はこれを伝えるためのニュース映像として制作された。
日本軍が如何にしてアジアに分け入り、植民地化を推進していったかの過程を映し出し、
戦争中の状況を挟みつつ、東条英機元内閣総理大臣を始めとする日本の指導者28名を
断罪した。映像はその様子や判決の瞬間をつぶさにとらえている。
裁判中に病死した2名と病気免訴の1名を除き、25名が有罪判決を受け
うち7名が絞首刑にて死刑となった。
映画はニュース映像でありながら、交響詩｢ツァラトゥストラはかく語りき｣
「トッカータとフーガ ニ短調」などクラシックをつけ重々しい雰囲気が演出され、
意図的に感情が籠りやすい演出が施されており、
最後に憲法第九条の「戦争放棄」を高らかに掲げて終わる。
単に歴史のターニングポイントを記録したという事に留まらず
戦時中、東南アジアで国策映画に関わっていた伊勢長之助をはじめとする
映画人がその製作に当たっているという点も含めて興味深い映像だ。

関連ページ
http://www.theater-seven.com/mv/mv_s0358.html#tokushu